【幼児・小学生】読み聞かせはなぜ大切?子どもの言葉・想像力・学ぶ力を育てる絵本の力

原田恭兵

原田恭兵

テーマ:子育て

「子どもに読み聞かせをした方がいいと聞くけれど、
どんな効果があるの?」

「小学生になっても、
絵本を読んであげた方がいいの?」

「どんな絵本を選べばいいのか分からない」

小さなお子さんを育てている保護者の方なら、
一度はこのように考えたことが
あるのではないでしょうか。

子どもの学力を伸ばしたいと考えると、
ひらがなの練習や計算、英語など、
目に見える勉強に意識が向きやすくなります。

もちろん、
そうした学習も大切です。

しかし、
私はその前に、
子どもたちに身につけてほしい力が
あると考えています。

それは、
言葉を理解する力、
想像する力、
そして「もっと知りたい」と思う気持ち
です。

こうした力を育てるきっかけの一つが、
絵本の読み聞かせです。

読み聞かせは、
単に子どもを本好きにするためのものでは
ありません。

親子で物語を楽しみながら、
言葉に触れ、考え、
さまざまな世界に
興味を持つことができる時間です。

今回は、
読み聞かせが
子どもの成長に
どのように関わるのか、
家庭でどのように
取り入れればよいのかを、
具体的なおすすめ絵本とともに
紹介したいと思います。

読み聞かせは、子どもの語彙力を育てる

読み聞かせの大きな魅力の一つは、
子どもがさまざまな言葉に出会えることです。

私たちは普段の生活の中で、
同じような言葉を
繰り返し使うことが少なくありません。

例えば、
子どもに気持ちを尋ねるときも、

「楽しかった?」

「うれしかった?」

「悲しかった?」

といった表現が中心になりがちです。

しかし、
絵本の中には、
日常会話ではあまり使わない言葉や
表現が登場します。

「胸が弾む」

「ほっとする」

「しょんぼりする」

「目を輝かせる」

こうした表現に触れることで、
子どもは気持ちや状況を表す言葉を
少しずつ知っていきます。

しかも、絵本には絵があります。

言葉の意味が分からなくても、
登場人物の表情や周囲の様子から、
その言葉がどのような意味なのかを
想像することができます。

そして、
同じ言葉に何度も触れるうちに、
少しずつ自分でも使えるようになっていきます。

アメリカ小児科学会も、
幼い頃から大人と一緒に本を読むことを、
言語能力や読み書きの基礎を育てる
重要な活動として推奨しています。

では、
この語彙力は
小学校に入学してからの学習と、
どのように関係するのでしょうか。

例えば、算数の文章問題です。

計算はできるのに、
文章問題になると解けなくなる子がいます。

その理由は一つではありませんが、
問題文に書かれている状況や
言葉の意味を十分に理解できていない場合が
あります。

「合わせて」「残り」「差」「何倍」といった
言葉を正しく理解しなければ、
どの計算を使うべきか判断することも
難しくなります。

国語だけでなく、
算数や理科、社会でも、
問題文や説明を理解する力が必要です。

言葉を理解する力は、
すべての教科の学習を支える土台の一つなのです。

読み聞かせは、
その土台を
幼い頃から育てる機会になります。

想像する力は、物語を楽しむ中で育っていく

絵本の魅力は、
言葉を覚えられることだけでは
ありません。

物語を聞きながら、
子どもが自由に想像できることも
大きな魅力です。

例えば、
主人公が暗い森の中に入っていく場面が
あったとします。

子どもは絵を見ながら、
さまざまなことを考えます。

「この先には何があるのかな?」

「主人公は怖くないのかな?」

「自分だったらどうするだろう?」

まだ起こっていない出来事を予想したり、
登場人物の気持ちを考えたりする。

こうした経験は、
目の前にないものを
思い浮かべるきっかけになります。

そして、
ここで大切なのは、
大人がすぐに正解を教えないこと
です。

子どもが
「きっと、このあと怪物が出てくるよ!」と
言ったときに、

「そんなことはないよ」

と否定する必要はありません。

「どうしてそう思ったの?」

「もし怪物が出てきたら、どうする?」

と問いかけてみるのもよいでしょう。

