朝日新聞に掲載〜日本舞踊家〜
《大人の習い事》
前回のコラムで、日本舞踊が子どもの習い事にどのように適しているかを書きました。
今回は大人の習い事としてはどうかをお伝えしたいと思っています。
《着付け》
実際に大人の方々へ、日本舞踊を習って何が良かったかを聞きました。
第一に着物が着られるようになったことと、多くの方が語っています。
浴衣と半幅帯から始まります。そして名古屋帯も結べるようになります。
自分で着ることももちろんですが、尾上菊右佐稽古所では人に着付けることも大切にしています。
毎年春のおさらい会では、着付けは私や弟子が手がけます。
袋帯で、お文庫や後見結びも出来るようになります。
プロに頼めば綺麗に楽にできることはわかった上で、自分達でできるようになるようにしています。
こんなに丁寧に着付けも習えるとは思っていなかったと感想がありました。
《尾上流》
感想の中で嬉しかったことは、尾上流が習えるとは思っていませんでした。という言葉です。
尾上流は歌舞伎の中のことと思っていたらしく、一般の方へ教えていることを知らなかったそうです。
私にとっては嬉しい感想でした。
《体幹が鍛えられます》
日本舞踊では、片足を上げて立ったり、回ったり、お腰を入れてすり足をしたりと、
体の中心がどっしりとして体の軸がしっかりとします。体幹が鍛えられます。
体幹が鍛えられることで、姿勢が良くなったり、転びにくくなったり、と良いことばかりです。
踊りは振りが決まってはいるものの、年齢やその方の動ける範囲により立ち座りを少なくしたり、
回る回数を加減したりと、その方用の踊りになりますので負担なく続けることができます。
《若い子達からの刺激》
年齢の違う方達が稽古所で会うため、若い方と話ができるという感想もありました。
若い方からしても、年齢の違う、立場の違う方からの意見や助言は貴重な機会と想像します。
《右脳と左脳》
面白い感想もありました。
日本舞踊では、右脳と左脳を活用して体を使うので、ボケる暇はないです!とのことです。
譜を書くことをおすすめしていますので、自分が踊る姿を想像しながら向かい合った形の絵を書きます。
三味線や唄に合わせて、振りを踊ります。耳で聞きながら、歌詞を読み解き、踊ります。
日本舞踊は、右脳と左脳をフル回転しながらするのだそうです。