「勉強しなさい!」は伸びない声掛け
日常生活の中でできる「練習」はたくさんある
小学校受験で工作の課題をクリアするためには、どのような準備を行えばいいのかを考えていきましょう。
工作の課題で求められる「紙をハサミで切る」「のりを付けて貼りつける」などの作業は、普段から絵を描いたり、紙を切ったり貼ったりして自分で何かを作ることが好きな子どもなら楽しく課題に取り組めそうです。
けれど、そういう作業があまり好きではない子や、これまでほとんどハサミやのりを使ったことがない子どもは、「工作」すること自体が難しく、ハードルが高く感じるかもしれません。
大人には簡単なハサミを使って切る作業や、のりを適量つけて貼り付ける作業も、慣れない子どもには困難です。まずは子どもが楽しんで工作できるよう、「ハサミを正しく持つ」「線の上を切る」「紙にのりをつける」など、簡単なことから少しずつ取り組むようにしましょう。
その際、工作自体を「楽しい」と思えるように子どもの気分を盛り上げ「もう少しでできそう」と、やる気が刺激される言葉をかけてあげることが大切です。
小さな成功をたくさん重ねて自信をつけることが、上手にできるようになる近道です。最初から完璧を求めず、簡単なことからひとつずつクリアできるように教えてあげましょう。
【1:ハサミで切る練習】
ハサミを使って紙をきれいに切る練習をしましょう。最初はハサミを正しく持つところから。ハサミが正しく持てたら、刃を立てて切る練習をします。最初は上手に切れないかもしれませんが、練習することできれいに切れるようになるので、辛抱強く取り組みましょう。紙の折り目や線に沿って切る練習も大切です。子どもの好きな色の折り紙を使ったり、子どもが好きなキャラクターの絵がプリントされた紙を使ったりすると、楽しみながら練習できます。
【2:紙を折る練習】
紙を折る練習も大切です。一緒に折り紙をしながら紙の端と端を合わせてきれいに折る練習をしましょう。小さな子どもには「きれいに紙の端を揃えて折る」ことも最初は難しいのですが、細かく指先を使う作業は脳の発達にも役立ちます。一つひとつの工程をじっくり丁寧に取り組み、焦らず気長にチャレンジしましょう。
【3:色を塗る練習】
クレヨンや色鉛筆を使い、お絵かきや塗り絵で色を塗る練習をしましょう。簡単に思えますが、指先の力がコントロールできないと意外と難しい作業です。子どもが意図した通りに指先に力を入れることができないと感じたら、粘土遊びやぞうきんを絞る練習を取り入れると、手や指を使う良い訓練になります。
【4:紙をちぎる練習】
ちぎり絵は紙をちぎる良い練習です。自由な大きさにちぎるほか、紙をまっすぐちぎる練習も取り入れてみましょう。ちぎり絵は「ノリをつけて貼りつける練習」も兼ねることができるのでおすすめです。
【5:貼りつける練習】
小学校受験の工作では、スティックのり、つぼのり、水のりなどいろいろな種類ののりが出される場合があります。さまざまな種類を使い、ちょうどよい量ののりをつけて貼り、指先で抑えて固定する練習をしましょう。慣れてないと、のりをたくさんつけすぎてべとべとになってしまいます。繰り返しての練習が必要です。
【6:結ぶ練習】
紐のついた靴を使えば、日常生活の中で自然に結ぶ練習ができます。かた結び、蝶々結び、たま結びの3種類ができるようにしておきましょう。
【7:お片付け】
入学試験では、使った道具をお片付けするところまで見られています。お片付けも習慣にしましょう。
そのほか、服をたたんだり、たたんだ服を風呂敷に包んだり、ぞうきんを絞ってお掃除したりと、日常生活の中でできる「練習」はたくさんあります。実際に何度も手を動かして「自分でやってみる」ことが何より大切。早くから準備をすれば子どもを急かさず、楽しみながら練習できるはずです。