もちろん、
毎回質問する必要はありません。

子どもが夢中になって聞いているときには、
物語の世界に浸らせてあげることも大切です。

子どもが自分から何かを話したくなったとき、
その考えを受け止める。

私は、
そんな関わり方がよいと思っています。

未来舎でも、
子どもたちが自分で考えることを
大切にしています。

答えを教えてもらうことだけが
学習ではありません。

「どうしてだろう?」

「こうしたらどうなるだろう?」

と考えることも、学びの大切な一歩です。

絵本は、
そのような考える楽しさに出会える
身近な存在だと思います。

読み聞かせは、親子のコミュニケーションにもなる

読み聞かせというと、
子どもが本を見て、
大人が文章を読む姿を
想像するかもしれません。

しかし、
読み聞かせの時間には、
それ以上の価値があります。

子どもが絵を指さして笑う。

「これ、知ってる!」と話し始める。

怖い場面になると、
大人の方に近づいてくる。

そんな反応に大人が応える。

このやり取りそのものが、
親子のコミュニケーションになります。

読み聞かせは、
必ずしも文章を
最初から最後まで
正確に読む必要はありません。

子どもが絵に夢中になっているなら、
一緒に絵を眺めてもよいでしょう。

途中で質問が出てきたなら、
そこで会話を楽しんでも構いません。

大切なのは、
本を最後まで読み終えることだけでは
ないからです。

また、
仕事や家事で忙しい家庭では、
子どもとゆっくり向き合う時間を取ることが
難しい場合もあります。

そんなとき、
寝る前の5分間だけでも、
一緒に絵本を開いてみては
いかがでしょうか。

もちろん、
毎日できなくても問題ありません。

疲れている日には無理をせず、
余裕のある日に
楽しむだけでもよいと思います。

読み聞かせを
「やらなければならないこと」にするのではなく、
親子で楽しめる時間にすること。

私は、
それが長く続けるためにも
大切だと考えています。

同じ絵本を何度も読むことにも意味がある

読み聞かせをしていると、
子どもが
同じ絵本ばかり持ってくることがあります。

「昨日も読んだのに、またこの本?」

と思った経験がある保護者の方も
いるのではないでしょうか。

しかし、
同じ絵本を何度も読みたがることは、
決して悪いことではありません。

子どもは、
繰り返し読むことで
物語の展開を覚えていきます。

そして、
次に何が起こるか分かっているからこそ、
その場面を楽しみにすることがあります。

また、
初めて読んだときには
気づかなかった絵の細かい部分に
気づいたり、
登場人物の気持ちを
違った形で理解したりすることも
あります。

例えば、
最初は主人公の行動だけを楽しんでいた子が、
何度も読むうちに、
周りの登場人物の表情に
注目するようになるかもしれません。

同じ物語でも、
子どもの見方は少しずつ変わっていきます。

繰り返し登場する言葉や表現に
親しめることも、
読み聞かせのよいところです。

もちろん、
さまざまな絵本に出会うことも大切です。

しかし、
たくさんの種類を読ませることだけが
目的ではありません。

子どもが気に入った本を、
何度でも楽しめることも
大切にしてほしいと思います。

小学生になっても、読み聞かせは続けていい

「小学校に入ったら、
自分で本を読ませた方がいいのでは?」

このように考える方もいるかもしれません。

確かに、
自分で文字を読み、
文章を理解する力を育てることは
大切です。

しかし、
文字が読めるようになったからといって、
読み聞かせをやめる必要はありません。

小学校低学年の子どもにとっては、
文字を読むこと自体が
まだ大きな負担になる場合があります。

一文字ずつ読むことに集中していると、
物語の内容を
十分に楽しめないこともあります。

そんなとき、
大人が読んであげることで、
子どもは物語を聞くことに集中できます。

また、
自分で読むには少し難しい本でも、
読み聞かせなら楽しめる場合があります。

子どもが自分で読みたいと言ったときには、
その気持ちを尊重する。

一方で、
「読んでほしい」と言ったときには、
読んであげる。

それでよいのではないでしょうか。

