Mybestpro Members

森吉久志プロは四国放送が厳正なる審査をした登録専門家です

畳は何年使える?

森吉久志

森吉久志

テーマ:畳替え・和室リフォーム

新調サイクル

畳の表替えは何年でする? 裏返し・表替え・新調のタイミング


「畳って何年くらいで替えたらいいんですか?」

現場でよく聞かれる質問です。
畳は古くなったら、毎回すべて新しくするものではありません。
畳の状態に合わせて、

裏返し → 表替え → 裏返し → 新調

と手入れをしながら、長く使うことができます。
ただし最初に言っておくと、

「何年たったら交換」という決まりはありません。

使っている部屋や畳の素材によって、傷み方はかなり変わります。

まず知っておきたい「裏返し・表替え・新調」の違い


畳は大きく分けると、

  • 畳表
  • 畳床
  • 畳縁


この3つでできています。

裏返し


裏返しは、畳そのものをひっくり返すわけではありません。
(畳屋する前はそう思ってました(笑))

今使っている畳表を畳床から外し、
畳表の裏面を表側にして張り直すこと
です。

畳床はそのまま使い、畳縁は新しくします。
まだ裏側がきれいなうちに行うことで、今ある畳表をもう一度使えます。

裏返しの目安は3〜5年くらい


新しい畳を入れてから、
3〜5年くらいが裏返しを考える一つの目安です。

ただし、ここで大事なのは、

早めにやること。

長く使いすぎると、表面の汚れや日焼け、シミなどが裏側まで影響して、裏返してもきれいにならないことがあります。

「まだそんなに傷んでないから大丈夫」

と思っているくらいの時期が、実は裏返しにはちょうどいいこともあります。

表替えサイクル

次は表替え


裏返した畳をさらに3〜5年ほど使ったら、次は表替えを考えます。

表替えは、

畳床はそのまま使って、畳表と畳縁を新しくする方法です。

中の畳床は今まで使っていたものをそのまま使います。
畳床がまだしっかりしているなら、これで十分キレイになります。

表替えした畳も、また裏返せる


表替えで新しい畳表を付けたあとも、また数年後に裏返しができます。

つまり、

新調 ↓
3〜5年で裏返し ↓
さらに3〜5年で表替え ↓
さらに3〜5年で裏返し ↓
さらに3〜5年で新調を検討


こんなサイクルで使っていくことができます。
単純に計算すると、新調から次の新調まで、

12〜20年くらい

という計算になりますね。

実際にも、新調の目安として10〜20年程度と案内されることは多いです。

ただし「12〜20年で必ず新調」ではない


畳床は、使い方や種類によって寿命が大きく変わります。

  • 毎日家族が集まる居間。
  • ほとんど使わない客間。
  • 日当たりのいい部屋。
  • 湿気の多い部屋。
  • 重い家具を置いている部屋。


同じ10年でも、畳の状態は全然違います。
畳床の状態が良ければ、20年以上使える場合もあります。

逆に、年数が浅くても、沈みや大きな凹み、傷みが出ていれば新調したほうがいいこともあります。

だから私は、

年数を見てるんじゃなくて、畳の状態を見ています。

新調を考えたほうがいいサイン


実際に畳を見たとき、こんな状態が出ていれば新調を考えます。

よく歩く場所が薄くなってる
畳表ではなく、中の畳床そのものがヘタってる可能性があります。

畳が大きく凹んでいる
家具などの重量物で、畳床がへたったり、凹んだりすることがあります。

隙間や段差が大きい
多少の隙間なら表替えのときに調整できます。
ただ、大きく隙間が出ていたり段差が大きい場合は、新調したほうがきれいに納まります。

畳床が湿気などで傷んでいる
湿気の多い環境では、畳床そのものが弱っていることがあります。
こうなると、表面だけ新しくしても長く使えません。

年数より「今の畳の状態」を見る
お客様から、
「20年使ってるから、全部新しくしたほうがいいですか?」
と聞かれることがあります。

でも、20年使っていても畳床がしっかりしていれば、表替えで十分です。

反対に、10年しか使っていなくても、状態によっては新調したほうがいいこともあります。

だから、
裏返しなのか。
表替えなのか。
新調なのか。


これは年数だけでは決められません。
畳を実際に見て、踏んで判断します。

畳表の素材によってもタイミングは変わる


天然イ草だけでなく、今は和紙系や樹脂系の畳表もあります。
天然イ草は、日焼けや摩耗などの変化する素材です。

一方で、和紙系や樹脂系の畳表は変色しにくく、耐久性が高い商品です。素材によって表替えの目安は変わるため、「畳なら全部同じ年数」と考えないほうがいいです。

また、裏返しについても、汚れやシミが裏側まで入っている場合など、状態によってはできないことがあります。

畳は「古くなったら捨てる床材」ではない


畳の面白いところはここだと思います。

裏返す。
表を替える。
また裏返す。
そして畳床が本当に傷んだら新しくする。

一つの畳床を手入れしながら長く使える。
なんかめっちゃサステナブル!

まだ使えるものは使う。
必要なところだけ替える。


裏返しなんか畳縁と糸と紙だけで新しくしてる。
すごいと思いませんか。

「何年使ったか」より「今どうなっているか」


畳替えのサイクルをざっくり覚えるなら、

3〜5年で裏返し。
さらに3〜5年で表替え。
さらに3〜5年で裏返し。
そして新調を検討。


これくらいでいいと思います。
ただし、これはあくまで目安です。

一番大事なのは、

何年使ったかではなく、今その畳がどんな状態なのか。

「裏返しでいけるのか」
「表替えでいいのか」
「もう新調したほうがいいのか」

お客様自身で決めてから畳屋に相談する必要はありません。
今の畳を見て、その畳に合った方法を考える。
それも畳職人の仕事だと思っています。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

森吉久志
専門家

森吉久志(畳製造業)

有限会社森吉商店

人生最後の畳替えになるかもしれない。その覚悟で、一人ひとりの暮らしと想いに向き合います。畳を替えて終わりではなく、その先の時間まで後悔させないこと。それが職人としての私の責任です。

森吉久志プロは四国放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

畳の提案を通じて暮らしを整えるプロ

森吉久志プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