【小学生】子どもの正しい叱り方とは?「怒る」と「叱る」の違いと、親が大切にしたいこと

原田恭兵

原田恭兵

テーマ:教育

「何回言ったら分かるの!」

「さっきも同じことを注意したよね?」

「いい加減にしなさい!」

子どもを育てていると、
ついこんな言葉が
出てしまうことはないでしょうか。

何度注意しても
同じことを繰り返す。

約束を守らない。

兄弟げんかをする。

片付けをしない。

最初は優しく伝えていたのに、
何度も繰り返されるうちに、
だんだん声が大きくなってしまう。

そして、子どもが寝たあとに、

「あんなに強く言わなくてもよかったかな」

と後悔することもあると思います。

最近は
「子どもを叱らない子育て」
という言葉を耳にすることもあります。

しかし、
私は子どもを叱ること自体が
悪いわけではないと思っています。

人を傷つけてしまったとき。

危険なことをしたとき。

守らなければならない約束を破ったとき。

大人が
きちんと伝えなければならないことはあります。

ただし、
大切なのは
叱ることそのものではありません。

「叱ったあと、子どもに何が残っているのか」


今回は、
小学生の子どもの叱り方について、
未来舎で実際に
子どもたちと関わる中で
大切にしていることも交えながら
お話しします。

何度叱っても同じことを繰り返すのは、反省していないから?


