独立したら「見えない収入」が消える。会社員が見落とす手取り計算の落とし穴
「やる気が出ません」と言って消えていく人たち
――新井さん、起業準備を始めてみたものの、続けられるか不安だ、という声をよく聞きます。実際、続けられる人と止まってしまう人には、明確な違いがあるのでしょうか?
新井:明確にあります。最初に言ってしまうと、「やる気を頼りにしているかどうか」、これが最大の分岐点ですよ。
――やる気、ですか。
新井:はい。やる気って感情じゃないですか。感情は必ず波打ちますよ。月曜日にメラメラ燃えていたのに、木曜日になったら仕事疲れで火が消えている、みたいな(笑) この波の中で「やる気のあるときだけ動く」スタイルだと、まず長続きしません。
Cさんは「やる気」が消えて3ヶ月目で止まった
――具体的なケースを伺ってもいいですか?
新井:起業18フォーラム会員のCさん(仮名・40代前半・IT系会社員・男性)の話です。最初の2ヶ月は、週末のたびに勉強会に来ていて、すごく前向きでした。ところが3ヶ月目に入ったとき、ぱたっと動けなくなったのですよ。
――何があったのでしょう?
新井:本人に聞くと「やる気がなくなりました」と。でもよく話を聞いてみると、やる気の問題ではありませんでした。本当の問題は「動き方が、やる気に依存しすぎていた」ことだったのです。
――というと?
新井:「今日は疲れたから明日にしよう」で先送り。「週末ならまとめてやろう」で平日は完全停止。「完璧にできないと意味がない」で手が止まる。この3つが揃うと、ほぼ確実に3ヶ月で動けなくなりますよ。彼はこのパターンに、見事にはまっていたのです。
続けられる人が持っている「型」とは
――ではCさんに、新井さんはどんなアドバイスをされたのですか?
新井:シンプルですよ。「毎日15分、固定の時間に机に向かうことを先に決めましょう」、これだけです。
――15分だけ?
新井:そう、15分だけ。しかも「やる気がなくても、まず座る」というのが大事なところで。何もできなくてもいい。座る行為だけをルーティン化する。やる気は座ってから後追いで湧いてきますよ。先に座らないと、永遠に湧きません。
――先に座る、というのは盲点でした。Cさんはその後どうなったのですか?
新井:3ヶ月後、彼は週末の大きな作業はできなくても、毎日の15分でSNS発信を続けていました。これが半年で月収2万円の初収入につながり、12ヶ月目には月収7万円で安定しはじめています。在職中のまま、ちゃんと積み上がっていますよ。
「20点でも出す」を成功と数える
――続けるための型、もう少し具体的に教えていただけますか?
新井:3つあります。1つ目、「毎日15分」を最小単位として固定の時間にセットする。2つ目、「明日の15分で何をするか」を前日夜に1行メモしておく。これがあるだけで朝の立ち上がりが激変しますよ。3つ目、20点の出来でも「公開・提出・送信できた」を成功とカウントする。これが効きますね。
――20点の出来でいいのですね。
新井:完璧を待っていると、永遠に何も出せない日が続きますからね。拙著『起業がうまくいった人は一年目に何をしたか?』でも書きましたが、起業に成功も失敗もないと僕は思っています。あるのは「続けるか、やめるか」だけ。続けた人が「成功した人」と呼ばれているだけなのです。
――シンプルですけれど、刺さりますね……。
今夜できる、たった1行のアクション
――最後に、これから準備を始める方に向けて、何かアドバイスをいただけますか?
新井:今夜、寝る前に1行だけ書いてください。「明日の起業準備15分で何をするか」、これだけです。箇条書きで構いません。
――1行で?
新井:はい、1行で十分。それを明日の朝に確認するだけで、行動開始のハードルが劇的に下がります。やる気は、後からついてきますよ。先に座ること、先に1行書くこと。これが続けられる人の「型」です。
――やる気が湧くのを待たない、という発想の転換ですね。今日もありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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