静かな退職に関する「キャリア顧問」のアプローチ
最近、ニュースやSNSでも静かな退職(Quiet Quitting)という言葉を耳にする機会が増えました。 必要最低限の仕事だけをこなし、会社に期待も不満も表さず、淡々と働くスタイルのことを指します。
実はこの働き方は、昔から一定数存在していました。 しかし近年は、若い世代だけでなく中高年層にも広がり、企業にとって無視できない現象になっています。
■ 「静かな退職」のきっかけ
理由は人それぞれですが、面談の現場では次のような声をよく聞きます。
- 「頑張っても給料は上がらない」
- 「責任が重くなるのは嫌だ」
- 「意見を言っても変わらない」
- 「仕事が自分に合っていない気がする」
- 「会社に期待していない」
昔のように“プライベートを犠牲にして働く”ことが美徳とされる時代ではありません。働き方改革や価値観の多様化により、仕事との距離感を自分で調整する人が増えています。
ただし、静かな退職が増える職場には共通点があります。
- 上司と部下の対話が少ない
- 相談できる相手がいない
- 仕事の意味や役割が曖昧
- 組織の空気が重い
- 評価の基準が見えない
つまり、「対話不足」「コミュニケーション不足」が静かな退職を生み出す大きな要因になっているのです。
■ 対話が減った職場で起きていること
リモートワークやDXツールの普及により、 以前よりも“雑談”や“ちょっとした相談”の機会が減りました。
また、管理職自身も業務に追われ、 部下の話をじっくり聞く余裕がありません。
その結果、従業員は 「話しても無駄」「どうせ変わらない」 と感じ、静かに距離を置くようになります。
これは怠けではなく、「自分を守るための行動」なのです。
■ 外部だからこそ届く本音
私たちキャリア顧問は、従業員ひとりひとりと丁寧に対話し、 その人が抱えている不安やモヤモヤを言葉にしてもらうところから始めます。
- 仕事がつまらない理由
- やりがいを感じられない背景
- 上司とのすれ違い
- 将来への不安
- 会社への期待と失望
こうした“声なきサイン”は、外部だからこそ話してもらえることが多いのです。
そして、守秘義務を守りながら、 現場で起きている課題を経営層に分かりやすく届けます。
この「翻訳」の役割こそ、キャリア顧問の強みです。
■ 対話が生み出す小さな変化
面談を続けていると、 静かな退職の状態にあった従業員が、少しずつ前向きになる瞬間があります。
- 話したら気持ちが軽くなった」
- 「自分の価値観に気付けた」
- 「仕事の意味を考え直せた」
- 「会社に対して少し期待が戻った」
人は、誰かに話を聞いてもらうだけで、 心のバランスが整い、行動が変わることがあります。
これは研修や制度では得られない効果です。
■ 人的資本経営の時代に必要な「対話の仕組み」
経済産業省も「人的資本経営」を中小企業の成長戦略として位置付けています。
しかし、中小企業には “本音を受け止める仕組み”がありません。
だからこそ、 外部の相談室としてのキャリア顧問が必要なのです。
静かな退職は、「やる気がない社員の問題」ではなく、 対話が不足している組織のサインです。
そのサインを見逃さず、 組織の空気を変えるきっかけをつくることが、 私たちキャリア顧問の役割だと考えています。
★静かな退職は、「声が届かない状態」のサインです。 まずは、今の職場にどれくらい兆候があるのか、簡単に確認してみませんか。
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