読み聞かせを
何歳で卒業するかということよりも、
子どもが本を楽しめているかどうか
を大切にしてほしいと思います。

年齢別・読み聞かせにおすすめの絵本4選

では、
実際にどのような絵本を選べばよいのでしょうか。

ここでは、
長く親しまれている絵本の中から、
親子で楽しみやすい4冊を紹介します。

対象年齢はあくまで目安です。

お子さんの年齢だけでなく、
興味や好みに合わせて選んでみてください。

① 0〜2歳ごろ『いないいないばあ』

松谷みよ子・文/瀬川康男・絵/童心社

動物たちが次々と
「いないいないばあ」をする絵本です。

この絵本の魅力は、
繰り返される言葉と、
ページをめくる楽しさです。

赤ちゃんは、
まだ物語を理解することが難しくても、
大人の声や表情、言葉のリズムを
楽しむことができます。

読み聞かせるときには、
「ばあ!」の前に少し間を取ってみるのも
おすすめです。

子どもが笑ったり、
声を出したり、
次のページを待っている様子を
見せたりするかもしれません。

おすすめの楽しみ方

絵本を読み終えたあとに、
実際に親子で
「いないいないばあ」をしてみましょう。

本の中の遊びと実際の遊びがつながり、
より楽しい時間になります。

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② 3〜5歳ごろ『ぐりとぐら』

なかがわりえこ・作/おおむらゆりこ・絵/福音館書店

野ねずみのぐりとぐらが、
森で大きな卵を見つけるところから
始まる物語です。

二匹は、
その卵を使って
大きなカステラを作ります。

この絵本の魅力は、
子どもの想像を広げる楽しい展開です。

「こんなに大きな卵、何の卵だろう?」

「自分だったら何を作りたい?」

そんな会話が自然に生まれます。

また、
物語の中で料理が登場するため、
食べ物や料理に興味を持つ
きっかけにもなります。

おすすめの楽しみ方
読み聞かせのあとに、
親子でホットケーキなどを
作ってみるのもよいでしょう。

絵本で楽しんだことを
実際に体験することで、
子どもの興味が
さらに広がるかもしれません。

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③ 3〜6歳ごろ『おおきなかぶ』

A.トルストイ・再話/内田莉莎子・訳/佐藤忠良・画/福音館書店

おじいさんが育てた大きなかぶを抜こうと、
家族や動物たちが
次々と力を合わせる物語です。

この絵本の魅力は、
繰り返される展開と、
みんなで参加できる楽しさです。

子どもは、
次に誰が登場するのかを
楽しみにしながら聞くことができます。

また、
繰り返されるかけ声を
一緒に言うことで、
読み聞かせに参加することもできます。

おすすめの楽しみ方
親子で登場人物になりきり、
かぶを引っ張るまねをしてみましょう。

声を出したり、
体を動かしたりすることで、
物語をより身近に感じられます。

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④ 小学校低学年ごろ『からすのパンやさん』

かこさとし・作/偕成社

からすのパン屋さんの家族を中心に、
さまざまな出来事が起こる物語です。

この絵本の大きな魅力は、
たくさんのユニークなパンが
描かれていることです。

一つ一つのパンを眺めるだけでも、
子どもたちは
楽しめるのではないでしょうか。

「どのパンが食べたい?」

「自分だったら、どんなパンを作る?」

そんな会話から、
子どもの自由な発想を楽しむことができます。

また、
細かい絵を
じっくり観察する楽しさもあります。

おすすめの楽しみ方

読み聞かせのあとに、
オリジナルのパンを
紙に描いてみましょう。

実際には作れないような形のパンでも
構いません。

子どもが自由に考え、
表現することを楽しんでほしいと
思います。

---

今回紹介した4冊は、
どれも親子で楽しめる絵本です。

しかし、
必ずしもこれらの本を読まなければならない
わけではありません。

大切なのは、
子ども自身が興味を持つことです。

図書館や書店で
一緒に絵本を選び、
子どもが手に取った本を読んでみる。

