コラム
名取になって大変なことを教えてください! 〜日本舞踊〜尾上流
2022年11月6日
名取になって大変なことを教えてください
本当のことを教えてください。と弟子から聞かれました。
名取を目指すにあたり、友人知人から色々と心配されたそうです。
何でも聞いてください。と答えました。
名取披露の舞台は何をするのですか?
毎年のおさらい会で、踊りたいものを踊ってくださればよろしいです。
特に決まりごとはありません。
※流儀や各稽古所の考えがありますので確認するとよろしいと思います。
名取の会議は月に何回ありますか?
ありません。特に出席しなければいけない会議は何もありません。
年1回くらい家元稽古所で講習会があり、集団稽古をしてくださることがあるくらいです。
名取になって大変と思うことはありますか?
正直に言っても何らありません。取得時にお金がかかることくらいです。
あとは何も不都合に思ったことはなく、大変なこともなく、良いことばかりと感じています。
すでに名取になっている方に聞いてみてください。と伝えました。
日本舞踊の固定観念
このような質問をされる機会が多くなってきたように思います。
きちんと聞けるだけまだ良いのかもしれません。
近くの小学校の放課後日本舞踊教室を10年以上続けていますが、驚くばかりの噂がたつ経験をしています。
ボランティアの先生から、名取を取らされると噂になっていますが、本当ですか?と聞かれました。
とんでもないです!週1回の集団稽古で名取はとれません。
また尾上流では年齢制限もあり小学生で名取には決してなれません。
お揃いの着物を買わされると聞きましたが、本当ですか?
すでに教室を始めて数年経っていて、通年寒かろうが浴衣で稽古していましたので、その通りです。
半幅帯でさえ買わずに貸出もしますし、祖父母に聞いてみてくださいねと案内しています。
この噂話を笑い飛ばすことは簡単ですが、これこそが一般人の見る「日本舞踊」であると思った次第です。
稽古所を開き、若い方や着物を持っていない方も通うようになり、これからの日本舞踊をどのように続けて行こうかと思うヒントになりました。
私の稽古所では、お揃いの着物や帯を仕立てたことはありません。
これからもするつもりはありません。
おさらい会でお揃いの帯を結ぶときには貸出しています。
かかる費用が最初にわかる所は初めてです
先日のお試しの方が、かかる費用の一覧をお渡しした際に、「お中元やお歳暮が必要だとは他の稽古所では一切言われたことがありません。かかる費用が最初にわかる所は初めてです」とおっしゃっていました。
恐らくお稽古が始まってから姉弟子からしきたりですよ。と教わるのでしょう。と答えました。
私はこれからの世代の若い方々もお子さんも、着物を持っていない方も、踊りが好きな方が続けることができる日本舞踊を目指しています。
それは私が普通の家庭で日本舞踊とは全く関係のない育ちで、兎に角着物や日本舞踊が好きで好きでたまらない!これ気持ちだけで続けてきたからです。
そのような方を私も応援したいと真に思っています。
流儀や各稽古所により、考え方や進む方向は様々です。
見えないことが多い日本舞踊界ではありますが、変わろうとしている方々も沢山いらっしゃることも感じています。
不思議に思うことは気軽に聞いてみましょう。
日本舞踊に興味がある方は、お試しや見学をなさってください。
お待ちしています。
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