死別から立ち直るために必要な3つのポイント パラリンピック開会式に学ぶ

日高りえ

日高りえ

テーマ:グリーフケア

大切な人を亡くすということ。それは、まるで自分の一部を失ったような思いです。
これまで、一緒に過ごしてきた日々を失い、片割れの自分だけがこの世に存在していて、描いていた二人の未来も失ってしまった。

これまでに人生はなんだったのか、これから先どう生きていけばいいのか、自分のなにもかもが間違っていたような、そんな思いに駆られるものです。

死別という人生で最大の出来事をどうするか


このような人生で最大と言われる大きな出来事から気持ちや人生を立て直していくには、果てしなく大変なことで、どうしていいのかわからず途方に暮れてしまいます。

それでも、立ち直っている人はいます。

自分の周りには、同じような体験をした人がいなく、自分だけが取り残されてしまったように感じてしまうこともありますが、私(カウンセラー)も立ち直った一人です。

そして、私が特別なのではなく、あなたも必ず人生を立て直していくことができます。

それは、描いていた未来とは違うものにはなりますが、死別の苦しみから抜け出して、あなたらしい人生を生きていくことができます。

これを、「再生」といいます。

再生 = 死別の苦しみから抜け出して、あなたらしい人生を生きていくこと

パラリンピックの開会式に学ぶ


この死別からの立ち直りを描くために、とても分かりやすい例が、パラリンピックの開会式です。

ご覧になりましたか?

簡単に説明すると、
開会式の会場(国立競技場)を、“パラ・エアポート”と呼ばれる空港に見立て物語がつづられました。

コンセプトは「We Have Wings(私たちには翼がある)」。

車いすに乗った少女が、“片翼の小さな飛行機”として物語の主人公を演じました。
翼が片方しかないので、飛び立つことも出来ず、表情も暗く、不安におびえています。嵐のように逆風が吹き荒れます。
戸惑い恐れ不安を抱きながら何度もくじけてしまいます。
ですが、最後には勇気を出して、片方の翼でも飛び立つことができました。

文字で書くと上手く伝わらないかもしれませんが、私は感動して泣いてしまいました。。今思い出しても目が潤んできます。

片方の翼しかない少女の物語ですが、これは死別された方への物語です。
最大で最高のパートナーだった自分の片割れを亡くしたことは、片方の翼を失ったことと同じことです。

なので、この少女の物語はあなたの物語です。

死別で大切な方を亡くした人の、再生の物語。

立ち直るための3つのポイント

ここには、立ち直るための3つのポイントがあります。

1.諦めない
2.周りの応援
3.再起している人を身近に置く

1.諦めない

諦めないとは、
自分の人生を諦めないことです。「あれは子供だから…」とか、「私の場合はこうだから…」など、出来ない理由を集めてしまうものです。人は、放っておくとネガティブな思考に陥ってしまいます。
でも、それで本当にいいんですか?

あなたの人生は、あなたしか操縦することができません。

時に挫折することもありますよ。喪失からの回復のプロセスに、「抑うつ」があります。気力を失い、引きこもりたくなる時期です。
それがあるのも織り込み済みです。
どうか、「もう年だから…」「いまからどうかしても…」なんて諦めないでください。

2.周りの応援

2つ目は、周りの応援です。
目に見えて、あなたに対して「頑張れー」「大丈夫だよ」と言ってくれる人はなかなかいないかもしれません。

でもね、必ずいるんですよ。陰ながら思ってくれている人。それは、会社の同僚かもしれません。今まであまり交流のなかった親戚かもしれません。ご近所の方かもしれません。そして、亡くなった方かもしれません。
あなたは一人じゃないです。どうか、そのことを忘れないでいてください。

3.再起している人を身近に置く

3つ目は、再起している人を身近に置くこと。
モデリングという言葉もありますが、この人のようになる。この人のように考えるなど、モデルとなる人を見続けることです。
今すぐに、同じようにできなくても、この人のように笑顔になる。この人のように行動する。など、自分の未来像を描けると、その状態に近づきやすくなります。
つまり、立ち直っていけるようになります。

逆に、再起できない人を見続けると、逆効果になります。私もずっとこうなんだ。何年経っても、時間は薬にならず同じ思いを抱えてるんだ。ずっと辛いままなんだ。このような未来像が定着されて、それがあなたの未来となってしまいます。

立ち直ることに疲れたとき

立ち直ることに疲れることもあります。そんなときは、立ち直らなくてもいいんだ。何年も今の状況でいいんだ。
そう思うことで、気持ちが楽になることがあります。
矛盾しますが、これも大切なことです。

なぜかというと、「立ち直らなくてはいけない」と思うこと自体が、あなたを苦しめているからです。
そんな時は、「立ち直らなくていけない」という思いを手放してしまうことが大切です。

自分のペースで、進んでいってください。

他人や自分の過去と比べないこと

「あの人はこうなのに、自分はそうなれない」「あの人のような幸せがほしい」「相方がいる人をみて嫉妬してしまう」。つまり他人と比べてしまうと、つらくなってしまいます。

また、「前はこうだったに」「以前はこれができたのに今は…」と過去の自分と比べると、これまたつらくなってしまいます。

なので、他人や自分の過去と比べてはいけません。

人や自分の過去と比べるのではなく、今自分ができることに目をむけてください。自分のできないことばかりに目を向けていると、なかなか飛び立つことはできません。

失った片方の翼が生えてくるわけではなく、言うならば、見えない翼が生えてくるということになります。

大切なものは目には見えない

私たちは、目に見えるものばかりを信じてしまいますよね。そして苦しみます。けれど、「大切なものは目には見えない」。そこに目を向けられた時、あなたに未来の光が差してきます。
未来自体も目に見えるものではありませんしね。

まとめ

まとめますと、
立ち直るための3つのポイント。これを忘れないでいてください。

1.諦めない
2.周りの応援
3.再起している人を身近に置く


人生の中には、諦めなくてはいけないこともあります。
ですが、あなた自身の人生は、あきらめないでください。あきらめてはいけません。

日高りえ

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日高りえ
専門家

日高りえ(心理カウンセラー)

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大切な人を亡くした人の悲しみをじっくり聴き、現在も過去も直視することができず、未来さえも描けなくなった心を癒すカウンセリングが特徴。そして、もう一度、生きる気力が生まれるように導くコーチングも強み。

日高りえプロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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