東西文化をハイブリッドしたグローバルな若者が世界を変える!
日本社会に内在する幸福のパラドックス
国連の世界幸福度ランキング2023年版によると、世界137の国・地域を対象にしたこの調査で、フィンランドが6年連続で1位、そして日本は47位でした。
世界幸福度ランキングは以下7つの指標を基にしています。
1)国民一人当たりのGDP
2)社会支援(「困った時に助けてくれるものや信頼できる人がいるか」という問いへの回答)
3)健康寿命
4)人生選択の自由(「人生で何をするか選択の自由があるか」への回答)
5)他者への寛容さ
6)汚職や腐敗の認知(その国やビジネスに汚職・腐敗が蔓延しているか」への回答)
7)人生評価/主観的な満足度。
この指標から、日本の47位というランクはやはり気になります。
というのも、日本は、かりにも、世界で最も経済的に豊かで、かつ国民の自由度が高い民主制度を取っているG7(世界先進7ヵ国首脳会議)参加国の一つです。
ところが、幸福度ランキングで日本と同じ40位台にある国々を見てみると、ニカラグアやガテマラ、カザフスタンなど、南米や中央アジア諸国の、日本よりあきらかに社会的、経済的に不安定で、紛争の火種さえかかえている国々が並んでいるのです。
https://yamatogokoro.jp/inbound_data/49773/
G7諸国がそのまま幸福度が首位というわけではありません。
上位は、1位のノルウェー他、アイスランド、スウェーデンなどG7でない北欧諸国が中心です。
それでも、やはりカナダ、アメリカ、ドイツ、イギリスは10位台に、フランスは20位台に入っています。せめて、G7の中では日本の次に幸福度が低いイタリア(33位)と同じ30台に挙がってきてもよさそうなものです。
もう一つ気になるデータが、ユニセフの調査による「先進国の子どもの幸福度」です。
https://www.unicef.or.jp/library/pdf/labo_rc16j.pdf
先進38か国の子どもの幸福度を多面的角度で測ったその最新の調査によると、日本の子どもの幸福度総合順位で 20 位でし たが、分野ごとの内訳をみると、身体的健康は 1 位でありながら、精神的幸福度は 37 位と いう最下位に近い結果となっています。
世界的視野で日本人の幸福度を見ると、客観的な幸福の条件は揃っているものの、実感としては幸福感が極めて低いという矛盾、“幸福のパラドックス”に陥っているように思えてなりません。
グローバル時代を幸福に生きるための英語教育を。
教育業界に関わる一人としてこの結果はとても気になります。
なぜなら、教育の役割とは、本来、一人一人の子どもの自己実現、幸福実現の支え
となることに他ならないからです。
当会のミッションも、日本の次世代が、国際共通語である英語を自己発信の道具とし、このグローバルな時代を、生き生きと自分らしく、タフに生きぬいていくためのトレーニングをすることです。
このミッションは、先の世界幸福度ランキングの指標で言えば、4)の人生選択の自由に深く関与します。世界中で訪ねたい所を訪ね、学び、働き、様々な国の人々とつながりを持ち、友情を育むことができる、そんな自信と自由度を持って欲しいという願いが、このミッションに込められているのです。
日本の閉塞感を打ち破るヒントを得たい
一体、日本におけるこの幸福のパラドックスはどこから来ているのでしょう?
私が担当するGlobal youth(中高クラス)では、このテーマを今学期のプロジェクト(The Project to Solve the Happiness Paradox)として英語で取り組みます。
幸福度が高いオランダ、カナダ、スウェーデンなどの国々出身の若者や、そうした国に留学したことのある先輩たちをゲストに招き、英語でのディスカッションを試みたいと思います。
その結果を、随時このコラムでも報告していきます。
プロジェクトを通し、この国を覆っているある種の閉そく感を打ち破る、ヒントを得られることを願っています。