日本舞踊入門者を迎えて 〜尾上菊右佐〜
2024年 明けましておめでとうございます
今年の目標
いつも心に留めている言葉でもあり、繰り返し繰り返し口にしている言葉でもあります、
「どなたでも始められる日本舞踊」を多くの方にお伝えしたいと願っています。
文化庁 町田親子日本舞踊教室
昨年春から秋にかけて、開催することができました。
2009年より子ども教室を実施していますが、親子教室は初めての取り組みとなり、とても充実した教室となりました。
浴衣を着て半幅帯を結び、訪問時の振る舞いや着物姿の所作、扇子を持って様々な所作をして、1曲踊ってみましょう、という教室です。
浴衣や帯結びに関しては、親も子もほとんど変わらず初めて知る方が多くて、その場合子どもの柔軟性は飛び抜けていて、一度知るとすぐに自分の持ち物にしてしまいます!お辞儀も大昔からしていましたよという顔で出来るようになります!時にお母さんが子どもに聞く場面もあり、子どもは大層嬉しそうにお母さんに教えていました。
アンケートに、お母さん達の喜びの言葉が多数ありました。「グローバル化の進む中で日本文化をもっと知って身につけて欲しいです」「子どもが自律しました」など嬉しい言葉が並びました。
子ども達のアンケートは、「もっと知りたくなった」「日本舞踊を観たくなりチケットを買いました」「全く知らなかった日本文化でした」と心に残る嬉しい言葉がたくさんありました。
小学校の授業、日本舞踊教室
町田市で十数年続けている近隣小学校の放課後教室をしている学校で、授業で日本舞踊教室の取り組みがありました。学校では様々な教室を用意して、高学年に向けて希望を取り振り分けて習います。毎年日本舞踊は、端的に言うと人気がありません。「第一希望ではなかった」はまだ良い方で、「第五希望でした」という子も珍しくありません。私は慣れていますので、このこと自体にがっかりすることはありませんが、きっと日本の文化や日本舞踊の素敵なところを知らないだけでしょうと毎回残念な気持ちになります。
この教室でも、浴衣を自分で着て半幅帯を結んでみます。扇子を開いたり閉じたりして波を表現したり、お化粧をする振りをしたり、曲も踊ってみて、最後に浴衣を畳み、風呂敷で包むところまでします。
子ども達の反応
驚くことに授業が終わると、皆さん誇らしげな顔をしています。知らなかった日本の文化を知り、日本の良いところを語れるようになっています。今まで気がつかなかった身近な日本ならではの物にも気がつくようになります。
「来年は第一希望にします!」と言う子どももいました。「この教室になってよかったです」と喜ぶ姿もあります。この子ども達の喜びこそが、私の喜びです!
着物を着る機会
子ども達にとって着物文化や日本舞踊は知らないだけで、一度知るととても嬉しいことのようです。七五三や成人式の振袖を着せてもらうだけではなく、着物を着た時の所作や振る舞いを身につけてその日を迎えることは、お祝いの日をさらに嬉しい華やかな美しい時にすることができそうです。
子どもに日本舞踊を教える喜び
毎年、毎回、子ども達に日本舞踊を教えて、嬉しく幸せな気持ちになります。日本文化を知り誇らしげな顔をする子どもを見るたびに、私の心にも灯りがともるような心地になります。
稽古所
稽古所では、三歳の小さなお子さんから七十代の方までどの年代も揃い稽古をしています。それぞれの年代に合う、それぞれの目的に合った、日本舞踊を教えています。
お子さんはもちろんですが、高齢の方には時に座りながらの基礎を確認したりと体に負担のない日本舞踊も心掛けています。
※写真は個人情報保護のため、お辞儀写真です。