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小学校受験を考える理由は
全国の約98%の子どもが公立小学校に進学する中、残り2%のご家庭はどうして私立小学校・国立小学校を選択したのでしょうか?今回はその理由や昨今の傾向をご紹介します。
小学校受験検討の理由いろいろ
文部科学省「平成31年度学校基本調査」によると、私立小学校に進学する子どもは全国で1.2%、国立小学校は0.6%となっています。私立・国立小学校の学校数が最も多い東京都でも、私立小学校の進学率は4.2%、国立は0.6%と、小学校受験校に進学する割合は5%程度(約5,000人)となっています。ほとんどの子どもが公立小学校に進学する中で、なぜ私立・国立小学校を選択するのでしょう?大多数を占める理由は、やはりと言うか当然ながら「質が高い教育を受けさせたいから」というものです。「質が高い教育」というと曖昧なので、もう少し深掘りしていくと、以下のような理由となります。
・有名大学の附属校、系列校に入れて進路を確立させてあげたい。
・名門中学受験のため。
・親自身がその小学校や系列大学の出身で、子どもにも通ってもらいたい。
・レベルの高い子どもたちが集まっていて切磋琢磨してくれそうだから。
・子どもの個性や可能性を伸ばしてくれそう。
・子どもが好奇心旺盛で勉強も好き。私立に向いている性格だと思う。
・充実した英語教育や情報教育など、カリキュラムに魅力を感じている。
・最新設備に魅力を感じている。
・学区の公立小学校に不安や不満がある。
・仲の良いママ友の子どもも受験するため興味を持った。
・母親も働いているので、学童が学校内にあることに魅力を感じている。
いろいろな理由がありますが、これらの理由をおおまかに分類すると、
①進学重視型
中学受験や大学進学を見据え、子どもが成長して大人になるまで一貫して良質な教育を受けて、よりよい人生を歩んでほしいと願う「進学重視型」。
②子ども重視型
子どもの性格や意向を汲んで、充実した学校生活を送ってほしいと願う「子ども重視型」。
③公立リスク回避型
地元学区の公立小学校が荒れている、同級生に乱暴ないじめっ子がいることがわかっている、評判の悪い先生が多いなどの理由で私立、国立小学校を検討している「公立リスク回避型」。
上記3つが受験理由の多くを占めています。
私立小学校・国立小学校には将来の進学・進路面でのメリットだけでなく、価値観の近いお友だちやご家庭が多く、安定した学習環境が保証されていること、創造的なカリキュラムや体験プログラムなどメリットがたくさんあります。こうしたメリットに魅力を感じて、多くのご家庭が私立・国立小学校の受験を検討されています。
上の項で、東京都の約5,000人の子どもが私立・国立小学校に進学するとお伝えいたしましたが、これは実際に受験小学校に入学した子どもの人数をカウントしているものであり、そこに至るまでの受験を考慮したものではありません。小学校によって「人気=倍率」は様々ですが、都内の受験小学校の平均倍率は3~4倍程度と言われています。よって、進学を希望するご家庭は単純計算で5,000人×3~4倍となりますから、実に毎年15,000~20,000名が受験を検討されている計算になります。平成31年度東京都の5歳児の人口数は約10万人ですから、うち15~20%は私立・国立小学校を受験するということになります。小学校受験校を目指す東京都内のご家庭の数は、意外と多いのだということがわかります。
◆次回◆小学校受験 昨今の傾向