3人の娘が、それぞれ別の小学校に通うまで〈後編〉本人たちの理由を聞いてみたら

昌原貴弘

昌原貴弘

テーマ:小学校受験の基礎知識

「制服と、学校の名前がかわいいから」

双子の一人に、どうしてその学校に通いたいのかを聞いたときの答えです。僕たちは教育方針をあれこれ考えていましたが、娘の選考基準は思いもよらないところにありました。

わが家の3人の娘は、それぞれ別の小学校に通っています。前編では、長女の受験と、下の双子の学校選びで僕の考えが変わった経緯をお話ししました。

今回は、双子がそれぞれの学校に通いたいと思った理由と、その気持ちを聞いた僕たちがどう進学先を決めたのかをお話しします。

ランドセルを背負う女の子の後ろ姿(イメージ写真)/ジユン・ぱくたそ

行きたい学校は、受験の途中でも変わった


ありがたいことに、双子もそれぞれ複数の学校に合格をいただきました。

ここでは前編に続き、次女を双子A、三女を双子Bと呼ぶことにします。

二人とも、最初から行きたい学校が決まっていたわけではありません。受験を進める中でも希望は変わり、最後の受験を終えた頃に、それぞれが「今はここが一番」と話す学校が出てきました。

最終的には、その気持ちも踏まえて進学先を決めています。

双子Aが話していたのが、冒頭の理由です。

好奇心旺盛で運動も大好きな子ですが、かわいいものにも目がありません。制服だけでなく学校の名前まで気に入っていたと聞いて、僕は「彼女らしいな」と納得しました。

親が学校について調べている間に、本人はそんなところにも魅力を感じていたのです。

教育方針を考える親と、通学を考える娘


双子Bが希望したのは、長女の学校のすぐ近くにある学校でした。近いといっても、目と鼻の先ほどの超近距離です。

「もしかして、一人で学校に行かなくて済むから?」

そう聞くと、双子Bはニタッと笑いました。

普段から長女にべったりというわけではありません。それでも、お姉ちゃんと一緒に通えることは魅力だったようです。

実は、双子で同じ学校に通う選択肢もありました。それでも双子Bは、お姉ちゃんと通えそうなほうを迷わず選んだのです。僕たちが教育方針諸々を真剣に考えている間、本人は通学の段取りまで考えていたのかもしれません。

あるいは、二人ともお互いとは違う学校に行きたかったのかもしれません。性格も違い、普段から同じことをしたがらないところがあります。親としては、今回の選択にもそんな二人らしさを感じました。

本当のところは分かりません。ただ、二人で同じ学校に通うことを本人たちは選ばなかった。それも学校選びの中で知ったことの一つです。

まだ知らない学生たちも、すでに仲間だった


双子Bの進学先は附属校で、小学生以外の学生も同じ敷地を行き交います。本人には、その環境も安心材料になっていたようでした。

知らない学生たちなのに、双子Bの中ではすでに仲間のような存在になっている。その安心感の生まれ方には、僕も思わず笑ってしまいました。

実のところ、僕たち親はその学校の説明会に参加できていませんでした。双子Bも正式に見学したことはありません。ただ、長女の運動会などに出かける際に近くを通り、学校を目にする機会はありました。

「ここも受験するかもね」と話していたので、本人なりに意識していたのでしょう。

それくらいの接点からでも、通いたい理由が生まれていたことを面白く感じました。

大人は説明を聞いて、教育の内容を理解しようとします。一方で子どもは、目にした景色から自分が通う姿を思い浮かべているのかもしれません。

親の納得と、子どもの「通いたい」が重なるところ


制服がかわいいから。お姉ちゃんと一緒に通えそうだから。娘たちの理由は印象的でしたが、進学先の判断を本人たちにすべて任せたわけではありません。

僕たち親も、それぞれの学校の教育方針を理解し、わが子がそこで学ぶことに納得して進学先を決めました。そのうえで、本人たちがどんなところに魅力を感じているのかも大切にしたかったのです。

3校の教育方針は、それぞれ異なります。同じ物差しで比べるだけでは見えてこない良さがあり、僕たちは各校の特色を理解し、その教育に賛同しています。

長女の受験のとき、僕には強く思いを寄せていた学校がありました。今は双子の通う学校にも、それと同じくらいの魅力を感じています。3人が通うそれぞれの学校を、心から信頼しています。

娘たちの言葉を聞いて感じたのは、親が学校を信頼する理由と、子どもが通いたくなる理由は必ずしも同じではないということです。親が教育に納得できることと、本人が「ここに通いたい」と思えること。その両方を確かめながら、わが家の学校選びは進んでいきました。

小学校受験の指導に携わっていても、わが子の進学先がすんなり決まるわけではありません。長女のときと双子のときでは考え方も変わりましたし、最後まで迷うこともありました。

だから、ご家庭ごとに選び方が違ってよいのだと思います。初めから明確な答えがなくても、話し合う中で「わが家はこれを大切にしたい」と思えたことを軸にしていけばよいのではないでしょうか。

少なくとも、わが家の3人は今、それぞれの学校で幸せに過ごしています。

いろいろ考えて、最後はこんな理由も加わって決まった学校です。その答え合わせは、今の娘たちの姿を見ながら続けています。

しながわ・目黒こどもスクール|目黒校・茗荷谷校

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昌原貴弘
専門家

昌原貴弘(小学校受験教室の運営代表)

ICT教育の小学校受験 しながわ・目黒こどもスクール

目黒校・茗荷谷校で小学校受験を指導。参観授業を通じて、お子さまへの声かけや家庭学習の進め方も伝えます。出版社での学校取材・編集経験を生かした受験情報と、自ら開発する教材で学びを支えます。

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