SNS集客の常識を覆す! 起業18フォーラム代表・新井一氏が明かす本当に効果的な集客戦略
貯金が少ないから動けない、から降りる
――新井さん、まとまった貯金がないと起業準備はできないのでしょうか。お金が貯まるまで待つしかないのか、という相談です。
新井:待たなくて大丈夫です。ただし、「元手が要るのか、要らないのか」という二択で考えると止まりやすいですね。店舗を借りる、在庫を仕入れる、設備を入れる。こういう始め方なら元手は必要です。でも、自分の経験や手を動かすサービスから始めるなら、元手はかなり抑えられます。
――「起業にはお金が必要」と「ゼロ円でできる」の両方を見て、混乱してしまう人は多そうです。
新井:多いですよ。どちらも一面では正しいのですが、前提が違います。だから最初に見るべきなのは、必要なお金の大きさではなく、元手が少なくて済む入口を選べているかです。貯金が少ない人ほど、最初から大きく構えないほうがいいですね。
店舗や在庫を持つ形と手を動かす形は別物
――具体的には、どこで分けて考えればいいですか?
新井:店舗、在庫、機材、内装。この4つが先に必要な仕事は、どうしても初期費用が重くなります。一方で、相談、作業代行、整理、文章、販売の手伝い、業務改善の壁打ちのように、自分の経験を使う仕事は、最初の費用を小さくできます。
――まずは在庫を持たない形で試す、ということですね。
新井:そうです。日本政策金融公庫の新規開業調査でも、開業費用が500万円未満だった人は4割を超えています。もちろん店舗型なら別ですが、会社員のまま小さく試す起業準備なら、いきなり数百万円を用意する発想から離れていい。大事なのは、生活を守ったまま検証できる形を選ぶことです。
少ない相手に深く届けば月5万円は見える
――でも、元手を抑えると、お客さんも集まらないのではと不安になります。
新井:全国の大勢に売ろうとするから不安になるのです。最初は、少ない相手で十分です。あなたの経験が本当に役に立つ相手が130人いたとして、その中の1人、2人に届けば小さな売上は作れます。月5万円なら、1件5万円でも、1万円を5件でも届く数字です。
――大きく広げる前に、狭く届けるわけですね。
新井:はい。むしろ狭いほうが言葉は届きます。「誰かの役に立ちたい」ではぼんやりしますが、「近所の個人商店の売り場を整える」「忙しい営業職の提案資料を見直す」「片づけが苦手な人の収納を一緒に考える」なら、相手の顔が見えてきます。元手が少ない人ほど、広く広告を打つより、身近な1人に深く刺すほうが現実的です。
最初に買うより最初に声をかける
――実際に動くとき、最初の一歩は何になりますか?
新井:買い物ではなく、棚卸しと声かけです。まず、仕事や暮らしの中で人に頼まれたこと、感謝されたこと、何度も自然にやっていることを書き出します。次に、在庫も店舗も要らず、自分の手だけで提供できるものを1つ選ぶ。そして身近な人に「試しに手伝わせてもらえませんか」と声をかける。
――名刺やホームページを先に作らなくてもいいのでしょうか?
新井:後でいいです。名刺の印刷代くらいならまだしも、反応を見る前に立派なホームページや講座資料を作り込むと、それだけで疲れてしまいます。起業準備の初期は、きれいに整えるより、小さく出して反応を見るほうが大切です。
――試しの声かけなら、断られても大きな損にはなりませんね。
新井:そうです。断られた理由、相手が引っかかった言葉、逆に少し興味を示した部分。そこに次の修正点があります。貯金が少ない段階では、買ってから直すより、聞いてから直す。この順番のほうがずっと軽いですよ。
元手ゼロに近い形でも経験は商品になる
――自分には売れる専門性がない、という不安もあります。
新井:専門資格だけが商品ではありません。小売で売り場を見てきた人なら、個人商店の陳列や導線の相談に乗れるかもしれません。事務職なら、書類や数字の整理を手伝えるかもしれません。家事や片づけが得意なら、困っている人の生活導線を整える手伝いになる。本人には普通でも、困っている相手から見れば助かる力です。
――お金がないから無理、ではなく、費用のかからない形に変えるのですね。
新井:そうです。貯金が少ないことは、起業を諦める理由ではありません。むしろ、余計な投資をせずに、相手の反応を見ながら進めるきっかけになります。大きな準備を始める前に、今週末、身近な1人に小さな手伝いを申し出てみる。それで反応が薄くても、次の一手を決める材料になりますよ。
生活を守りながら小さく検証する
――最後に、貯金が少なくて起業準備に踏み出せない方へ、ひと言お願いします。
新井:生活費を削ってまで始める必要はありません。会社員なら給料で暮らしを守りながら、準備は身の丈の範囲で進めればいい。最初から「起業するぞ」と大きく構えなくて大丈夫です。まずは、元手をかけずに試せる小さな入口を1つ選ぶ。お金が貯まるのを待つより、いま出せる一手を動かしてみてください。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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