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オフィスに、いくらかけるのが正解? ― 「総額」だけでは見えない、オフィス投資の考え方

杉田策弘

杉田策弘

テーマ:オフィスづくり



「オフィスをつくると、いくらくらいかかりますか?」

これは、お客様からよく聞かれる質問です。

私の答えは、

「内容によります」

です。

少し答えになっていないように聞こえるかもしれません。

でも、オフィスはお金をかけようと思えば、どこまででもかけることができます。

反対に、既存の家具や設備を利用したり、こだわる場所を絞ったりすれば、金額を抑えることもできます。

では、オフィスにいくらかけるのが正解なのでしょうか。

私は、最初から金額だけを考えるのではなく、まず「やりたいことを平面図にしてみる」ことが大切だと思っています。

まず平面図をつくると、おおよその金額が見えてくる


オフィスの費用は、「50坪だから○○万円」と単純には決まりません。

同じ広さでも、会議室がいくつ必要なのか、個室をどのくらいつくるのか、設備をどこまで変更するのかによって、金額は大きく変わります。

だから私たちは、まず「どんなオフィスにしたいのか」を聞き、それを平面図にしていきます。

どこに執務スペースをつくるのか。

会議室はいくつ必要なのか。

来客エリアをどこにするのか。

人がどのように動くのか。

どんなゾーニングにするのか。

こうした平面計画が決まってくると、壁などの建築工事や、電気・空調などの設備工事も見えてきます。

この部分は、オフィスをつくるうえで固定的に必要になる部分で、金額も大きくなりやすいところです。

つまり、平面図が決まると「このオフィスを成立させるために、最低限どのくらい必要なのか」が見えてくる。

私は、これがおおよその金額を知る一番の方法だと思っています。

その先は「どこにこだわるか」


一方で、平面図だけではあまり見えてこない部分もあります。

家具にどこまでこだわるのか。

素材をどうするのか。

照明でどこまで空間を演出するのか。

造作家具をつくるのか。

グリーンやサインをどこまで取り入れるのか。

こうしたデザイン的な部分は、予算に応じてある程度調整できます。

全部にお金をかける必要はありません。

「ここはお客様に会社らしさを感じてもらう場所だから、こだわろう」

「ここは社員が毎日使う場所だから、家具にはお金をかけよう」

会社によって、大切にしたいところは違います。

だから、まず必要な金額を把握して、そのうえで、

「自分たちは、どこにお金をかけたいのか」

を考える。

限られた予算の中で、その会社にとって一番いい配分を探すことが大切だと思っています。

予算は、違っていてもいいので伝えてほしい


もちろん、会社として使えるお金には限りがあります。

ですから、予算感があれば最初に教えてもらった方が、提案する側としても考えやすくなります。

その金額が、実際に必要な金額と違っていても構いません。

会社の資金繰りや将来の見通しを考えて、

「今回は1,000万円くらいまでにしたい」

という考えがあるのであれば、それも大切な条件です。

ただ、その1,000万円に合わせて、最初からやりたいことを小さくしてしまう必要はないと思っています。

まず、やりたいことをカタチにしてみる。

そのために必要な金額を知る。

そして、会社として投資できる金額と比べてみる。

そこから、何を残して何を変えるのかを考える。

この順番の方が、納得できるオフィスになりやすいと思います。

一度に全部やらなくてもいい


例えば、やりたいことをすべて実現すると2,000万円。

でも、今回使える予算は1,500万円だったとします。

そのとき、すべてのグレードを少しずつ落とすことだけが方法ではありません。

部屋の数を一つ減らす。

既存の家具をできるだけ使う。

設備の仕様を見直す。

特に設備関係は、計画の仕方によって金額が大きく変わることがあります。

そして、もう一つの方法が、

一度に全部やらないこと。

最終的にやりたいオフィスの姿が決まっていれば、

「今年はここまで」

「来年はここをやろう」

と、数年に分けて整えていくこともできます。

大切なのは、最終的な姿を考えず、その都度つぎ足していかないことです。

先の計画があれば、今年やった工事を数年後に壊して、またお金をかけるようなことも減らせます。

高いオフィスが、いいオフィスとは限らない


