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日本舞踊稽古で伝えたいこと 〜着物について〜 尾上菊右佐

尾上菊右佐

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テーマ:日本文化


日本舞踊の稽古


東京町田市と大和市中央林間にて、日本舞踊の稽古をしています。
日本舞踊を通してお伝えしたいことが沢山あります。

着物


日本舞踊は着物を着て踊りますので、まずは浴衣を自分で着て帯を締めることから始めます。お扇子を揃えることと同じと思っています。着付け教室に通った経験のある方は多いと思いますが、全員が着物を自分で着こなすことができるとは限らないという話を聞いたことがありますが、日本舞踊では着物を着ないと始まらないため、皆さんいつの間にか自分で着ることができるようになります。

受け継がれる着物


この写真は甥の結婚式、コロナで延期になり一年半後にやっとできた式の際のものです。
亡き夫の母が大切にしていた着物で、孫の誰かが結婚する時にはこの着物で参列したいとよく話しながら見せてくれた孔雀模様の着物です。この日は、義母の着物も一緒に式を見守ることができました。とても喜んでくれていると感じました。

体型の差


義母はとても痩せていたため私には少し窮屈ではありますが、着物は少しの体型の差を着方でカバーすることができます。しっかりと上前をかぶせることで見た目にはさほどの不都合はわからずに着こなすことができます。洋服ではなかなか難しいことでしょう。

人を包む着物


着物を着る際に、とても心地よくなることが多いです。色々と理由があるのかもしれませんが、洋服の『着る』ということとは違う『包む』感覚があります。包まれることにより優しさを引き出されると実感するのです。

日本文化


日本には風呂敷という包む文化が昔からありますが、着物も大きな風呂敷のようなものです。洋服のように体型に合わせて裁断しないので少しの融通が利き、どんな形でも包むことができる風呂敷ととてもよく似ています。

日本舞踊を通して


私は日本舞踊を教えていますが、日本文化の着物のことも大切に思っています。昔から受け継がれる着物を美しいままに伝えていきたいと願っています。

それぞれの歴史


稽古所のおさらい会では、祖母の家で着物を見つけました!とか母が小さな頃に着た着物です!などそれぞれの家族の歴史が刻まれた着物が、あたかも息を吹き返すかのように舞台で踊るという形で披露されます。

これからの時代の日本舞踊


私は今の時代に生き、その中で古き良きものをそのままに残し、新しい良きものをどんどんと取り入れていきたいと思っています。SNSやモニターを駆使しての稽古は新時代の日本舞踊です。着物に関しては、今のところ祖父母などの家に仕舞われている着物を発掘して、できるだけ息を吹き返してあげたいと思っています。そのために和裁も勉強中です。

用意するものは足袋のみ


私の稽古所でまずは用意していただくことは白い足袋のみです。浴衣や半幅帯は貸出していますし、浴衣はどのようなものでもよろしければ差し上げています。

少しずつ用意します


最初に道具を用意してもらい失敗すること多数でした。伊達締めと帯〆を間違えて揃えたり、扇子も夏にあおぐものを買ってくださったりと、そもそもの馴染みのない道具、聞きなれない道具を揃える難しさがあるので、何も用意せずに戸をたたいてください。

どのような師匠がよろしいですか?


何流にするか?どんなことを大切にしている先生か?踊りが上手いか?色々な踊りが踊れるか?着物姿が綺麗か?センスが良いか?人格が良いと感じるか?一生付き合っていける人と感じるか?どれも大切なことですが、しっかりと見極める必要があると思います。

それぞれに合う日本舞踊


しっかりと見学やお試しをして入門する前に、自分に合う先生がみつかるとよろしいと思います。ひとりでも多く日本舞踊に興味をもってくださり、着物を着てみたい、踊ってみたいと思ってくれることを願っています。

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尾上菊右佐
専門家

尾上菊右佐(日本舞踊家・師範)

尾上菊右佐 日本舞踊稽古所

お弟子さんの年齢や個性、技術習得度に合わせ、優しく丁寧な個別指導を行います。日本舞踊だけでなく、着付けの心得、日本ならではの美しい所作や礼儀正しさが身に付きます。三歳から八十代まで稽古しています。

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