ガザ出身のルームメイトと過ごした、元生徒の壮絶留学経験

豊田朋子

豊田朋子

テーマ:今週の授業(Global youth)

TED登壇先輩招いての特別授業後編


 小3から当会で学び、中3で名門女子校を退学後、カナダ中学留学、その後、世界中にあるIB(インターナショナル・バカロレア)校でトップのオランダの高校に留学、この春、世界的プレゼンTEDにも登壇した、伝説の先輩、坂口くり果さんを招いて、中高クラスの特別授業が開催されました。
 その語学力、発信力、国際的な学歴の構築に、当会(GK)での学びがどう影響したかを語ってくれた後、保護者の皆さまなど一般ご見学者は退席いただき、中高生メンバーのみが残り、くり果さんを囲んで、カナダ、オランダでの留学生活などについて、ざっくばらんにシェアリングの時間を設けました。

歴史観めぐる議論で意識失う、綺麗ごとでない多様性のリアル

 くり果さんのお話しで最も印象深かったのは、世界中の優秀な生徒が集まる、オランダのIB校の寮のルームメイトがガザ出身の少女だったという経験談でした。
「私のルームメイトがオランダに留学した直後、イスラエルとの戦争が激化して、彼女は実家を失い、その家族たちは他国へ避難しました。ネットやニュースで戦争情報を得るのとは全く違う感覚でした。身近にいる人から聞く、身を切るような戦争体験に言葉を失いました。」
 また、ロシア出身の生徒とウクライナ出身の生徒が同じ教室で肩を並べて勉強していたというエピソードも衝撃的でした。
「普段は、クラスメイトとして、二人は、それなりにうまくやっている様子でしたが、一旦歴史観について語り始めると、双方とも譲らず、延々と議論が続き、最後はどちらかが意識を失ったことがあります。」
 この壮絶とも言える、多様性のるつぼの学校生活を通し、自由や正義をきれい事で語ることはできない、そして、簡単に答えが出るものではない。しかし、だからこそ、問い続け、他者と対話していくことをあきらめてはいけないと思ったそうです。

一貫した価値観は世界を少しでも良くすること

 日本の名門校を退学し、カナダ、オランダと環境を変えてきたくり果さんの中で一貫した価値は何だったのでしょう。最後にそんな質問が投げかけられました。
「世界を少し良くしたいという願いです。そのために世界をよく知り、そして私にできることはしていきたいということです。」
 この想いは、くり果さんが、小学生のころから抱き、形にしてきたことです。
ちょうど8年前に、保坂展人世田谷区長に直訴し、母子手帳に国連の「子どもの権利条約」掲載を実現したように。
 そして、この特別授業当日、当会の小2メンバーの高木碧巴(あおば)さんとそのお母さまが、ご見学の際、碧巴さんの母子手帳を持ってきてくださり、くり果さんのアクションが反映された「子どもの権利条約」掲載ページを会場に公開させていただきました。
 
 高木さんのお母様も、「くり果さんの凄さに圧倒されましたが、楽しく参加させて頂きました。アオバもすごかったね!と言っていて、英語への興味が増した様子です。」と感想を述べてくださいました。
 
 当会のスピリットが、くり果さんから、まだ幼いアオバさんへと、確実に手渡されたように感じ、嬉しく思いました。
 そして、こうして、世界を良くするための道具としての英語の学びが、どうか続き、拡がっていくよう、強く願わずにはいられませんでした。
 
Global kids英語会代表
(株)ダイバース・キッズ代表取締役
豊田朋子
Global kids英語会
http://globalkids-eigokai.com/
Global youth英語会
http://youth.globalkids-eigokai.com/
朝日新聞系広告web豊田コラム
https://mbp-japan.com/tokyo/globalkids/column/

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豊田朋子
専門家

豊田朋子(英語講師)

株式会社ダイバース・キッズ / Global kids英語会

文字と音の法則で学ぶ「フォニックス教授法」をベースに、日本の子どもに欠けがちな発信力をはぐくむプログラムを実施。本格的な英語プレゼン大会で成果を発表。専門訓練を受けたプロ講師たちが熱意を持って指導する

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