会社員のまま起業成功!新井一が語る『孫子の兵法』で学ぶ戦わずして勝つビジネス戦略
情報を集めるほど、なぜか動けなくなっていく
――新井さん、起業準備を始めた方から「本もYouTubeもセミナーも見ているのに、何から手をつければいいかわからない」という相談が多いそうですね。
新井:本当に多いですよ。財務・集客・法務・マーケティング…… 全部同時に勉強しなきゃいけない気がして、情報を集めれば集めるほど「まだ足りない」と感じてしまう。情報収集と勉強が、いつの間にか「行動の代わり」になってしまっているパターンです。
――「行動の代わりになっている」というのは、どういうことでしょうか?
新井:「あれもまだ知らない」「もう少し調べてから動こう」という思考が積み重なって、準備のための準備をし続ける状態ですね。知識が増えれば自信がつくはず、と思っている人ほど最初の一歩が遅くなる。現場で何千人もの起業準備を見てきて、これは本当によく起きることです。
最初に学ぶべきは「商品設計」と「最初の顧客の見つけ方」だけ
――では、何を最初に学べばいいのでしょうか?
新井:起業準備の初期段階で必要なのは、「誰の何を解決するか」という商品設計と、「最初のお客さんをどこで見つけるか」の2つだけです。具体的には、SNS・人脈・紹介経由のどれが自分に合っているかを考えるのと、安売りしない価格の最低ラインを決めること。この3点が入口ですよ。
――財務や法務はやらなくていいのですか?
新井:後回しで十分です。動き始めてから「必要になったとき」に学んでも間に合います。最初のお客さんに何を届けるかが決まっていない段階で財務の勉強をしても、使いどころがない。勉強の目的は「知る」ことではなく、「動くためのきっかけを得る」ことです。
――それを聞いて少し楽になりました。「全部学んでからじゃないといけない」という思い込みがありました。
新井:その思い込みを外すだけで、起業準備のスピードが変わりますよ。知識は行動に使って初めて意味を持つものですから。
本・YouTube・セミナーの「正しい使い分け」
――学習ツールの使い分けについても教えてください。本、YouTube、セミナー、それぞれどう使えばいいですか?
新井:本は「体系的な知識を得たいとき」向きです。信頼できる著者の1冊を繰り返し読む使い方がいい。YouTubeはざっくりとした概要をつかむのには便利ですが、深掘りには向いていない。セミナーは「自分の状況に合った問いに答えてもらえる場」なので、質疑応答があるものを選ぶといいですよ。
――コミュニティはどう活用すればいいですか?
新井:同じ段階の仲間とリアルな悩みを共有できる場として機能します。一人で情報収集しているだけだと、「みんな自分より進んでいる」という孤独感が出てきますが、同じ壁にぶつかっている人が周りにいると「自分だけじゃなかった」と気づける。その安心感が行動量を変えるのですよ。
「1つ動いてみた」経験が、100冊の本を超える理由
――どれだけ学んでも実際に動かないと意味がない、ということですか?
新井:そうです。「何かを試してみた」という経験のほうが、100冊の本より学習効果が高いことが多い。「あのとき勉強したのはこういうことか」という腑に落ちる体験は、動いた人にしか来ないものです。起業アイデアをメモに書いてみた、知人に「起業準備してる」と話してみた、それだけでも十分なスタートになりますよ。
――最後に、情報収集の渦にはまっている方へメッセージをお願いします。
新井:「何を勉強するか」より先に「何をやってみるか」を決めてみてください。勉強は行動の準備ではなく、行動の補完として使うもの。まず1つ動く。動いてから「これを学べばよかった」が初めてわかる。その繰り返しが起業準備の本当の進め方です。
――本日はとても参考になりました。ありがとうございました!
新井:こちらこそ、ありがとうございました。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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