AI集客を使うとき、まず知っておくべきこと
応援が重いのはわがままではない
――新井さん、今日は「家族に応援されているのに、かえって重く感じる」という相談です。反対されるより良いはずなのに、動けなくなることもあるのですね。
新井:ありますよ。むしろ、とても自然な反応です。家族に「応援するよ」と言われると、ありがたい一方で、失敗したらがっかりさせるのではないかと感じてしまう。応援が重くなるのは、家族の期待と自分の不安が混ざってしまうからです。わがままでも、甘えでもありません。
――賛成されているからこそ、逃げ場がなくなる感覚でしょうか。
新井:そうですね。反対なら説得する相手が見えます。でも賛成されると、「応援してくれた分、結果を出さなきゃ」と背負い込んでしまう。そこで大事なのは、感謝は受け取る。でも、起業を続けるか見直すかの判断は、自分の物差しで決める。この2つを分けることです。
家族の期待と自分の判断を切り分ける
――期待を切り分けるとは、具体的にはどういうことですか?
新井:家族の「うまくいってほしい」という気持ちは、あなたへの愛情です。ただ、それは事業判断ではありません。売上が出ているか、生活費を守れているか、準備に使う時間が確保できているか。こうした現実の数字や行動とは別のものです。期待を判断材料に入れすぎると、良い話なのに重荷になります。
――応援してくれる家族を無視するわけではないのですね。
新井:もちろん、できます。無視ではなく、役割を分けるのです。「応援してくれてありがとう。だからこそ、無理をしない線を決めて進めるね」と伝える。これだけで、家族も安心しやすくなります。期待に応えるために無理をするのではなく、期待を守るために無理をしない。ここを間違えないでほしいですね。
予算・期間・出口を先に決めておく
――重さを軽くするには、何を決めておくとよいでしょうか?
新井:3つあります。予算、期間、出口です。準備に使ってよいお金はいくらまでか。どのくらいの期間試すのか。どうなったら一度立ち止まるのか。この3つを先に決めておくと、失敗が「家族を裏切ったこと」ではなく、「決めていた地点で見直したこと」に変わります。
――出口を決めておくと、挑戦しやすくなるのですね。
新井:はい。出口がない挑戦は怖いです。たとえば、半年間で準備費は5万円まで、毎週2時間だけ、問い合わせがゼロなら発信内容を見直す。こう決めておけば、結果が出なくても次の修正に移れます。応援されている人ほど、最初に線を引いたほうがいいですよ。
――その線引きは、家族にも先に伝えておくほうがいいですか?
新井:伝えておいたほうが楽になります。「半年試して、ここまで行かなければ方法を変える」と共有しておけば、家族も見守りやすい。何も決めずに「頑張る」とだけ言うと、応援する側も不安になります。応援をもらったときほど、気持ちだけで走らず、見直す約束を先に置いてください。
失敗は裏切りではなく見直しの合図にする
――家族に申し訳ないという気持ちは、どう扱えばいいでしょうか?
新井:まず、「うまくいかなかったら裏切り」という考えを手放すことです。会社員のまま小さく試している段階なら、見直しは失敗ではありません。商品名を変える、対象を変える、価格を直す、発信の場所を変える。起業準備は、この小さな修正の連続です。
――家族にも「失敗するかも」ではなく「見直しながら進める」と伝えるほうが良さそうです。
新井:そのほうが伝わりますね。「応援してくれたから絶対成功します」と言うと、自分にも家族にも圧がかかります。「まず半年だけ試して、数字を見て修正します」と言えば、応援は重荷ではなく見守りに変わります。家族の気持ちを大切にするなら、期待を煽るより、現実的な進め方を共有することです。
一行だけ不安を書き出して小さく動く
――最後に、応援されているのに動けない方へ、今日できる一歩をお願いします。
新井:今夜、自分が一番怖いことを一行だけ書いてみてください。「お金を失うのが怖い」「家族をがっかりさせるのが怖い」「途中で飽きたと思われるのが怖い」。言葉にすると、それが対処できる問題なのか、相手の感情として切り分けるものなのかが見えてきます。
――不安を責めるのではなく、分けて眺めるのですね。
新井:そうです。不安があるのは、家族のことも自分の人生も真剣に考えている証拠です。その慎重さは、起業ではむしろ強みになります。応援に応えようとして大きく動く必要はありません。予算・期間・出口を決めて、小さく1つ試す。最初の一歩を小さくすれば、応援してくれた人にも途中経過を落ち着いて話せます。家族の期待と自分の判断を分けられれば、「応援するよ」は重圧ではなく、戻ってこられる場所になります。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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