家を買う前に、その場所の『水没可能性』もチェックしておこう! 必見!「水没マップ」!

後藤一仁

後藤一仁

テーマ:東京の地形・地盤・標高・海抜・地震安全性

現代のように、海抜が高いエリアでも低いエリアでも同じように街並みが整備され、見慣れた商業施設があり、アスファルトに覆われている道路や、背の高いビルと地下空間、また、それらをエレベーターやエスカレーターですぐに移動できるなかで生活していると、今、自分は高い場所にいるのか低い場所にいるのか、土地の高低感覚が鈍くなって、地盤や標高がわかりにくいのですが、

ここで、あらためて、『地震被害に対して最も危ない先進国の都市』と言われている、「我が国の首都・東京」の足元である地盤・標高をしっかり見てみたいと思います。
(今回のコラムでは東京について詳しく書いていますが、神奈川・千葉・埼玉はもちろん、全国が見られます。)

いつも、個別相談にお見えになる方々や、セミナーを受講していただいた方には、ご紹介させていただいているのですが、今は、その場所の標高などから、海面が何メートル上昇したらその場所がどのように水没するのか(それともしないのか)が、簡単に確認できる「水没マップ」というものがあります。

皆様はご覧になったことはありますでしょうか?

水害やもしもの津波などの際に、各地域のどこが安全で、どこが危険地域か?
標高・海抜はどうなっているのか?が、一目でわかります。

今日は、一緒に見ていくことにしましょう。

まず、もしも、東京が、

3m水没したとしたら

 → http://flood.firetree.net/?ll=35.7008,139.8491&z=7&m=3
どうなるのか?からです。

左上の「Sea level rise」を自由に設定でき、
「+何m」に設定するかによって、何メートル水没したらどうなるのか?がシュミレーションできます。

東京が最初に水没する可能性があるエリアは、やはり、東部の低地エリア、荒川、隅田川、中川、江戸川周辺のようです。


また、もしも、倍の

6M水没した場合は?

 → http://flood.firetree.net/?ll=35.7008,139.8491&z=7&m=6
東京の北側の埼玉県は内陸部にあり、海がない県ですので、シンプルに考えると、東京より水没が遅そうですが、このマップによれば、都心部よりも早く水没する可能性がありそうです。


さらに、倍の(12mの設定値がありませんので13mとします)

13M水没すると

 → http://flood.firetree.net/?ll=35.7008,139.8491&z=7&m=13
どうなるのでしょうか?

東京湾岸の埋立てエリアや東京東部低地エリア、埼玉県の低地エリアなどが水に沈んでいってしまうようです。
そして、東京は、『縄文時代に陸だったところと海だったところ』の境界線がかなり明確になってくるようです。

東京は東部の京浜東北線に沿って崖があり、その崖の上と下が、いわゆる「山の手」と「下町」の境界線と言われていて、そこを境に水没の可能性がある地域と、そうでない地域を分けているようです。

特に昔、海だった荒川の下流域に広がる海抜0m地帯(足立区から江戸川区等の城東エリアや北区・板橋区の一部のエリア)では実は今でも、川や海の水面よりも低い土地で人々が暮らしている場所があります。

報告書によれば、ある「東京に大雨が降った時のシュミレーション」の場合、まず荒川の堤防が北区等で決壊し街へ水が流れ込み、足立区などで水深が5mを超え、一般の住宅は2階まで浸水してしまう可能性があるとも言われていますので、注意が必要です。

そして、 万が一、

30M以上水没した場合

 → http://flood.firetree.net/?ll=35.7008,139.8491&z=7&m=30
現実に起きる可能性としては考えにくいですが、地形を理解しておくということは大切です。
30m水面が上昇しますと、さすがにかなり広い範囲で水没するようです。

しかし、逆に、首都圏全体が30m水没しても、まだ沈まない高台「武蔵野台地」の高さを思い知ります。

武蔵野の面影が残る東京西部地域だけでなく、「青山・外苑前・表参道エリア」、「渋谷・原宿エリア」、「代官山・恵比寿・白金台エリア」、「新宿・代々木・四谷エリア」、「目白・池袋エリア」などは、都心部であっても沈まないようです。

東京西部エリアはもちろん、「学芸大学・都立大学エリア」、「三軒茶屋・駒澤大学・桜新町・用賀エリア」、「中野・江古田・練馬エリア」、「代々木上原・下北沢・明大前・笹塚・初台エリア」、「経堂・千歳船橋・祖師ヶ谷大蔵・成城エリア」、「下高井戸・千歳烏山・仙川・調布エリア」なども沈みません。

特に、「浜田山・高井戸・久我山・荻窪・阿佐ヶ谷エリア」や、「吉祥寺・三鷹エリア」、「石神井公園・大泉学園エリア」などは、首都圏が30mどころか、40m浸水しても何ごともないかのようです。

都心部では、40m浸水すると、さすがに「渋谷駅」などは水没してしまいますが、「新宿駅・池袋駅」などはまだ残っています。「中野駅」「江古田駅」「練馬駅」などもまだ残っています。

考えたくはないですが、仮に東京がほぼすっぽりと水没してしまうこの浸水マップ設定値最大の60mの浸水が起きたとしても、まだ、

「吉祥寺駅・三鷹駅・武蔵境駅・東小金井駅・武蔵小金井駅・国分寺駅・田無駅・府中駅・立川駅・町田駅・八王子駅・小田急京王多摩センター駅・玉川学園前駅」などは沈まないようです。

やはり、万が一、何らかの大規模震災に遭い、東京が水没を余儀なくされた場合、武蔵野台地に乗っているか、いないかが明暗を分けるようです。

東京は昔から、「山手(山の手)」と呼ばれる場所は、格好を付けてだけ言われているのではなく、本当に海面から高い場所[山の手]にあるということが言えると思います。

この「水没マップ」は、東京だけではなく、全国を見ることができ、自然地形を理解するのによいですので、ご自分がお住まいになろうとしているエリアや、これから購入しようとしているエリアをぜひ一度じっくり見てみることをおすすめ致します。

後藤 一仁


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後藤一仁
専門家

後藤一仁(不動産コンサルタント)

株式会社フェスタコーポレーション

不動産の『購入』や『売却』そのこと自体をゴールにするのではなく「その不動産を買ったり売ったりすることによって訪れる、あなたの『本当に幸せな未来』」が必ず得られるようなアドバイスをさせていただきます。

後藤一仁プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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