2019年度首都圏私立小学校・国立小学校の志願者数【②2019小学校入試志願者数速報ー50音前半】
日本で一番志願者数の多い筑波大学附属小学校の受験倍率は?
志願倍率30倍以上とされる小学校でも、蓋を開けてみれば受験倍率はその半分以下だったという結果もあります。とくに小学校受験では、志願倍率と受験倍率に極端な差が見られるケースがよくあります。例として、日本で最も志願者数の多い筑波大学附属小学校を見てみましょう。
筑波大学附属小学校は、東京都文京区大塚三丁目にある国立小学校で、筑波大学の附属校です。1学年の募集人員は、男子64名、女子64名の合計128名。日本で最も志願者数が集まると前置きしましたが、毎年4,000名を超える志願者が集まります。募集人員128名に対して4,000名が志願しますので、30倍以上の志願倍率ということになります。では「受験倍率」に注目してみましょう。
筑波大学附属小学校は約8倍の受験倍率
①筑波大学附属小学校は、例年約4,000名が志願する人気校ですが、全員が試験を受けられるわけではありません。受験資格が与えられるのは、半数の2,000名程度。試験前に約50%の通過率の抽選をおこない、抽選に通過した受験家庭のみが試験を受けられる制度となっています。参考までに2019年度入試では、男子2,032名、女子1,762名が出願しており、抽選通過率は男子49%、女子57%でした。「抽選」で落選してしまうケースが約半数ですから残酷な気がしてなりませんが、国立小学校の入試は学力優秀児を選抜するための考査ではありません。国立小学校の使命・教育観を理解する家庭、研究対象としてふさわしい児童を選抜するのが目的なので、試験の人員的・日程的な問題も含めて、あまりに大勢が受験する必要は無いのです。近隣のお茶の水女子大学附属小学校や学芸大学附属竹早小学校は、さらに抽選通過率が低く設定されています。
②次に、抽選を通過した受験家庭は試験に臨みます。募集定員は128名ですが、その倍近い人数の約200名が試験に合格します。参考までに2019年度入試では、男子受験者847名、女子受験者810名となりました。受験者が男女ともに抽選通過者よりも少ないのは、試験までの約1カ月間で辞退される方が全体の約15%程度もいた為です。肝心の「受験倍率」は、受験者数1,657名÷合格者数約200名=8倍弱となります。そして、試験合格後に再び抽選をおこない、募集定員数とイコールの入学候補者を選抜します。
見かけ30倍とされていた倍率が、実際には8倍程度の受験倍率となるのですから現実性も出てきます。当然ながら辞退者の数は毎年違ってきますが、小学校受験は幼稚園の年長さんが挑む受験ですから、当日の欠席・辞退者は意外と多いのです。
◆次回◆筑波大学附属小学校の入試についてもっと詳しく