「社員が足りなくて誰かいい人が居ないか?」それ言ってたら来ませんよ
こんにちは、サポートコーチ出雲の山根浩二です。
今日は中小企業に良い人材が定着できない、本当の理由というテーマでお話しします。
今回はその中でも採用しても、経営者から見て、自発的な行動がなかったり、続かなかったり、そもそも定着しなくって退職してしまったりする人が多い場合に、どういうことが起こっているかについて書いてみます。
例えばここに、ある求人難の中小企業があるとします。その会社は人を採用できても、その社員が継続せずに離職していくわけです。そういうことを繰り返している会社には、そもそも入社した社員が辞めるような仕組みがあります。
可能性はたくさん考えられます。
・そもそも求人票と違う仕事内容だった不満
・仕事に対して給料が安い不満
・理不尽な仕事が多い不満
・価値観の合わない仕事をさせられる不満
・ワンマン経営者に対する不満
・会社の将来性に対する心配
・やる気を削ぐ環境に対する不満
マイナス点はいくらでも出るものですけども、そもそもそういう不満が充満している環境だとします。
一応お伝えしておくと全ての面にプラスとマイナス面があり、完璧な人間は存在しないのと同じように、完璧な会社は存在しません。それと同じように完璧な仕事もないでしょう。
もし、その不満がある環境に求人で、やる気のある新入社員が入ったとします。その社員はどうなるでしょうか?
もしかしたら社員から、「つまらない会社に入っちゃったね。」という声かけがあるかもしれません。
会社に入ると先輩社員からの影響をもろに受けます。せっかくやる気があり頑張ろうとする社員に対して、会社のマイナス点が徐々にわかってくる状態になります。日本人は共感力が高いので周りに合わせて行きます。そもそも協調性がある人が会社に入って、たくさんの人と仕事をする適性があるわけですから。
私は社風に染められていくという風に言っています。
不満が渦巻く環境の会社では、不満が渦巻く社員が作られていきます。その結果退職する社員もいるでしょうが、不満を抱えながら継続する社員もいるわけです。その継続する社員が新入社員に悪影響を与えます。
そうするとその新入社員が不満を抱えた社員に育ちます。その社員は退職するか、不満を抱えながら仕事をすることになります。
元々やる気にあふれていた新入社員が不満を抱えた社員になってしまうわけです。経営者は、とかく優秀な新人を採用して会社を変えてもらいたいということを言われます。しかしその新人が会社を変えるほどの優秀な人である可能性は少ないです。ほとんどは現在の社風に染まっていきます。
多くの中小企業はここに触れずに別のところの努力をしようとします。だからうまくいかないのです。
ではどうしたらいいのでしょうか?
それは、急がば回れと言うか、まずは採用の前にすることがあるわけです。まずは会社内の環境を整え社風を変えること、求人の相談の時にはこんな風に伝えます。
根本的な課題が見つかれば改善点は必ずあります。というか改善点だらけだと思います。今まで全く手をつけてなかった部分がたくさんあるはずなのです。もちろん全てが改善できるわけでもないでしょうけど、一つ一つ積み重ねて改善していけば過去よりは必ず良くなるわけです。
最初に伝えましたけども完璧な会社はありません。この社風の改善に対しても、ゴール達成は、ないかもしれません。時代とともに環境とともに、ゴールは変わるかもしれませんし。
でも経営者がそこに向かって努力をしていけば、必ず改善できます。
では努力の結果社風が改善されてきたらどうなるのでしょうか?
もしかしたら社員から、「よかったね、いい会社に入れて」という声かけがあるかもしれません。
そうすると新入社員は会社の良い部分に目がいくようになります。その結果モチベーションも上がるでしょうし、やる気も継続するでしょう。そして整った良い環境に染まった社員に育っていくんです。
結局は社員が喜んで働く会社でなければ良い人材は集まらないということです。
もし働いている社員全員が、「この会社で働かせてもらって良かった。」ということを日々思い、周りの人達にも伝えているとしたらどうでしょうか?
その話を聞いた知人は、その会社で働きたいと思うでしょう。その話を聞いた子供たちは、その会社で働きたいと思うでしょう。
島根県でもグループ企業を抱えるような会社ですが、親子でその会社で働いているという話を聞きます。
きっとあの社員の子供だったら大丈夫だろうということで採用もできたと思います。
そんな会社ならば、もしかしたら求人を出さなくても社員に問い合わせれば人が集まるのかもしれませんね。
優秀な社員が欲しければ、まずは社風を良くするこの考え方が伝われば嬉しいです。