日本舞踊のいろは 〜手ぬぐい、扇子、小道具〜
親子日本舞踊教室
※個人情報保護のためお顔がわからないようにしています。
文化庁の支援を受けて、町田親子日本舞踊教室を開催します。初日の稽古はいつも一番大変です。小学1年生から大人まで、着る浴衣も持ち物も相違しますので確認し、すでに揚げをしている浴衣とおはしよりを作る大人の浴衣の着方を指導します。大人にかかりっきりになると必ず子どもがあくびをします。初日はほぼ全員帯を結んであげるため、大変手数がかかります。
回を重ねていくごとに、私がすることがなくなります。例年最後の8回くらいからは、ただ見ているだけとなります。ちょっと羽根が、帯の高さが、と直しに行こうとすると、子ども同士がお互いに直し合ったりする場面も多く、改めて着物文化は助け合いの日本の良いところの一つと感じています。
親子教室の効果
例年子ども教室を開催していて今回は親子教室という名前ですが、大人は3名のみです。
初回に見学していたお母様が、来週から習ってもいいですか?と参加することになりました。
日本文化や着付に関しては、大人も子どももほぼ変わらず知らないことが多いように感じます。習い事のピアノや英語などは親が聞いてもわかることが多く、一音違うとか発音がなっていない!などの評価があると思いますが、日本舞踊に関しては少し事情が違います。
初回教室では、浴衣と半幅帯を大人も子どもも汗をかきながら頑張っていました。大人も頑張っている様子を見ることは、子どもにとっても刺激的と感じます。また、参加していない親御さんは、お迎えに来た時に座りお辞儀をして帰る様子を見て必ずびっくりしてくれます!
知らないだけ
子ども達は(大人も?)知らないだけだと感じます。特に子どもの柔軟性は素晴らしくて、日本文化や着付を知ると、すぐに自分のものとして取り入れます。今まで、ただ知らなかっただけ、それだけです。
最近の生活事情
昭和で西洋文化が流れ込み、それが新しく良いこととされるあまり、日本の文化がやや端っこへ追いやられた様に感じます。家には畳の部屋がなくなり、トイレは様式に(確かに便利です♪)ちゃぶ台などある家はほとんどありません。
子ども達の体の変化
その生活の中で、子ども達の体も変化しています。年々足の指のしなやかさがなくなり、小指を使わない子どもが増えている実感があります。踵を立てて座る格好をすると、指が外側にしなやかに曲がらないため、倒れてしまうこともしばしばです。倒れ方が危なくて、そのうちに骨折の危険もあるかもと本気で思うことがあります。
慣れてくると宿題を出します!お盆に水を入れたコップをのせて立ち座りできる様になってください。と言います。日本舞踊では、座った格好から軸をぶらさずにスーッと立ち上がることが大切です。五本の足の指を全て使って踊ります。
座り姿
座り姿も変化を感じます。特に小さなお子さんまでもがぺシャンと背中が前にかがむ様子が多くなっています。スマホやパソコン、テレビなどなど、日常生活は前屈みが多いのではないでしょうか?(私もそうです!)
お腹の下、丹田に力を込めて座る。舞台では座っていても、膝とお尻にノートが入るくらいの隙間を作ります。つまりは座っていません!足の指の力、太もも大腿筋の力、丹田、体幹をしっかりと軸をぶらさずに、日本舞踊には生きていく基本が凝縮されています。
心身ともに健康になります!
体が整うことで心も整っていきます。右脳と左脳をフル回転しながら踊ることで、心が安定します。現代の忙しい生活の中で、ふうふうと浅い息をしていることと思いますので、日本舞踊教室の時には、忙しい現実を忘れて深い息をしながらリフレッシュして帰って欲しいと願っています!