会社員起業の新常識! 新井一が明かす「小さく始めて大きく育てる」成功メソッド
「使命感がないと続かない」という話は本当か
――新井さん、今日は「起業の動機」についてお聞きします。「収入を増やしたいだけで起業するのは動機が弱い」という声をよく聞くのですが。
新井:そう言われて悩んでいる方、本当に多いですよ。「自分の動機って収入目的だけで、これで大丈夫でしょうか」と相談に来るのですよ。「使命感がなければ続かない」みたいな話を周囲に言われて、自分を疑ってしまっている。
――確かに、起業経験者の話を聞いていると「社会の役に立ちたかった」「使命感があった」という声が多いですよね。
新井:あれって、結果的にそうなったケースが多いですよ。始める前から燃えるような使命感を持っていた人は、実はそんなに多くない。日本政策金融公庫の2024年度の新規開業実態調査でも、開業動機の第3位は「収入を増やしたかった(45.1%)」です。収入目的は弱い動機でもなく、起業家の多数派の出発点なのですよ。
――弱い動機どころか、むしろ普通の出発点だということですね。
新井:むしろ正直な動機ですよ。「社会に貢献したい」と言いながら、実態は「ひとりで稼ぎたいだけ」なんてケースも現場では山ほど見てきましたから(笑)
収入目的でスタートして10ヶ月後に月9万円になった話
――実際に、収入目的で始めてうまくいった方の例を教えてもらえますか?
新井:起業18フォーラムの橋本さん(仮名・40代前半・メーカー勤務・お子さん2人)という方がいます。最初に「動機が教育費の確保だけで、使命感がないから自分には向いていないかもしれない」と言っていたのです。
――「教育費のため」だけに起業というのは弱い動機でしょうか?
新井:弱くないですよ。ただ、そこで止まっていてはもったいない。「なぜ教育費が必要なのか」をもう一段掘り下げてもらったのです。出てきた答えが「子どもに、収入の心配をせずに好きな道を選ばせてあげたい」でした。橋本さんはそこから本格的に動き出して、スタートから10ヶ月目に月9万円の収益を達成しています。
――「教育費」という数字の裏に、もっと大切な思いがあったのですね。
新井:そうです。「収入を増やしたい」という動機は、掘り下げると必ずその人だけの切実な理由に行き着くものです。最初の答えが「収入」でも、そこで止めないことが大事ですよ。
「なぜ?」を2〜3回重ねるだけでいい
――動機を深掘りする具体的な方法はありますか?
新井:方法はシンプルです。「なぜ収入を増やしたいのか」という問いに答えて、その答えにもう一度「なぜ?」を重ねる。これを2〜3回繰り返すだけです。
――例を挙げていただけますか?
新井:「収入を増やしたい」→「老後が不安だから」→「会社だけに頼りたくないから」→「自分の力で稼げる状態を作りたいから」。最後の答えのほうが、はるかに力強いでしょう? これが長く続けられる本当の動機になりますよ。
――「なんとなく不安」が「こうありたい」という意志に変わっていく感じがします。
新井:そうです。不安の原因って、漠然としていることが多い。「なぜ?」と掘り下げることで、動機が具体的になる。具体的になれば、行動を続ける理由として機能しますよ。橋本さんが動き出せたのも、「教育費」という言葉の奥にある「子どもへの思い」に気づいたからです。
数字だけを目標にすると失速する
――「月〇万円稼ぎたい」という数字目標を持つことは、やめたほうがいいのでしょうか?
新井:いや、持っていいですよ。ただ、数字だけを目標にすると達成した瞬間にモチベーションが落ちやすいのですよ。「月10万円達成! で、次は?」となってしまう。
――目標を達成したのに虚無感が来る、あの感じですね。
新井:数字はあくまで手段です。「月10万円稼いで、その先に何を実現したいのか」を言葉にしておくことが大事。「いつでも会社を辞められる状態を作る」でも「好きな時間に仕事できる自由を手に入れる」でも、その先のイメージがあるかどうかで継続力がまったく違いますよ。
――数字と、その先のビジョンをセットで持つということですね。
新井:「1カ月で月収100万!」という煽り文句に乗った人がすぐ挫折するのは、たいてい数字の先を見ていないからですよ。達成できなくて挫折するか、できても次のゴールが見えなくて続かない。どちらも「なぜ稼ぎたいのか」がないから起きることです。
今夜、紙に書き出してみてほしいこと
――最後に、「収入を増やしたい」という動機を持っている方へメッセージをお願いします。
新井:今夜、「なぜ収入を増やしたいのか」を紙に書き出してみてください。1回目の答えは「生活を安定させたい」とか、わりと当たり前のことが出てきます。でも、2回目・3回目の答えのほうが、あなたの本当の動機に近いはずです。そこに書かれた言葉が、起業を長く続けるための燃料になりますよ。
――「収入目的」を恥じるのではなく、むしろちゃんと向き合うことが大切なのですね。今日はありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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