SDGsは大衆のアヘンか?いや!理念なき日本教育界の福音です。
英語教育を通して、次世代の『発信力』を引き出すのが、当スクールのミッションです。そのための手法の一つとしてノンバーバル(非言語)表現のトレーニングがあります。学習成果発表の年1回の英語プレゼンに向けて、原稿内容(言語的表現)だけでなく、ジェスチャー、アイコンタクト、顔の表情、声のトーンなどの言語外の表現も訴求力があるよう、徹底訓練します。
幼い頃から、「お口は閉じて、手はお膝」と言って育てられた日本人にはいずれも難しい技ですが、普段無口でおとなしい生徒さんも、空手の型のように、このノンバーバル表現を練習すると、本番の舞台で、見違えるような堂々としたプレゼンターに変身するのを何度も見てきました。
ところで、先のG7広島サミットでは、各国のリーダーが原爆資料館を訪れ、原爆慰霊碑に献花をし、また、戦時下のゼレンスキー大統領も対面で参加し、素晴らしい成功をおさめ、歴史に残るサミットとなると言われています。被爆地、広島ご出身であり、外交に精通した岸田首相でなければ成しえなかったことだと、心から敬意を表したいです。
それだけに、岸田首相がゼレンスキー大統領と会談されている時、ほぼ原稿を読んでいる様子が、歴史に残る映像となるだけに、惜しいと思った次第です。
戦時下の大統領を前に、複雑な国際情勢の中、一つ言葉を間違うと大きな問題に発展する恐れもあるので、慎重に原稿を読んでおられたのかと思いますが、『核兵器のない世界に向けて取り組む、』といったG7広島の合言葉のようなフレーズだけは、原稿でなく、ゼレンスキー大統領の目をしかと見て言っていただきたかった。おそらく時間にして5秒ぐらいのノンバーバル表現、アイコンタクトでしょうが、それだけで随分と印象が違ったと思うのです。
対して、ゼレンスキー大統領は発言をする際、終始顔を上げ、正面だけでなく、四方にもアイコンタクトを投げ、時にジェスチャーを加えながら発言されていました。声に温かい響きと力強いリズムもあり、ウクライナ語が全く理解できなくても、大統領の祖国と平和への熱い想いが胸につきささるように伝わってきました。
ウクライナがロシアに侵入されて1年数か月になりますが、一つ世界が理解したことは、その国のリーダーの発信力は、国の安全保障に直結する、重要な要素の一つであるということです。ゼレンスキー大統領の国際社会への卓越した発信力がなければ、今、ウクライナはどうなっていたでしょう。大統領も指摘していたように、「人影の石」に象徴されるような状態になっていたかもしれません。
私はよく冗談で、「ソロバンで発信力が鍛えられるなら、ソロバン塾をやっています。」と言ったりします。
主体を明確にする英語の学習は、ノンバーバル表現の訓練と共に、日本の子どもに欠けがちな自己発信力を引き出すのに有効だと思います。
そして、次世代の発信力は、その国の将来の国力につながると思います。名もない小さな英語スクールですが、ミッションだけは高く掲げ、きょうもお教室を開きます。