オフィスづくりは誰に相談する?まず考えてほしい「相談相手」の選び方

オフィスを移転する。
今のオフィスをリニューアルする。
そんな話が出たとき、
「何席必要だろう?」
「どんなレイアウトにしよう?」
「せっかくだから今っぽいオフィスにしたい」
といったところから考え始めることが多いと思います。
もちろん、どれも大切です。
ただ、私たちがオフィスづくりの相談を受けたとき、最初に聞きたいのはオフィスのことではありません。
「今、会社としてどんな課題がありますか?」
まずは、そこから考えてみたいと思っています。
「働き方を変えたい」から始まることは意外と少ない
実際のご相談では、最初から
「働き方を変えたい」
「組織のコミュニケーションを変えたい」
と目的が明確になっているケースは、それほど多くありません。
「社員が増えて狭くなった」
「移転や新築が決まった」
「社長がオフィスを変えようと言い出した」
といったことが、オフィスづくりのきっかけになることが多いです。
最近では、採用や人材の定着を課題として挙げる会社も増えてきました。
そこで大切なのが、
「なぜ、オフィスを変えたいのか?」
をもう少し深く考えてみることです。
例えば「採用のため」と言っても、採用候補者に会社を魅力的に感じてもらいたいのか。
「定着のため」であれば、毎日の働きやすさを良くしたいのか、社員同士のコミュニケーションを増やしたいのか。
目的が違えば、お金をかける場所も変わってきます。
まず「今の会社がどう働いているか」を知る
もう一つ大切なのが、現状把握です。
これは単純に「社員が何人いるか」「会議室がいくつあるか」を調べることではありません。
私たちは、
部門同士がどのように連携しているのか。
各部門にはどのくらい収納が必要なのか。
どのくらいの机上面積が必要なのか。
専用のPCやOA機器はあるのか。
来客はどのような流れで対応しているのか。
共用部は実際にどう使われているのか。
そんなところまで見ていきます。
同じ50人の会社でも、必要なオフィスはまったく違うからです。
会社特有の働き方や、その部署特有の動きを理解しなければ、本当に使いやすいオフィスにはならないと思っています。
社員アンケートも現状を知るための有効な方法です。
ただし、「新しいオフィスに何が欲しいですか?」と聞くだけでは、なかなかうまくいきません。
何を聞くのか、そしていつ聞くのか。
ここにも少しコツがあります。
私たちは、ある程度ラフレイアウトを考えた後にアンケートを行い、自分たちが考えた仮説と社員の感覚を「答え合わせ」するという方法もよく使います。
3年先は現実的に。5年先は希望でもいい
今の会社を知ったら、次は少し先の会社を考えます。
私は、
「3年先は現実的に、5年先は希望でもいい」
くらいがちょうどいいと思っています。
10年後まで正確に見通すのは、今の時代なかなか難しい。
でも、今だけを見てオフィスをつくると、数年後には合わなくなるかもしれません。
3年後の人数はどうなっているのか。
組織図はどう変わっているのか。
出社率はどうなっているのか。
社員はどこで働いているのか。
考えたいのは「3年後のオフィス」ではなく、
「3年後の会社が、どう働いているか」
です。
そこから必要なオフィスを考えていきます。
全部を変えるより、「何を一番変えたいか」を決める
オフィスを変えるとなると、
「せっかくだから机も」
「椅子も」
「収納も」
「会議室も」
と、全体を満遍なく良くしたくなります。
でも、限られた予算なら、必ずしもそれが一番いいとは限りません。
例えば社員の働きやすさを優先するなら、机も椅子も収納も少しずつ新しくするより、毎日長時間使う椅子にしっかり投資した方が喜ばれることがあります。
オフィス全体を変えるのではなく、食堂をミーティングやコミュニケーションにも使える場所に変える方法もあります。
大切なのは、
「今回のオフィスづくりで、何を一番変えたいのか」
という優先順位です。
これが決まっていると、プロジェクトの途中で迷ったときにも、判断の基準になります。
「今っぽいオフィス」が正解とは限らない
最近では、ABW(Activity Based Working)のように、仕事内容に合わせて働く場所を自由に選ぶオフィスも増えています。
「うちもABWにしたい」
というご相談をいただくこともあります。
そんなとき、私はレイアウトを考える前に確認したいことがあります。
「社員が自分の席を離れて仕事をしていても大丈夫な会社ですか?」
社員が席にいないだけで、
「あいつ、どこに行っているんだ?」
となる会社なら、ABWのオフィスをつくる前に考えることがあるかもしれません。
場合によっては、オフィスより先にマネジメントや働き方を見直した方がいいこともあります。
オフィスだけを変えれば、会社の働き方も自然に変わる。
そんなに単純ではないと思っています。
「なんとなく、きれいにしたい」なら
「オフィスも古くなったし、そろそろきれいにしたい」
もちろん、それがきっかけでも構いません。
ただ、私はもう一つ聞いてみたいです。
「なぜ、きれいにしたいのでしょうか?」
採用のためなのか。
社員にもっと気持ちよく働いてほしいのか。
コミュニケーションを変えたいのか。
会社がこれから変わっていくことを、社員にも感じてもらいたいのか。
深く聞いていくと、その会社なりの課題が見えてくることが多いです。
逆に、本当に「なんとなく」であれば、大きな投資をする必要はないかもしれません。
数年後に組織や働く場所が大きく変わることが分かっているなら、今は全面的なリニューアルをしない方がいいこともあります。
オフィスを変えること自体が目的ではないからです。
オフィスを変えようと思ったら、まずレイアウトや家具を考えるのではなく、
「今、自分たちはどう働いているのか」
「3年後、会社はどうなっていたいのか」
「今回、一番変えたいことは何なのか」
そこから考えてみてはいかがでしょうか。
私たちDexiでは、レイアウトや家具を決める前の段階から、現在の働き方や会社のこれからについて一緒に整理しながらオフィスづくりを進めています。
「まだ何を変えるか決まっていない」
「そもそも今、オフィスに投資するべきなのか分からない」
そんな段階からでも大丈夫です。
オフィスづくりについてもう少し詳しく知りたい方は、Dexiのオフィスデザインサイトもご覧ください。


