会社員のまま「起業家マインド」を鍛えれば、辞めてから失敗しない|起業18フォーラム代表・新井一氏が語る、会社員と起業家の決定的な違い
「1年後に独立」という期限を決めた瞬間から、逆算は始まる
――新井さん、今日は「1年後の独立を目標にした逆算スケジュール」についてお聞きします。1年という期限設定は、どう評価されますか?
新井:1年という期限を決めた時点で、すでに大きな一歩ですよ。「いつかは独立」と言い続ける人はたくさんいる。でも「1年後」と決めた人は、そこから一気に動き方が変わります。あとは、その期限から逆算して月単位の行動に落とし込んでいくだけです。
――逆算思考が重要なのですね。
新井:そうです。「準備が整ったら独立しよう」という発想は、実はとても危ない。準備が整う日というのは、待っていても来ない(笑) 先に独立日を決めて、そこから逆算する。その発想の転換が最初の肝ですよ。
前半6か月と後半6か月で「やること」が変わる
――具体的に、1年をどう区切って考えればいいのでしょうか?
新井:起業18フォーラムで独立した会員さんの経験から見えてきた目安があります。前半の6か月で「商品と最初の顧客を作る」、後半の6か月で「収入を安定させる」。大きくはこの2段階の流れですよ。
――月ごとに落とし込むと、どうなりますか?
新井:目安として話しますね。1〜2か月目はターゲットと商品の仮決めです。「完璧に決める」じゃなくて「仮で決める」がポイントですよ。3〜4か月目でモニター価格での最初の顧客獲得。5〜6か月目は商品を磨き込んで、口コミや紹介の仕組みを作る。7〜10か月目は月収目標の半分以上を自分の売上で賄う段階。11〜12か月目が退職準備と独立タイミングの確定です。
――全体の流れがよくわかりました。「仮決め」がポイントという言葉が印象的です。
新井:完璧を求めると、最初の1〜2か月で止まってしまいます。仮でいいのです。動きながら修正すればいい。起業は実験の連続ですから。
逆算スケジュールの最重要ステップは「最初の顧客を1人作ること」
――この逆算スケジュールで、特に重要なステップはどこでしょうか?
新井:「前半でモニター顧客を1人獲得すること」ですよ。モニター価格でいいので、実際にお金をもらう経験をすること。それが実現した時点で、独立の8割は達成したと言ってもいいくらいです。
――どうしてそこまで重要なのでしょう?
新井:モニター顧客を通して、初めて「自分の商品の課題と強み」が同時に見えてきます。どんな本を読んでも、セミナーに出ても見えない。実際にお客さんに使ってもらうことで、初めてわかることがあるのです。それが次の行動の精度を一気に高めます。
――「最初の1人」が、その後の全体を変えるのですね。
新井:変わりますよ、劇的に。相談に来る人を見ていると、「最初の1人」ができた人とできていない人では、目つきが全然違います(笑)
スケジュール通りに進まなくても「失敗」ではない
――もしスケジュールより遅れてしまったら、どう考えればいいですか?
新井:遅れは「失敗」じゃなくて「調整」ですよ。前半でうまくいかなかったことは、後半に回せばいいのです。大切なのは諦めないこと。逆算スケジュールはあくまで道しるべで、ずれたら修正すればいい。
――「やっぱり無理だ」と感じてしまう人は多いですか?
新井:多いですね。特に前半でモニター顧客がなかなか取れないと、「自分には向いていないのかも」と思い始める。でもね、積み上げた経験は消えないですよ。遅れていても、動いた分だけ確実に積み上がっています。あきらめさえしなければ、道は必ず開けます。
退職を決断するための「数字の基準」を持つ
――最終的に会社を辞めるタイミングは、どう判断するのが正解でしょうか?
新井:会社を辞める前に「月収の半分以上を自力で稼ぐ状態」を作ること。これが最も現実的なリスク管理ですよ。そこまで到達すれば、退職という決断はずっと軽くなります。
――数字で判断基準を持つことが大切なのですね。
新井:そうです。後半6か月に入ったタイミングで、独立後の収支シミュレーションを1枚の紙に書き出してみてください。数字を可視化するだけで、次の行動が自然と見えてきます。「感覚」ではなく「数字」で動けるようになると、起業はぐっと現実的になりますよ。
――逆算スケジュールと数字の基準、今日はとても具体的なお話をありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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