文化庁支援 日本舞踊のいろは 日本文化と着物、扇子、おじぎについて オンライン日本舞踊稽古
日本舞踊を習う目的は何ですか?
尾上流師範勉強会
この写真は、先日の尾上流師範勉強会の際の写真です。
師範だけが踊る機会は多くありませんが、このたびはとても勉強になりました。
同じ流派の中でも、役者の師範は何故か華やかで、人を魅了することに長けていると感じました。一方で、日本舞踊を教える師範の目指すところは、癖のない基本に忠実な踊りを探求している様子がありました。
何故日本舞踊を習いたいと思いましたか?
弟子達が入門する際に、必ず聞くようにしています。
本当に様々な目的で入門しますので、その目的に合った指導が出来ないと意味がないと感じます。
着物に興味があります!
結構多く聞こえてくるのがこの声です。
着物を着て習うものは、それほど多くはないですね。
お茶は稽古所によると思いますが、いつも着物とは限らないこともあるようです。
着付けを習うのは良いけれど、着物で動いて所作を身につけたいという方もいます。
日本の伝統文化に親しみをもちたい!
国際化が進む中で、若い方から聞こえてくるようになりました。
日本の良さを海外の方の方が知っていることも多いそうです。
自分の言葉で、自分の身の回りにある日本文化を語れることは、これからの時代は大切なことになると感じます。
海外からの留学生が体験させてほしいと習いに来ることも多いです。
受け入れ先の子どもも一緒に体験してもらうことにしていますが、全く相違なく初めて体験する様子があり、保護者の方から良い機会でしたと言われることも少なくありません。
所作を身につけたい!
役者や役者志望の方からよく聞く言葉です。
着物を着せてもらうと綺麗にはなりますが、「着る」ことと「着こなす」ことは違います。成人式の振袖が良い例です。
成人式当日は、皆美容院で綺麗に着付けをしてもらいますが、床までの袖を電車に座り床に落としていたり、階段を掃除するかの様に引きずっていたり、と美しく動くことは難しいです。
普段から着物を着て、立ち座りをしたりという経験がなくては、なかなか身に付かないと感じます。
役者は着物を着た役につくと所作指導などはある様ですが、着物を着こなすことが出来ないと始まらない様です。着物を着て、ごく自然に生活している様子になるには、少しの時間がかかりますが、日本舞踊は昔の生活や様式を踊りにしたものなので、所作を身につけるには適しています。
日本舞踊の唄が好き!
多くはないですが、年配者の中にはこのような意見もありました。
日本舞踊は、長唄、清元、常磐津、大和楽などの唄があります。
現代の音楽とは違った節回しや間の唄で、聞いていると心地よいと言っていました。
日本舞踊を習いたい!
今までは〇〇したいから、〇〇に興味があるから、日本舞踊を習いたい!と入門する方が多かったのですが、最近は特に若い方やお子さんまでもが、「日本舞踊を習いたい!」と入門します。
これは最近増えていることで、大変喜ばしく、嬉しく、とても興味深いことです。
日本舞踊が重要無形文化財になりました!
令和5年7月に、国が日本舞踊をやっと日本にとって大切なものと認識してくれたのです。
これを機に、日本舞踊ってどんな踊り?日本舞踊って習えるの?という声が高まってくることを期待しています。
ただし、やはりそこには大きな壁も立ちはだかっています。
日本舞踊は、着物を着ないと踊れない踊りです。
今は着物が家になかったり、着物を着ることが出来ない人が多いので、やってみたいと思った時にすぐ習うことも難しいのではないでしょうか?
着物を着ること踊ること
尾上菊右佐稽古所では、着物を着ることは扇子を持つことと一緒と思っています。
誰しもが自分で着物を着て帯を結べるように進みます。
自分で名古屋帯が結べる様になると、年齢にかかわらず人にも着付けができる様になります。
日本舞踊を踊ってみませんか?
もし興味をもった方がいましたら、是非お近くの日本舞踊の先生を探してみてください。興味に合った先生が見つかることを願っています。
入門前にお話をしたり、稽古を見学できればさせてもらい、体験してみると良いと思います。
弟子が通ってくれることが大前提ですが、一生のお付き合いですので、しっかりと選ぶと良いと思います。