未病治のタイミングは「かかったかな?」と思ったとき

山路美晴

山路美晴

テーマ:東洋医学豆知識

【未病いうこと】


大寒。

一年で1番寒い時期とされています。
これから2月の頭の立春までは寒い日が続きそうですね。

昨年の冬、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、病院に入院できない人が増えているというニュースを聞き、いったいどこに問題があるのかと考えていました。

もう、ここまで感染が拡大するともはや「感染拡大を防ぐ」ことにはあまり意味がなくて、むしろ症状が出た人を普通の病院で積極的に治療していく時期ではないかと思いました。

「高熱があっても咳の症状がないから自宅待機してください」
と言われて解熱剤だけ飲んでいたら肺炎が悪化したという方がいます。
自宅療養で亡くなった方もいます。

一昨年からずっと言い続けてるんですが、私はPCR検査の陽性・陰性に関わらず、軽度でも風邪の症状があれば積極的に治療を行うべきだと思います。

新型コロナウイルス発生以降、インフルエンザ患者が全国的に非常に少ないのは、コロナの感染対策のおかげで感染症そのものに罹患する人が減ってるのだと言われています。

それでも、「風邪を完全に引かない」ようにするのは困難です。

どんな病気も「かかったかな?」というときに完全に叩くことが重症化を防ぎます。
いわゆる「未病治」というものです。
完全に体のバランスを崩す前に持ち直すのが大切です。


コロナ感染も同じで、初期に肺炎を防ぐための処置をとることで重症化を防ぐことができるのではと思います。

特効薬はありませんから対症療法にはなると思いますが、
「高熱が下がらないのにコロナのガイドラインに沿った症状ではないから自宅待機」
では、治るものも治りませんよね。

「未病治」と並んで大事な「予防」。
とりあえず、自分にできる予防は手洗いとマスクでしょうか。
あとはきちんと食べて栄養補給し、おかしいと思ったらすぐに休む。

私はゾクっとしたら葛根湯を飲んで早めに寝るようにしています。
あとは補中益気湯を飲んで地味に体力をつけようかな、というところです。

いわゆる「補剤」と呼ばれる体力増強の漢方薬は、即効性はありませんが体の土台を整える効果があります。
本場中国でも、インフルエンザにかかった人が補中益気湯などの補剤を飲んで重症化を防ぐそうです。

また、中国・韓国では漢方薬による治療も盛んで、新型コロナウイルスの症状を緩和する新しい処方なども開発されました。
日本では薬事法の関係で新しい漢方薬のエキス剤が作られないのですが、漢方薬専門の薬局では生薬から処方してもらえるようです。


新型コロナウイルス感染のガイドラインにも載ってますので、試してみるといいかもしれませんね。

*(この記事は2021年1月のメルマガ記事です。メルマガスタンドの移行に伴い加筆修正してこちらに投稿しました。)

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山路美晴
専門家

山路美晴(獣医師)

滋賀ペット治療院

鍼灸・整体など東洋医学に基づく診療で、動物本来が持つ“自分で治ろうとする力”を引き出す。ローラー鍼などの「刺さない鍼」やお灸を用いて、家庭でペットのケアを行う講座を各地で開催している。

山路美晴プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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