そんな時間も、
読書への興味を育てる
きっかけになります。

読み聞かせを「勉強」にしすぎないことも大切

ここまで、
読み聞かせのさまざまなよさを
紹介してきました。

しかし、
一つ気をつけてほしいことがあります。

それは、
読み聞かせを
勉強のようにしてしまわないことです。

例えば、絵本を読み終えるたびに、

「主人公は何をしましたか?」

「このお話から何を学びましたか?」

「この言葉の意味は分かった?」

と質問され続けたら、
子どもはどう感じるでしょうか。

もちろん、
子どもが物語について話したがっているときに、
質問することは悪いことではありません。

しかし、
毎回内容を確認されると、
絵本を読むことが楽しい時間ではなく、
正解を答えなければならない時間に
なってしまうかもしれません。

私は、
読み聞かせでは、
子どもが自由に感じることを
大切にしてほしいと思います。

面白かった。

怖かった。

もう一回読みたい。

特に何も話さず、
静かに聞いていた。

どのような反応でも構いません。

読み聞かせの目的は、
必ずしもその場で何かを覚えさせることでは
ありません。

「本って面白いな」
「また読んでみたいな」
という気持ちを育てることも、
大切な目的の一つです。

その気持ちが、
やがて自分から
本を手に取ることに
つながるかもしれません。

読み聞かせは、将来の学びを支える小さな習慣

子どもの学力を伸ばしたいと考えると、
どうしてもテストの点数や、
計算ができるようになったか
といった結果に目が向きやすくなります。

しかし、
学力を支えるものは、
教科の知識だけではありません。

言葉を理解すること。

人の話を聞くこと。

物語の続きを想像すること。

自分の考えを言葉にすること。

知らないことに興味を持つこと。

こうした力や姿勢も、
子どもが学んでいくうえで大切です。

そして、
それらは机に向かう勉強だけで
育つものではありません。

遊びや会話、
さまざまな体験を通して、
少しずつ育っていくものです。

読み聞かせも、
そのような経験の一つです。

ただし、
読み聞かせをたくさんすれば
必ず成績が上がる、
というわけではありません。

子どもの成長には、
家庭環境や学校生活、
友達との関わりなど、
さまざまな要素が関係しています。

だからこそ、
読み聞かせを成績向上のための
特別な訓練として
考える必要はないと思っています。

まずは、親子で絵本を楽しむこと。

そして、
子どもが何かに興味を持ったとき、
その気持ちを大切にしてあげること。

それだけでも、
子どもの世界は
少しずつ広がっていきます。

「勉強ができる子に育てるために本を読む」のではなく、
「本を通して、知ることや考えることの楽しさに出会ってほしい」。

私は、
そんな気持ちで
読み聞かせをしていただけたらと思います。

幼い頃に親子で読んだ一冊が、
子どもにとって
大切な思い出になるかもしれません。

そして、
その本から生まれた小さな興味が、
将来の学びにつながることもあるでしょう。

未来舎では、
子どもたちが自分で考え、
自分から学ぼうとする姿勢を
大切にしています。

また、
NEXT佐古の学童でも、
学習だけでなく、
さまざまな遊びや体験を通して、
子どもたちの成長を
支えていきたいと考えています。

子どもの成長は、
目に見える勉強の成果だけで
測れるものではありません。

日々の小さな経験の積み重ねを、
これからも大切にしていきたいと
思います。

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原田恭兵
専門家

原田恭兵(塾講師)

学童塾 (株)未来舎

子ども達一人一人をよく見ること、いいところがあったらすぐ褒めること、コミュニケーションをしっかり取ることを重視しています。だからこそ、それぞれの伸ばすべき個性を生かし、人間力と学力を育みます。

原田恭兵プロは四国放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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