子どもを叱ったとき、

「もうしません」

「次から気をつけます」

と答えることがあります。

ところが、
翌日にはまた同じことをしている。

そんな姿を見ると、大人は、

「昨日あれだけ叱ったのに、何も分かっていない」

と思ってしまいます。

でも、本当にそうなのでしょうか。

例えば、
廊下を走ってはいけないことを
知っている子でも、
友達を見つけてうれしくなった瞬間には
走ってしまうことがあります。

片付けをしなければならないと
分かっていても、
目の前の遊びに夢中になっていると、
片付けに意識が向かないこともあります。

つまり、

「何が正しいかを知っていること」と
「その場で正しく行動できること」は、
必ずしも同じではありません。

子どもは成長の途中にいます。

気持ちを切り替えること、
自分の行動を振り返ること、
先のことを考えて行動することは、
経験を重ねながら
少しずつ身につけていくものです。

もちろん、
何度も同じことを繰り返すからといって、
何も注意しなくていいわけではありません。

ただ、

「どうして分からないの!」

と叱る前に、

「何が分かっていて、何がまだ難しいのだろう?」

と考えてみることも必要だと思います。

例えば、
片付けができない子に対して、
毎日「片付けなさい!」と
繰り返すだけでは、
なかなか変わらないかもしれません。

どこに戻せばいいのか分かっているのか。

片付けるタイミングが分かっているのか。

遊びを終えることが難しいのか。

理由によって、
必要な関わり方は変わります。

同じことを繰り返す子どもに必要なのは、
叱る回数を増やすことではなく、
できない理由を見つけることかもしれません。

「怒る」と「叱る」の違いは、声の大きさではない


一般的に「怒る」は感情を表すこと、
「叱る」は相手の行動を
正そうとすることとして
区別されます。

ただ、
実際の子育てでは、
そんなに簡単に分けられるものでは
ありません。

例えば、
子どもが突然道路に飛び出そうとしたとき。

「止まって!」

と大きな声を出すのは当然のことです。

その場でゆっくり
理由を説明している余裕は
ありません。

危険な行動を
すぐに止めることが
最優先です。

一方で、小さな失敗に対して、

「本当に何をやってもダメだね」

と静かな声で言ったとしても、
子どもを深く傷つけてしまう可能性が
あります。

つまり、

声が大きいから悪い、
優しい口調だから正しい
ということではありません。

私が大切だと思うのは、
何のために
その言葉を伝えているのか
ということです。

大人のイライラをぶつけるためなのか。

それとも、
子どもに何がいけなかったのかを
理解してもらい、
次の行動につなげるためなのか。

そして、
もう一つ大切なのは、
叱る強さを
場面によって変えることです。

命に関わる危険な行動と、
片付けを忘れたこと。

友達を故意に傷つけたことと、
うっかり忘れ物をしたこと。

これらをすべて同じ強さで叱る必要は
ないと思います。

毎回強く叱られていると、
子どもは何が特に重要なことなのか、
区別しにくくなるかもしれません。

本当に止めなければならないことは、
はっきり止める。

落ち着いて伝えられることは、
落ち着いて伝える。

叱り方を考えるときには、
この使い分けも大切ではないでしょうか。

「ダメ!」だけでは、次にどうすればいいのか分からない

子どもを注意するとき、
大人はつい「してはいけないこと」を
伝えがちです。

「走らない!」

「騒がない!」

「散らかさない!」

もちろん、
してはいけない行動を
止めることは必要です。

ただ、
そこで終わってしまうと、
子どもには次に何をすればいいのかが
十分に伝わらないことがあります。

例えば、

「廊下を走らない!」

だけでなく、

「廊下では歩こうね」

と伝える。

「おもちゃを散らかさない!」

だけでなく、

「遊び終わったら、この箱に戻そうね」

と伝える。

「友達にそんなことを言わない!」

だけでなく、

「嫌なことがあったら、
たたくのではなく言葉で伝えよう」

と伝える。

このように、

やめてほしい行動と、
代わりにしてほしい行動を
セットで伝えることが大切です。

ただし、
言葉で説明すれば
必ずできるようになるわけでも
ありません。

特に小学校低学年の子どもであれば、
大人が一緒にやって見せたり、
できたときに
具体的に伝えたりすることも
必要です。

例えば、
片付けをしない子に、

「ちゃんと片付けなさい」

と毎日言うよりも、

「まずは机の上のものを、
この箱に入れよう」

と一緒に始める。

できるようになってきたら、
少しずつ任せていく。

最初からすべてを
自分でできる子ばかりでは
ありません。

叱ることだけで
行動を変えようとするのではなく、
できるようになるまでの過程を支える。

これは勉強でも生活でも同じことだと思っています。

叱るときは「子ども自身」と「子どもの行動」を分けて考える


私は、
叱るときの言葉の選び方も、
とても大切だと思っています。

例えば、忘れ物をした子に、

「あなたは本当にだらしないね」

と言う。

片付けをしなかった子に、

「いつも何もできないんだから」

と言う。

こうした言葉は、
問題となった行動だけでなく、
子ども自身を否定する言葉として
受け取られる可能性があります。

しかし、
忘れ物をしたことと、
その子がだらしない人間であることは
同じではありません。

片付けを忘れたことと、
その子が何もできないことも
同じではありません。

叱る必要があるのは、
あくまでも問題となった行動です。

「今日は水筒を忘れてしまったね。
明日はどうしたら忘れないかな?」

「使ったものが出たままになっているよ。
元の場所に戻そう」

このように、
何が問題だったのかを
具体的に伝える方が、
子どもも次の行動を
考えやすくなります。

また、
子どもを叱るときには、
過去の失敗まで持ち出さないことも
意識したいところです。

「昨日もそうだった」

「先週も同じことをした」

「だからあなたはいつもダメなのよ」

と話が広がっていくと、
今何を直せばいいのかが
分かりにくくなります。

今日の問題は、
今日の問題として伝える。

そして、
