親の面接
小学校受験は親子二人三脚の受験です。小学校受験に際しては、子どもに面接や行動観察があるのはもちろんですが、保護者の面接が用意されている小学校もたくさんあります。お子さんの言葉づかいやしつけはもちろん大切ですが、合格を現実のものとするためには、ご父母の心得も大切です。
小学校受験は親御さんが主体となって進める
小学校受験が中学校・高校・大学受験と違うのは、完全に親が中心となって動くという点です。小学生高学年や中高生の場合、勉強することの意義やメリットを理解したうえで学習に取り組めますが、小学校の受験生は3~6歳の幼児であるため、そもそも勉強することの理由や意味がよくわかりません。「どの学校がいいか」を客観的に判断する力もありません。親が主導となり小学校の情報を収集し、どの学校に進学するのがいいかを決めていくことになります。
まず、一つ目の心得として、我が子とはいえ最低でも6年間を過ごすことになる大切なスクールライフの第一歩を、自分たちが決めるのだという自覚と責任感を持ちましょう。
二つ目の心得は、子どもも含めて家族が一致団結していることです。小学校を受験することにお父さんもお母さんも子どもも全員が賛成し、子どもが主人公のチームとして同じ目標に向かっていくことが大事です。よくあるパターンとして、お母さんだけがいわゆる「お受験ママ」タイプであることが挙げられます。親の見栄のために子どもの考えは無視して勉強を押し付け、お父さんはお父さんで内心実はお受験に興味なし…といった状況の場合、家族間の信頼関係が十分に構築されていないためチームとして機能しません。親の面接がある小学校であれば、家族の不和を見抜かれてしまうかもしれません。こうしたケースの場合、家族全員がストレスをため込む原因にもなってしまいます。小学校受験の価値や意義を家族全員が理解し、意見をしっかりと合わせた上で臨むようにしましょう。お子さんが小さく、自分で判断できないことも多いため、難しいポイントかもしれませんが、この点をクリアしておくことは非常に重要です。
三つ目の心得は、子どものモチベーションを上げることです。発達心理学でよく言われることですが、幼児期は褒めることが大切です。「勉強しなさい」「ああしなさい」「こうしなさい」といった命令口調ばかりでは大人でもモチベーションは下がる一方です。人生経験も少なく一つ一つの言葉に敏感な幼児であればなおさらです。かといって、何でもかんでも褒めるのも効果は薄く、褒められるのに慣れてしまう場合もあります。勉強や体操や絵画などで成長が感じられた時に思い切り褒める、しつけをするときは優しく根気強く諭す、悪いことをしたときはきちんと具体的に叱る、といった使い分けをしていきましょう。
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