小学校受験の塗り絵が上達する方法 その2
小学校を受験するメリットは教育の質
私立・国立を問わず、小学校受験をする上での共通のメリットは、お子さんの個性に合わせて質が保証された教育を安定的に受けられることにあります。公立小学校の場合、近所でお友だちが作りやすい、通学が子どもの負担にならない、学費が安いなどのメリットが多くある一方で、教員の異動が多かったり、学年によってはクラスが荒れることも事実としてあります。
私立や国立小学校の場合、教員の異動がそもそも少ないという点で教育にムラが少なく、お友だちも家庭環境や受験経験で培われた価値観が似通っている場合が多いため、荒れが起こるリスクも自然と回避されています。このように学習環境が安定しているため、常に高い質が構造的に担保されています。
私立や国立小学校に入学するためには、入試でペーパーテスト、面接、集団活動といった考査を経験します。受験生の多くが幼児教室などで机に向かう習慣、正しい言葉遣いやマナー、体の動かし方や協調性をもった取り組みを学びます。早い時期からこれら学習姿勢を習得することができるのも大きなメリット。小学校入学時の時点で既に学び対する意識が高く、周囲もその姿勢を持ち合わせた集団の中で生活をしていくわけですから、大切なお子さんを預ける親としては、これほど安心で期待できる環境は無いでしょう。
私立小学校のメリットは多様な校風・教育方針の中から選べること
私立小学校のメリットは、選択肢の多さにあります。校風・教育方針も学校によって多種多様で、お子さんの個性に合った学校を選ぶことができます。私立小学校を「進学」という観点で区切ると、以下の3つのタイプに大別できます。
①.大学までエスカレーターで進学できる内部進学タイプ(例:慶應義塾幼稚舎、青山学院初等部)
②.中学や高校まで進学でき、大学実績に優れた大学受験タイプ(例:暁星小学校、東京農業大学稲花小学校)
③.名門中学への進学に強い中学受験タイプ(例:洗足学園小学校、目黒星美学園小学校)
内部進学タイプであれば、大学卒業まで受験を挟まず一貫して質の高い創造的な教育を受けることが可能です。長い年月を同じ学び舎で過ごすことは学友との強い絆をつくることでしょう。ただ、附属校への進学が既定路線である以上、将来の受験を考えた場合は決して有利な環境ではありません。中学や高校進学時に外部受験を経て入学してきた生徒との学力差を痛感することもあります。
対して受験タイプは、中学か大学で再度受験をする必要はあるものの、進学実績から見ると多くの卒業生がいわゆる名門と呼ばれる中学や大学に進学しています。受験のための進学指導が充実しており、何よりクラスの大半が受験をするために良い刺激になります。ただ、必ずしも学校の授業だけで名門中学や高校に合格できる子ばかりではありませんから、塾にも通っている家庭が多いのも特徴。必然的にクラス全体の学力が向上し、切磋琢磨する環境が生まれるわけです。
これまでの受験校選びは、せっかく小学校で受験をするのだからと、中学あるいは高校まで附属の小学校ばかりが注目されていました。ところが、近年は中学受験タイプの小学校も進学実績を積極的に公表するようになったことで、中学受験タイプの小学校の需要も高まっています。
◆次回◆私立・国立小学校に入学するメリット②