筑波大学附属小学校受験対策【①入試全容と国立小学校受験の注意事項】
筑波大学附属小学校の図形問題
筑波大学附属小学校の図形問題はとくに難しいと言われていますが、決して解けない問題が出るわけではありません。複雑な線がたくさん入っている難しさを追求したかのような回転図形や鏡図形も出題されません。個人的には入学を控えた子どもたちが楽しんで小学校の学習に打ち込めるような、面白みのある問題だと感じています。
例題①:解答を選択肢から選ぶパターンの問題
例題②:解答を自分で記入するパターンの問題
図形問題は取り組む前に例題をつかった模擬授業があります。この時点でしっかりと授業に参加して理解することがポイント。全国の小学校が模範とする先生方による模擬授業です。わかりやすくて的確な指導であることは言うまでもありません。この時点で集中できていなければ、まず合格はあり得ないでしょう。それでも、筑波の図形が難しいと表現される理由は、効率と工夫力が問われる課題であるから。いざ、問題に挑戦してしばらく解いてくと、ものの5~10分程度で「止め。」の合図があります。問題数は課題にもよりますが、多くて20問近く出ていますので、効率と工夫をもってして取り組む力が無ければ、到底最後の問題まで到達できないのです。事実、大勢の子が半分くらいで終わった、7割程度で終わったということを試験後に言います。
効率よく問題に取り組む工夫
素早く問題を解くためには経験も大切ですが、運筆の力、集中も不可欠です。毎年のように出題されている回転図形や折り重ね図形でも、見た目や取り組み方にルールを設けているため、初見に対応できる柔軟な思考が試されます。図形対策に過去出題をたくさんやるのはいいですが、難しい問題や正答率にばかりに注目するよりも、頻出課題のパターンを変えた類題を算数ドリルのようにどんどんやっていく方が楽しんで取り組める上に対策として適しているのではないかと思います。
過去出題を徹底的に研究する
過去出題はひと通り練習しておくことも重要です。なぜなら、図形課題は過去出題にあった問題のリメイクのような問題が毎年出題されているためです。設問指示は違えど、考え方や解き方は共通する部分が多いので、経験の有る無しは大きく影響するでしょう。下に直近5年間の過去出題を紹介します。同じ単元名の問題が繰り返し出題されているはずですので、参考にしてください。
・2019年度入試 図形課題
Aグループ男子「重ね図形」いくつかの〇が描かれた2枚のマスをぴったり重ねたときの見え方を描く(重なる〇は描かない指示がある)
Aグループ女子「重ね図形」※Aグループ男子とほぼ同じだが、重なり方が異なる
Bグループ男子「折り重ね図形」〇の描かれたマスを太線部で何回か折ったときの様子を描く
Bグループ女子「折り重ね図形」※Bグループ男子と同じ問題
Cグループ男子「重ね図形」いくつかの〇が描かれた2枚のマスをぴったり重ねたときの見え方を描く
Cグループ女子「重ね図形」※Cグループ男子と同じ問題
・2018年度入試 図形課題
Aグループ男子「反転」線が描かれている点図を裏返しにしたときの見え方を考えて描く
Aグループ女子「反転」※Aグループ男子と同じ問題
Bグループ男子「切り抜き図形」半分や4つ折りの折り紙の黒い模様部分をはさみで切ったときの見え方を選ぶ
Bグループ女子「切り抜き図形」※Bグループ男子と同じ問題
Cグループ男子「図形の重なり」4枚程度の図形が重なったお手本には無い図形を選ぶ
Cグループ女子「図形の重なり」4枚程度の図形が重なったお手本を見て一番下にある図形を選ぶ
・2017年度入試 図形課題
Aグループ男子「折り重ね図形」黒い模様のマスAと〇が並んだマスBがあり、AのマスをBに折って重ねるようにしたときの見え方を考えて描く
Aグループ女子「折り重ね図形」※※Aグループ男子と同じ問題だが、イラストの配置と重ね方が違う
Bグループ男子「回転図形」お手本の形を右に1回倒したときの見え方を選ぶ
Bグループ女子「回転図形」※Bグループ男子と同じ問題
Cグループ男子「位置」真ん中を抜いたマスの中にある記号を時計回り・反時計回りに移動させたときの見え方を選ぶ
Cグループ女子「位置」※Cグループ男子と同じ問題
・2016年度入試 図形課題
Aグループ男子「回転図形」線が描かれたマスを1回倒したときの見え方を考えて描く
Aグループ女子「位置」お手本側の〇を矢印の指示通りに移動させたときの見え方を考えて描く
Bグループ男子「点図形」黒い丸だけを1本の線でつないで島を作るように描く
Bグループ女子「重ね図形」いくつかの〇が描かれた2枚のマスをぴったり重ねたときの見え方を描く
Cグループ男子「回転図形」円に模様が描かれたお手本を回転させたときの見え方を描く
Cグループ女子「回転図形」※Cグループ男子と同じ問題
・2015年度入試 図形課題
Aグループ男子「回転図形」円の周りの点を結ぶ線が描かれたお手本を回転させたときの見え方を描く
Aグループ女子「回転図形」※Aグループ男子と同じ問題
Bグループ男子「模写」左右のマスにそれぞれもともとある〇を描いて同じ模様にする
Bグループ女子「折り重ね図形」線が描かれたマスAとマスBがあり、AのマスをBに折って重ねるようにしたときの見え方を考えて描く
Cグループ男子「模写」お手本の線とまったく同じように描く
Cグループ女子「模写(鏡図形)」お手本の線と左右対称に描く
◆次回◆筑波大学附属小学校の制作考査について