「住宅ローン金利、最低水準!」
景気の動きが活発化する中、長期金利が上昇の兆しです。特に『変動金利』で住宅ローンを借りている人にとっては、「このままでは金額が上がって損をするかもしれない」と不安に思う人がいらっしゃるかもしれません。『変動金利』から『固定金利』へ乗り換えるかどうか、悩みどころですね。
日銀の黒田総裁による金融緩和で、長期金利は「0.5%台の水準」⇒「0.8%前後」と、大きく上昇しています。「長期金利の上昇」は、住宅ローンの金利に直接的に影響を及ぼします。こうした金利上昇は、期間が長い固定金利ほど影響が大きいのが特徴で、今年6月には都市銀行が「10年固定の金利」を「0.2%」引き上げ。年1.6%と上昇し、これから更に本格的に上がっていくと予想されます。
今までは低金利時代が長く続いておりましたので『変動金利』が人気でしたが、都市銀行担当者によれば今回の金利上昇の波を受けて徐々に『固定金利』を選ぶ人が増えているそうです。(現在は「3年固定金利0.6%、3年経過後1.6%優遇」の特別金利キャンペーンを行っている銀行があるため、その商品が人気になっておりますが。)注目は、新しく借りる人だけの話ではなく『変動金利』だった人が『固定金利』へシフトしている人が多いということ。
『変動金利』から「全期間(超長期)固定」へと切り換えているケースが多いと言います。本格的に金利が上昇する前に、できるだけ低い金利のままで、例えば35年間』金利をフィックス(固定)してしまう動きはある意味、建設的だと言えるでしょう。
ただ長期金利の上昇で、慌てて『固定金利』を選ぶことは必ずしも正しいとは限りません。なぜなら『変動金利』は長期金利に連動してはおらず、日銀がコントロールしているからです。現状、変動金利は「1%未満」という低水準の適用が期待できる(三菱東京UFJ銀行でも1.7%優遇)ので、「2%前後」という全期間固定金利へのシフトが得策かどうかは一概には言えません。
(後藤 一仁)