習いごとを始めるきっかけ 〜日本舞踊〜
今からでも大丈夫ですか?
このような質問をされることが多いです。ひとつには、日本舞踊は六歳から始めることが多いからだと思います。歩き始めて立ち座りができる頃から年齢の上限はありません。
2歳くらいから
娘も日本舞踊をしていますが、二歳から始めました。お箸よりも扇子を持つ方が早かったです。私は子どもに習わせるという夢は特になかったのですが、師匠が遊びの中でいつの間にか教えてくださり、いつの間にか踊っていました。今になって、娘がまねごとから自然体で日本舞踊と出会えたことを心から感謝しています。
五十の手習い
稽古所では、五十歳から習い始めて十年後に名取になった方もいます。稽古することで人生が生き生きと輝く様子があり、名取になることで益々充実している様です。何歳からでも習えますし、何歳からでも名取を目指すこともできます。また年齢に合わせた動きで踊ることができますので、どの年齢でも無理なく続けることができます。
それぞれの目的
稽古所には、様々な職業の方がいます。
芸能関係の方も数名いて、着物の所作を覚えたい。着物を自分で着られるようになりたい。表現方法のひとつとして踊りたい。と語っています。
親子で習いそれぞれの世界観をもちながら、時に二人立ちをしようと舞台を目指す方々もいます。
個性いっぱいの子ども達
子どもの年齢も様々です。
普段はお転婆なお子さんがお辞儀をする姿に、祖父母が目を細める場面もあります。
習った時には、なんとなく続けてみたいという様子だった子どもが、思いがけず小学校卒業式で自分で着物を着て参列して保護者を驚かせたお子さんもいます。
小学校卒業制作で、日本舞踊を研究して発表する子どもも数名いました。
子ども達が勉強や部活をやりくりしながら続けている姿に、続けていて良かったと思えるように稽古をしたいと改めて思います。
障がいをもつ子ども
弟子の中には障がいをもつ子どももいます。
まだ音源がテープだった頃に切れたテープを持参して私に渡す、その頃小学生の子どもがいました。集中しすぎる傾向がある子どもだそうで、社会の線引きでは難しい部分もあるかもしれないけれど、テープが切れる程音を聞いて来た子はあなたが初めてよ!と褒めたことを思い出します。私はその道の専門家ではないですが、保護者の方がわが子が特別枠ではないと感じると話してくれたことがあります。
それぞれの道
それぞれの職業、それぞれの年齢に合わせて、目的に合わせて、稽古ができます。
稽古する中で目的や目標は変わっていくことが多いですが、弟子同士が刺激をし合いながら成長してゆく様を見ることができるのは幸せなことです。
日本舞踊を始めるために
まずは着物や浴衣を着なくてはいけません。洋服で稽古をすることは出来ません。
しかし何も心配ご無用です。着付けからゆっくりとお教えします。小学校低学年で半幅帯、高学年で名古屋帯、中学生くらいから人に着付けをすることも稽古の中でお教えします。
無理なく、ひとつの手ずつ教えますので、いつの間にか出来るようになったと皆さん喜んでいます。オンライン稽古の際に子どもが着物を迷いなく着る様を見て、特に保護者の方が驚く様子がありました。
人に着付ける
自分で着るようになると、次には人に着付けをできるように教えます。
着物を着ていると、今度着付けをしてちょうだいと言われることが多くなります。
子ども達は学校やお祭りで、友人に浴衣を着せてあげることも多くなりました。
名取の弟子は、いつの間にか振袖まで着付けることができるようになっていて、お嬢さんに着せたりしています。
おさらい会
年に一度のおさらい会、日本舞踊の発表の際には、弟子の着付けを専門家を呼ばずに仲間同士でできるようにします。大変ですが、おさらい会が日本舞踊の発表だけではなく、皆さんの着付けの腕試しの場にもなります。子ども達も、自分で考えて着付け補助に入ります。
日本舞踊
最初は数分の踊りを選曲します。慣れてくると二十分くらいの長さの曲をひとりで踊ります。女の踊りと男の踊りがあり、曲によっては二人で踊るものもあります。
扇子を持ったり、小道具を持ったり下駄を履いたりと曲に合わせて、こしらえも違います。
それぞれの目標
もし着物を着たいと思うなら。もし日本舞踊を踊ってみたいと思うなら。
日本文化を知りたいと思うなら。着物の所作を身につけたいと思うなら。
深呼吸したいと思うなら。体幹を鍛えたいと思うなら。足腰を鍛えたいと思うなら。
心身ともに健康でいたいと思うなら。
お試しや見学をしてみてください。