正解のない時代にキャリアを創造する【第4回】人材版伊藤レポートとは?人的資本経営との関係をわかりやすく解説
企業から相談を受けたとき、専門家として「こうすればいいですよ」と答えを出すことが求められる場合があります。
もちろん、知識や経験から具体的な提案をすることは大切です。
しかし、人や組織に関する問題については、いつも一つの正解があるとは限りません。
同じ「若手が育たない」という悩みでも、会社によって事情は違います。
上司との関係が原因かもしれません。
仕事の任せ方に問題があるのかもしれません。
本人が仕事に意味を感じられていないのかもしれません。
そもそも、会社と本人が期待していることが違っているのかもしれません。
表面に現れている問題が同じでも、その背景はそれぞれ違います。
だから私は、企業の方から相談を受けたとき、最初から答えを決めてしまわないことを大切にしています。
「何が起きているのか」
「なぜそうなっているのか」
「本人はどう考えているのか」
「会社はどうしたいのか」
そうしたことを一緒に整理していく。
その中から、会社自身が「これならできそうだ」と思える方法を探していく。
これは、キャリアコンサルティングにも通じる考え方です。
キャリアについて相談されたときも、相談者に代わって人生の答えを決めることはできません。
本人が考え、自分なりの答えを見つけていく。
そのプロセスを支えるのが、キャリアコンサルタントの役割だと私は考えています。
企業への支援でも、同じです。
外部の専門家だからといって、会社の中にある答えを外から持ってくるのではありません。
その会社にしか分からないこと、その会社だからこそできることがあります。
だからこそ、私は「答えを教える人」ではなく、一緒に考える人でありたいと思っています。
人や組織の問題には、簡単には答えが出ないことがあります。
だからこそ、立ち止まって一緒に考える人がいることには意味がある。
私は、企業の中にある答えを外から決めるのではなく、その会社で働く人と組織が、それぞれの答えを見つけていくプロセスを支えていきたいと考えています。



