高い畳を選べば、後悔しないのか?

畳屋の仕事というと、
古くなった畳をきれいにすること。
そう思われることが多いと思います。
もちろん、畳をきれいに仕上げることは大事です。
寸法を合わせる。隙間をなくす。段差を整える。
表をきれいに張る。畳縁をまっすぐ仕上げる。
職人として、そこは当たり前にやらないといけません。
でも、僕はそれが一番大事なことだとは思っていません。
畳の仕事で一番大事なのは、
畳でお客様を喜ばせること。
これだと思っています。
新しい畳が入った部屋を見て、
「わあ、きれいになった」
「部屋が明るくなった」
「気持ちいいなあ」
そう言ってもらえる。
その瞬間のために、僕たちは畳を作っています。
だから、ただ畳を新しくするだけでは足りません。
お客様が何に困っているのか。
どんな部屋にしたいのか。
予算はどれくらいなのか。
この先、その部屋をどう使っていくのか。
そこまで考えて、初めて「いい仕事」になると思っています。
たとえば、表替えで十分きれいになる畳なら、
無理に新調をすすめる必要はありません。
逆に、畳床が傷んでいたり、隙間や段差が大きく、
表替えだけではきれいに仕上がらない場合は、
正直に新調をおすすめすることもあります。
大事なのは、
何を売るかではなく、どうしたらお客様が一番喜ぶか。
そこなんですよね。
畳は、毎日足で触れるものです。
部屋に入った時の印象も変わります。
ゴロンと寝転んだ時の気持ちよさも変わります。
家族で座る時間も変わるかもしれません。
だから僕は、畳を「商品」だけだとは思っていません。
暮らしの中の気持ちよさを作るものだと思っています。
畳をきれいにする。
それは手段です。
その先にある、
「頼んでよかった」
「この部屋、気持ちいいな」
そう思ってもらうこと。
それが、畳屋の仕事で一番大事なことです。
暮らしは、足元から整う。


