落ちる子どもの特徴
小学校受験の絵画で求められているのは、上手な絵ではありません。年相応の絵が描ければ十分です。
しかし、普段からお絵かきをする習慣のない子や絵を描くのが苦手な子は、描きたいものがあってもどう書けばよいのかわからず、手を動かすことができなかったり、思う通りに表現できずに描くこと自体が嫌になってしまったりする場合があります。
【お絵かきは楽しい時間】
まずは絵を描くことを楽しめるのが大切。楽しいことなら繰り返しやりたくなり、自然と上達していきます。子どもが描いた絵を「上手だね」とほめてあげれば自信がつきますし、壁に飾ってあげれば誇らしく思います。一緒に絵を描きながら「お絵かき楽しいね」と笑顔で話しかけると、子どもは「これは楽しいことだ」と認識します。まずは、大げさなくらいたくさんほめてあげましょう。
【絵の描き方を学ぶ】
絵が上手になる近道は「まねをすること」、「観察をすること」です。一緒に絵を描けば、子どもは描き方をまねします。向かい合って、または並んで絵を描きながら「こうやって描く」という方法を見せてあげましょう。その際、クレヨンやクーピーペンシル、色鉛筆など、いろいろな道具を使って描く練習をするのがおすすめです。また、図鑑や日常にあるものを積極的に観察することで形を大まかに捉える力が出来たり、色彩力が自然と身について表現の幅が広がります。
【人物から練習してみよう】
最初は人物、果物、それから動物、乗り物などいろいろな対象を描いてみましょう。
人物から始める意図としては、対象物の中で最も身近なものであるからです。顔はどんな形であるのか、顔に対して首はどれくらい太いか、真っすぐ立った時の足の向きなど、全身鏡などを利用し観察を含めた練習をおすすめします。その際には、お子さまと一緒に特徴を話し合って進めると理解が深まります。
クレヨンで人物を描く場合、画用紙に最初に「うすだいだい(ペールオレンジ)」でマルを描いて塗りつぶし、その中に目と口を描いて周りに髪の毛を描くと人間の顔になるのですが、最初に黒いクレヨンで目を描いてから、「うすだいだい(ペールオレンジ)」で顔を塗りつぶそうとする子もいます。すると顔がぐちゃぐちゃになって、子どものやる気がしおれてしまいます。使用する素材の特徴も合わせて説明してあげると、より楽しく対象物を描けます。
顔を上手に描く手順も、一緒に絵を描いて見せると、子どもは自然とまねをして上手に描けるようになっていきます。顔が書けるようになったら、次は体。全身が描けるようになったら、男の子と女の子の書き分けや、表情をつける方法を教えてあげるとよいでしょう。