注意したあとは
必要以上に引きずらない。

子どもが失敗をしたからといって、
その子の良いところまで
なくなるわけではありません。

叱るべきことは叱る。

でも、
その子自身を否定しない。

この区別は、
大人が意識しておきたいことだと
思います。

「ごめんなさい」と言わせることが、叱る目的ではない

子どもを叱ったあと、

「ちゃんと謝りなさい!」

と言うことがあります。

もちろん、
誰かを傷つけたり、
迷惑をかけたりしたときには、
謝ることも大切です。

ただ、子どもが、

「ごめんなさい」

と言ったからといって、
本当に何がいけなかったのか
理解しているとは限りません。

怒られるのが嫌だから謝る。

早く話を終わらせたいから謝る。

とりあえず謝れば許してもらえると
思って謝る。

そんなこともあるかもしれません。

だから私は、
謝ったかどうかだけで
終わらせないことが
大切だと思っています。

例えば、
友達のおもちゃを
勝手に取ってしまったとき。

まずは、
おもちゃを返すことや、
相手が嫌がっていたことを
伝える必要があります。

そのうえで、
落ち着いてから、

「どうして取ろうと思ったの?」

「相手はどんな気持ちだったと思う?」

「次に使いたくなったら、
どうしたらいいかな?」

と一緒に考える。

ここで気をつけたいのは、
質問攻めにしないことです。

子どもが泣いていたり、
興奮していたりするときには、
落ち着いて話をすることが
難しい場合もあります。

まず気持ちが落ち着くのを待つ。

そして、
子ども自身の言葉で
考えられるようにする。

小さい子であれば、
大人が選択肢を示しても
いいと思います。

「貸してって言ってみる?」

「順番を決めるのはどうかな?」

そのようなやり取りを重ねる中で、
少しずつ
自分で考えられるように
なっていくのではないでしょうか。

叱ることのゴールは、
「ごめんなさい」と言わせることでは
ありません。


次に同じ場面になったとき、
どう行動すればいいのかを
子ども自身が
考えられるようになることです。

未来舎では、まず子どもたち自身に説明してもらいます

未来舎の学童では、
子ども同士でトラブルが起きたとき、
まず子どもたち自身に
何があったのか
説明してもらうようにしています。

大人が見た一場面だけで、
すべてを判断できるとは
限らないからです。

例えば、
友達同士で言い合いになったとき。

大人から見ると、
一方の子が悪いように
見えることもあります。

しかし、
実際に話を聞いてみると、
その前に別の出来事があったり、
お互いの気持ちが
うまく伝わっていなかったり
することもあります。

だからこそ、
まずはそれぞれの子どもに、
自分の言葉で説明してもらうことを
大切にしています。

「何があったの?」

「どうしてそうしたの?」

「そのとき、どんな気持ちだったの?」

子どもたちの話を聞いたうえで、
必要なことを伝えます。

もちろん、
相手を傷つける行動や
危険な行動があれば、
その場ですぐに止めます。

ただ、
注意するだけで
終わらせたくはありません。

自分が何をしたのか、
なぜそうしたのかを言葉にすることも、
自分の行動を振り返る大切な機会だと考えています。

そして、
何がいけなかったのかを
一緒に考え、
次に同じようなことが起きたときには
どうすればよいかを考えてもらいます。

ここで大切なのは、
大人が最初からすべての答えを
教えないことです。

「あなたが悪い」

「こうすればよかったでしょ」

と大人が結論を伝えるだけなら、
その場は早く収まるかもしれません。

しかし、
それでは子ども自身が
考える機会が少なくなってしまいます。

もちろん、
子どもだけでは
うまく説明できなかったり、
解決方法が思いつかなかったり
することもあります。

そんなときは、
大人が一緒に考えればいいと
思っています。

最初は
大人に手伝ってもらいながら考える。

少しずつ、
自分で考えられるようになる。

そして、
いつか同じような場面になったとき、
大人に言われなくても
適切な行動を選べるようになる。

未来舎が目指しているのは、
叱られないように行動する子どもではなく、
何が正しいのかを自分で考えて行動できる子ども
です。

これは、
未来舎が
勉強を教えるときにも
大切にしている考え方です。

間違えたときに、
すぐに正解を教えるのではなく、
なぜ間違えたのかを考える。

分からないことがあれば、
自分なりに考えてみる。

生活の中で起きるトラブルも、
子どもたちが成長するための
大切な学びの機会になると考えています。

子どもを育てていれば、
叱らなければならない場面は
必ずあります。

そして、
大人も人間ですから、
いつも落ち着いて伝えられるわけでは
ありません。

感情的になってしまったときには、
大人も「さっきは強く言いすぎたね」と伝え、
改めて話をすることがあっていいと思います。

大切なのは、
一度も怒らない完璧な親になることでは
ありません。

子どもに何を伝えたいのか。

次にどう行動してほしいのか。

そのために、
今どんな関わり方が必要なのか。

そこを考え続けることだと思います。

叱ることの目的は、
子どもを大人の言う通りに動かすことではなく、
子どもが自分で考えて行動できるようになること。

未来舎の学童「NEXT佐古」でも、
宿題や学習のサポートだけでなく、
友達との関わりやさまざまな体験を通して、
子どもたちが自分で考え、
行動できるようになることを
大切にしています。

未来舎NEXT佐古の学童について詳しく見る

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原田恭兵
専門家

原田恭兵(塾講師)

学童塾 (株)未来舎

子ども達一人一人をよく見ること、いいところがあったらすぐ褒めること、コミュニケーションをしっかり取ることを重視しています。だからこそ、それぞれの伸ばすべき個性を生かし、人間力と学力を育みます。

原田恭兵プロは四国放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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