XとInstagram、起業準備の発信はどちらから始めればいい?

新井一

新井一

テーマ:起業

最初に選ぶ基準は、続けやすさではない

――起業に向けて発信を始めたい人が、XとInstagramのどちらを先に使うか迷っています。両方に投稿する時間は取れそうにないそうです。

新井:片方から始めていいですよ。最初に考えたいのは、自分が投稿しやすいかどうかより、お客様になってほしい人が何を見て仕事や商品を選ぶのかです。写真を見て選ぶものと、文章を読んでから相談したいものとでは、見せ方が違います。XとInstagramの利用者全体の数だけでは、その人がどちらにいるのかは分かりません。

――作品を売る人なら、Instagramと決めてよいのでしょうか?

新井:作品を見せるなら、候補にはなります。ただ、作品の写真を載せた先で、値段や注文の方法まで見てもらえるかどうかも考えましょう。写真に関心を持っても、買い方が分からなければ、注文はできません。一方、専門的な相談を受ける仕事なら、考え方を文章で伝えて、質問にも答えられるXのほうが使いやすい場合もあります。どちらが必ず売れる、という話ではありません。自分の商品を探している人が、何を手がかりに選んでいるのかを見るのです。

二つ同時に始める前に、見込み客を探す

――両方に同じ内容を投稿して、反応を見比べる方法はどうでしょうか?

新井:二つのアカウントを作るのは簡単です。でも、載せたものをどう見てもらうかは、別の話になります。写真を見せたい投稿と、考えを文章で説明する投稿は、同じ内容を貼るだけでは伝わり方が変わります。仕事や家事の合間に始めるなら、二つの投稿を作り分ける時間も、見込んでおかなければなりません。まず、自分が売りたいものと近い商品を探している人が、それぞれのサービスで何を質問して、何を保存しているのかを見てみましょう。

――相手を探すときは、人気の発信者だけを見ればよいですか?

新井:人気の人の投稿だけでは、買う人の疑問はつかみにくいでしょう。作品なら、買おうとしている人が、色や大きさ、使い道について何を聞いているのか。相談の仕事なら、どんな悩みに答えている投稿から会話が続いているのか。そこまで見れば、自分が説明できることも見えてきます。拙著『1億円稼いでいる人は何をしているのか?』で紹介した「陣取りゲーム」も、関心やお金のある場所に、自分の商品を届けるという考え方です。投稿する場所を先に決めるより、相手がどこで探しているのかを見たいですね。

片方を試すなら、何を見て続けるか

――最初の投稿を出したあとは、何で判断すればいいでしょうか?

新井:フォロワーの数だけで決めないでください。写真を保存してくれた人がいるか、商品の条件を聞かれたか、相談の内容について質問が来たか。仕事につながる会話があったかどうかを見ます。まだ商品を決めていない人なら、どの説明に質問が返ってきたのかが手がかりになります。投稿してすぐに注文がなくても、数日で別のサービスに移る必要はありません。

――最初の質問では、二つを同時に続けると中途半端になってしまうのが心配でした。

新井:その心配があるなら、片方だけを二週間試す方法があります。毎日投稿すると決めるのではなく、無理なく出せる回数を決めて、投稿ごとに、誰のどんな疑問に答えたのかを確かめます。何も質問が来なければ、投稿する時間や表示の仕組みを調べ続ける前に、相手が知りたいことを書けているかを読み直してください。サービスの選び方と投稿の内容の問題を混ぜてしまうと、どちらを変えればよいのか分からなくなります。

選ばなかったほうは、あとから使える

――Xを選んだら、Instagramは諦めることになりますか?

新井:今は使わない、と決めるだけです。文章で相談が来るようになって、作業の写真も見せたくなったら、Instagramを足せます。逆に、Instagramで作品を見つけてもらっていて、作り方や考え方を詳しく聞かれるようになったなら、文章で答える場所を増やすこともできます。最初から二つを維持するより、実際に届いた質問に合わせて足したほうが、理由がはっきりします。

――迷っている人が、最初にすることは何でしょうか?

新井:売りたい商品や仕事を一つ挙げて、その買い手がXとInstagramで何を探しているのかを、両方見てください。そのうえで、写真で伝えるのか、文章で疑問に答えるのかを決めて、片方に投稿します。二週間後には、フォロワー数だけでなく、保存や質問、問い合わせがあったかを見直す。選んだサービスにお客様がいないと分かったら、そのときにもう片方を試せばいいのです。

起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)

新井一氏プロフィール

起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。

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新井一(起業コンサルタント)

起業18フォーラム

会社を辞めずに始める起業だけを26年支援してきた起業18フォーラム代表。延べ6万人の相談に応じ、著書13冊は台湾・韓国でも翻訳出版。会社員のまま小さく始める実践手順を伝えています。

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