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深田倍生

ITと企業経営両方の知識を持ち、企業のIT化を支援するプロ

深田倍生(ふかだますお) / ITコーディネーター

株式会社テクノプロジェクト

コラム

イノベーションの種(かも知れない)の話

2022年10月21日

テーマ:ひとりブレスト

コラムカテゴリ:ビジネス

 「ひとりブレスト」は、私が想像(妄想の方が正確かも知れません)を巡らせ、もしかしたらイノベーションの種になるかも知れないテーマをひとりでブレーンストーミングし、ご紹介するものです。かなりくだけた話になるかも知れませんが、本人は大真面目に考え続けていることですので、もしご興味があれば、ご一緒に想像を巡らせましょう。

映画「ファインディング・ニモ」

 映画「ファインディング・ニモ」は、恐らく多くの方がご覧になっていると思いますが、念のためあらすじをご紹介しておきましょう。広大な海のグレートバリアリーフ(サンゴ礁)で、カクレクマノミの400個の卵が孵化しようとしていました。ところがそこへ凶暴なオニカマスが現れ、卵を守ろうとした母親コーラルと卵を飲み込んでしまいます。母親の命と引き換えに助かったのは、たった1匹だけ。父親のマーリンは、この子をニモと名付け、同じ悲劇を繰り返さないと誓い、過保護なまでに大事に育てていきます。しかし、ニモが6歳になり、初めて学校へ行く日にニモはダイバーにさらわれてしまいます。打ちひしがれる父親マーリンでしたが、ダイバーが残したゴーグルを手がかりに、陽気なナンヨウハギのドリーの助けを借りて、ニモを取り戻す旅へと出ます。旅の最中には、色々な生物の助けを借り、親子は感動の再会を果たします。家に戻ったニモは、また元気に学校へ通います。多くの経験を積んだ父親マーリンは、子供に冒険させる心の広い父親に成長していました。そして親子の絆は以前よりもずっと強くなりました。

カクレクマノミの生態

 映画の主人公である父親マーリンとニモは、カクレクマノミという魚ですが、オスがメスに性転換するそうです。 ふ化後、群れの中で1番大きい個体がメスに、2番目に大きい個体がオスに性転換し、その他は繁殖能力を持たない未成熟個体のままだそうです。 群れのたった一匹のメスが死亡するなどして不在になると、オスだった個体(2番目に大きかった個体)はメスに、未成熟個体の中で1番大きいものがオスになるそうです。これはこれでびっくりです。
 ところで、映画「ファインディング・ニモ」では、たまたま親子が引き離されるようなストーリーになっていますが、オーストラリア、米国、フランスの科学者チームは、カクレクマノミが稚魚のころ海洋に送り出され、その60%が出生場所である小さな岩礁に戻ってくることを発見したそうです。要するによくある話であることと、父親が子供を探すのではなく、多くの子供が自力で故郷のサンゴ礁に帰ってくるということです。また、カクレクマノミの稚魚が生まれた場所にたどり着くまでの移動距離はつかめていないそうですが、移動時間はおおむね11日間なのだそうです。

ひとりブレスト

 カクレクマノミは、適当なサンゴ礁に居着くのではなく、途轍もなく広い海の中であろうとも、自分が生まれたサンゴ礁に帰ってくるそうです。地図を持っているわけではないし、もちろんナビゲーションシステムがあるわけではないのに、何を頼りに帰ってくるのでしょうか。
 サケが生まれた川に帰ってくるという本能を持っていることは、テレビなどでよく紹介されています。地磁気や太陽コンパス(太陽の位置を基準として特定の方向を知る)を利用して沿岸まで近づき、河口近くからは生まれた川の匂いを辿って上流へ遡上するそうです。生まれた川の匂いの刷り込みは、生まれた時ではなく、川から海に下る短期間に刷り込みが起きるのだそうです。生まれた川と異なる別の川に放流すると、別の川の方に帰ってくることから、そのように考えられるのだそうです。文献によれば、カクレクマノミも嗅覚によって、生まれたサンゴ礁に戻ってくるのだそうですから、魚は嗅覚が鋭いのでしょうか。私は水中で匂いを感じたことはなく、せいぜい無理をして血の匂いがするくらい(これも妄想かも知れません)です。
 涙を流しながら砂浜で産卵するウミガメも、よくテレビなどで見ることができます。涙を流しているように見えるのは、体内の余分な塩分を塩類腺から排出しているだけだと言われると、こちらが悲しくなりますが、ウミガメも地磁気を利用して故郷の砂浜を見つけているそうです。海岸線の各地点には固有の磁気特性があって、ウミガメはこれを刷り込みによって覚え、故郷に帰るための体内コンパスにしているそうです。
 アサギマダラという蝶は、秋に日本本土から南西諸島・台湾へ旅をし、少数ですが、初夏から夏にその逆のコースで北上しているそうです。秋の南下では、直線距離1,500Km以上移動した例や、1日あたり200Km以上の距離を移動した例も確認されているそうです。アサギマダラは、太陽の位置を基準として飛翔の方向を決める太陽コンパスを利用しているそうです。曇りの日等、太陽コンパスが十分に使えない場合には、太陽光の偏光も方位付けの手がかりとしているそうです。
 これらの生物は、微細な情報を得られる器官で情報をキャッチし、進む方向を決めているということですが、気になるのはゴールです。サケ等は、刷り込みによってゴール(帰る場所)を覚え、今いる場所と照合して、次に進む方向を決めていると想像します。私が興味を持っているのが、刷り込みで得られるアウトプットです。それがどこに格納されるのか。脳で記憶として残る?器官でキャッチしたら特定の酵素が反応する?記憶?特定の酵素?このあたりがモヤモヤポイントであり、イノベーションの種なのではないかと勝手に考えているわけです。

まとめ

 もし、刷り込みのメカニズムが解明されたとして、どのような利用が考えられるかというと、例えば、ベテラン社員が持ってるノウハウ・知識等が特定の酵素(?)の組み合わせで表現され、それを移植(?)すれば、短期間でベテラン並のノウハウ・知識等を持ったスーパー若手社員ができあがるという妄想が出来上がります。現在は、AIで色々と凄いことができそうだというムードがありますが、AIにも十分な教育や時間が必要です。AIを超えるようなイノベーションがありそうな気がしてワクワクします。妄想ですけどね。
 私としては、勝手な妄想をひとりで行っているわけですが、今回のような領域の専門家、あるいは知識や興味を持った方々と一緒にディスカッションしてみたいです。是非お声をお掛けください。楽しみにしています。

この記事を書いたプロ

深田倍生

ITと企業経営両方の知識を持ち、企業のIT化を支援するプロ

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