私は、オフィスの良し悪しは金額だけでは決まらないと思っています。

高いけれど、「高いだけ」に見えるオフィスもあります。

反対に、それほどお金をかけていなくても、いいオフィスはあります。

私が大切だと思うのは、

「考えられたオフィスかどうか」

です。

「この家具、すごいでしょう」というオフィスよりも、

「このゾーンには、こんな意味があります」

「この動線にしたのは、部署同士が自然に関われるようにするためです」

と説明できるオフィスの方が、私はいいと思っています。

個々の家具や素材だけではなく、平面図を見たときに、

なぜここにこの場所があるのか。

なぜ人がこう動くのか。

それぞれのゾーンにどんな意味があるのか。

そこまで考えられている。

高いか安いか以上に、「なぜこうしたのか」を説明できることが大切です。

Dexi板屋店のリニューアルも、機能だけならもっと安くできた


最近、私たち自身もDexi板屋店をリニューアルしました。

今回は単に席数を増やすのではなく、

「ここをショールームとして使う」

という目的も持ってリニューアルしました。

席数を増やすという機能だけを考えれば、おそらく今回の3分の1程度の投資でもできたと思います。

でも、せっかくリニューアルするのであれば、お客様に来ていただいたときに、素材や家具、照明、グリーンなどを実際に体験してもらいたい。

Dexiがどんなオフィスをつくりたいと考えているのかを、空間そのもので感じてもらいたい。

そう考えて、機能だけでは必要のない部分にも、あえてお金をかけました。

では、残りの3分の2は何だったのか。

私たちは、将来への投資だと考えています。

これからのお客様への提案につながる。

Dexiの考え方を伝える場所になる。

そこから新しい仕事が生まれるかもしれない。

同じオフィスへの投資でも、「何のためにお金を使うのか」によって、その意味は大きく変わります。

自分たちがお金を出す側になってみると、会社の利益や資金繰り、今期にどこまで投資するのか、長く使うものなのか、といった経営面からも考えるようになります。

オフィスの予算は、単純に「工事費がいくら」という話だけではないと、改めて感じました。

「ただ新しくする」だけでは、少しもったいない


「オフィスが古くなったから、新しくしたい」

もちろん、それもオフィスを変えるきっかけの一つです。

そして、会社がオフィスに投資できるということ自体、とてもいいことだと思います。

だからこそ、

そのお金を使って、もっと会社が良くなる方法を一緒に考えたい。

経営者は、これからどんな会社にしたいのか。

働く人たちは、どんな会社で働きたいのか。

採用を良くしたいのか。

コミュニケーションを変えたいのか。

働き方を変えたいのか。

それをオフィスという空間で表現するために、お金を使う。

そう考えると、

「オフィスにいくらかけるのが正解ですか?」

という問いへの答えは、坪単価や総額だけでは出せません。

まず、やりたいことを平面図にする。

そこで、オフィスを成立させるために必要な金額を知る。

そのうえで、自分たちが大切にしたいところに、どこまでお金をかけるのかを決める。

そして、一つひとつに理由のあるオフィスをつくる。

高いか、安いかではなく、その投資にどんな意味があるのか。

それを考えることが、その会社にとっての「オフィスにいくらかけるのが正解?」への答えになるのではないでしょうか。



Dexiでは、最初から家具や仕様を決めるのではなく、まず「何を変えたいのか」「これからどんな会社にしたいのか」を伺い、平面計画からオフィスづくりを考えています。

まだ予算が決まっていない段階でも、

「自分たちがやりたいことには、どのくらいかかるんだろう?」

というところからご相談いただけます。

https://design.dexi.jp/

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杉田策弘
専門家

杉田策弘(オフィスデザイン事業)

株式会社デクシィ

浜松市を拠点に、オフィスに特化したデザイン設計や内装、家具の販売・製作などを展開。経営課題や企業文化を踏まえた空間づくりを通じて、働きやすさと組織の成長を支えています。

杉田策弘プロは静岡新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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