起業準備の人脈は「フォロワー数」より「弱いつながり」が効く
名刺がなくて困る前に、まず知ってほしいこと
――新井さん、起業準備中に交流会に参加し始めた方から「名刺がない」「会社の名刺を使っていいか」という質問が来るそうですね。
新井:来ます、よく来ます(笑) 「名刺がないと失礼かな」「ちゃんとした名刺じゃないと恥ずかしい」という不安も多いですね。結論から言うと、今すぐシンプルな個人名刺を作ってください。完璧な名刺を待って交流会に名刺なしで参加するより、シンプルでも持っているほうがはるかに価値があります。
――会社の肩書きの名刺を持っていっても問題ないですか?
新井:技術的には問題ありませんが、起業準備の文脈では会話がかみ合わないことがあります。交流会で出会った人は「この人は会社の用事で来ているのか、個人で動いているのか」をすぐに判断しますから。目的が伝わる個人名刺があるだけで、会話の展開がぜんぜん違うのです。
起業準備段階の名刺に「書くべき内容」はシンプルでいい
――では、個人名刺には何を書けばいいですか?
新井:最低限の4つで十分です。氏名、肩書き、連絡手段、得意なことの一言。肩書きは「〇〇コンサルタント」「フリーランス〇〇」「〇〇アドバイザー」などでいいですよ。屋号や会社名がまだない場合は個人名だけで問題ありません。
――「ちゃんとした肩書きがない」という不安を持っている方も多そうです。
新井:そこで止まっている人が本当に多いです(笑) でも名刺って「スペックを伝える書類」じゃないですよ。会話のきっかけを作るためのツールです。シンプルなテキスト名刺のほうが、自己紹介トークで勝負できる。むしろ余白があるほうが話しかけやすかったりします。
――「得意なことの一言」はどう書けばいいですか?
新井:「〇〇が得意な会社員」「〇〇で独立準備中」くらいのひと言で十分です。読んだ人が「どんな人か」をイメージできる言葉を1つ入れるだけで、名刺交換後の会話が弾みやすくなりますよ。
名刺は安く作れる。最初の100枚は「試作品」でいい
――名刺を作るのって費用がかかりますか?
新井:今はオンライン印刷サービスがあるので、100枚1,000〜2,000円程度で作れますよ。ラクスル、ビスタプリント、カンプリなどが使いやすいです。デザインも無料テンプレートで十分。最初の100枚は試作品だと思って、気軽に動き始めてください。
――方向性が変わったらまた作り直せばいいと。
新井:そうです。起業準備の初期段階は方向性が変わることも多い。最初から高額な名刺を大量に作る必要はまったくありません。まずは100枚作って交流会で使い切る。その過程で自己紹介の言葉も洗練されていきますから。
名刺を持つことで起業準備が「本気度」を帯びてくる
――名刺を持つことで、心理的な変化もありますか?
新井:あります。個人名刺を持つと、「自分は本当に起業に向けて動いているんだ」という実感が出てきます。会社以外の自分の居場所を作る、最初の小さな一歩にもなる。道具を持てば使いたくなる。交流会に持っていける名刺があると、参加するハードルも下がりますよ。
――最後に、名刺を作ろうか迷っている方へメッセージをお願いします。
新井:「ちゃんとした名刺が完成したら交流会に参加しよう」と思っているうちに、半年過ぎてしまう人がいます。「完璧」を待つより「今できる形」で動き始めることが、起業準備では何より大事です。まず名刺を1枚作る。それだけで状況は変わりますよ。
――「完璧より今できること」という姿勢、あらゆる場面で大切ですね。ありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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