いい夫婦の日 11月22日
昨秋、修善寺で結婚式を挙げられましたお客様から素敵なお写真が届きました。出張お支度に伺った「あさば旅館」さんは、船で花嫁の入場がありとても風情のある結婚式でした。和装結婚式にとてもこだわっていらして、周辺には写真撮影スポットもたくさんあり素敵な一日でした。
お客様からは私どもアントワープブライダルで扱うアンティークの衣装をとても気にいっていただけました。数ある中から下記で紹介します白無垢と黒引き振袖をお召しになりました。
この度お召しになられた衣装の詳細について紹介させて頂きたいと思います。
【白無垢】
約30年前の平成につくられた白無垢です。
生地はたて糸と、よこ糸共に撚りをかけない生糸を使い羽二重となっており、またたて糸は2本使用することで光沢感をだしています。躍動感ある飛翔鶴がデザインされており、平安貴族の十二単をイメージした「八重仕立て」となっています。「八重」とは幸せを重ねる、という意味があります。
【黒引き振袖】
この黒引き振袖は、贅(ぜい)の限りを尽くした一点なっています。製作は昭和20年代後半から30年代と言われています。
雲撮りされた染め抜きの柄、手絞りの技法の上に金糸を使用した平縫刺繍や金駒刺繍の技法が施されており、月日が相当要したと思われる鶴の刺繍は一針毎の手仕事で職人気質を感じます。大胆に鶴と菊の刺繍がデザインされ、「不老長寿」「無病息災」の意味のある吉祥模様。菊の花「万寿菊」が刺繍されています。菊は形も綺麗で香りも良く「気高さ」を表しています。
筥迫(はこせこ)は胸元に挟む小物入れで戦前のアンティーク物です。引き振袖に合わせてコーディネートしました。おしゃれなお二人は筥迫の鶴柄に合わせてリングピローを作られたようです。本当に素敵です!
出張お支度はとても緊張もしますがいつもと違う空気感で現場を楽しんでいます。帰り路には、スタッフと結婚式を振り返りながら楽しくおしゃべりするのもまた楽しみに一つです。