安さだけで失敗する畳選びの本当の理由

以前のコラムで、
「畳は安ければいいというものではない」
という話を書きました。
では逆に、
高い畳を選べば、間違いないのか?
畳職人としての答えは、
必ずしもそうではありません。
高い畳には、高い理由があります
もちろん、高い畳には価値があります。
- イ草の質がいい
- 目が細かく、見た目が美しい
- 香りや肌触りが違う
- 耐久性も期待できる
良い材料を使い、手間をかけて作られた畳には、
それだけの理由があります。
ただし、
その価値が、すべての人の暮らしに必要とは限りません。
子どもがいる家に合う畳
たとえば、小さなお子さんがいるご家庭。
飲み物をこぼしたり、
おもちゃを落としたり、
畳の上を走り回ったり。
そんな部屋では、高級な天然イ草よりも、
汚れに強く、手入れのしやすい畳のほうが
暮らしに合うことがあります。
ペットと暮らす家に合う畳
ペットと一緒に暮らしているご家庭も同じです。
傷や汚れ、においが気になるなら、
見た目や香りだけではなく、
- 掃除のしやすさ
- 傷みにくさ
- 耐久性
こうした部分を重視したほうがいい。
天然イ草を選ぶ価値がある人
反対に、毎日使う和室で、
- イ草の香りを楽しみたい
- 肌触りを大切にしたい
- 和室らしい風合いを味わいたい
そんな方には、
質の良い天然イ草を選ぶ価値があります。
部屋の使い方が違えば、合う畳も変わる
ほとんど使わない客間なのか。
家族が毎日集まる部屋なのか。
子どもが遊ぶ部屋なのか。
寝室として使うのか。
部屋の使い方が違えば、
当然、合う畳も変わります。
私が最初に聞くこと
私は畳をおすすめするとき、
高いものから順番に説明することはありません。
まず聞くのは、
「この部屋を、どんなふうに使っていますか」
ということです。
家族構成。
お手入れのしやすさ。
何年くらい使いたいか。
予算。
畳に何を求めているか。
そうした話を聞いたうえで、
その人の暮らしに合う畳を一緒に考えます。
高い畳を売ることが仕事ではない
高い畳には価値があります。
でも、
高い畳を売ることが、畳職人の仕事ではありません。
その畳の価値が、
その人の暮らしに本当に必要なのか。
そこまで考えて提案するのが、
畳職人の仕事だと思っています。
後悔しない畳選びとは
畳は、安さだけで選ぶものでもない。
高ければ安心というものでもない。
大切なのは、
その人の暮らしに合っているかどうか。
それが、後悔しない畳選びだと思います。


