ストーブによる火災事故
薪ストーブショップに行ったら凄く脅かされたという方が結構いらっしゃいます。
薪ストーブが原因で起こる火災について色々と・・脅かされたそうです。
煙突火災(煙道火災等)、低温炭化・・・
皆さんも耳にされたことがある単語だと思います。
今回は我が家の薪ストーブの煙突システムを例にして解説させていただこうと思います。
今は当たり前となりました二重断熱煙突。
煙突が2重構造になっておりその中に断熱材が充填されている煙突ですね。
※断熱煙突は断熱材という素材と空気層が相まって効果を発揮する物
薪ストーブの施工見積もりを見て、多くの方がさかなクン(ギョギョ!)に変身してしまうという程高価な煙突です。
今は煙突からの放熱を暖房に使うという発想はありません。
それは危険と隣り合わせだからですね。
ですので薪ストーブショップでは天井や屋根、壁の躯体貫通部には最低でもこの2重断熱煙突を採用するのは当たり前の考え方と言えます。
ではこの二重断熱煙突ってどれくらいの断熱性能なのか知りたくなりますよね?
ただ今の室温は27度
そこで実際に我が家で燃焼中の薪ストーブを実験材料にして検証してみようと思いましたので御覧ください。
我が家では遮熱板はボンデ鋼板を壁との間に置いてあります。
煙突は2階の床を貫通して屋根から外に出ています。
では早速ですが煙突の表面温度を見てください。
その前にストーブの正面扉のガラス部分の温度から・・・
そしてストーブ天板から1mくらい上部の温度・・・
60度を少し超えた感じですね。
この温度・・・高いと思いますか?
実は夏場の車のボンネットや家の屋根の温度・・
60度~90度の温度なんですね。
CMでありましたが目玉焼きができる温度にもなるんです。
それと比較していかが思われますか?
更に2階ホール部分の煙突表面温度・・・
ストーブ背後の遮熱板の温度・・・
最後に遮熱板後方の壁の温度です。
いかがでしたでしょうか。
これが断熱煙突の性能です。
実際に煙突に触っていただけるとわかるのですが表面はそれなりの温度はありますが(60度~70度)
手を1センチも離せばほぼ何も感じることはありません。
つまり煙突の放熱によって他の可燃物を延焼させるということはあり得ないのです。
※だからこんな造作も可能です。
ただ残念な事に建築基準法や施行令においては、「断熱構造」というものは無視されています。
法律的には煙突とは内側の煙突部分・・・
つまり外の断熱構造部分は、「煙突」とはみなされてはいません。
これが日本の現状なんです。
だから日本での煙突は、シングル煙突を指しています。
煙突からの離隔距離と言えば二重断熱煙突であっても内側の部分からの距離となるのです。
法整備が本当に遅れているんですね。
欧米では断熱煙突の厚みによってもしっかり煙突は区別されているんですね。
だからどんなに高性能な断熱煙突がこの世に出現しても認定を取得しな限りは日本では可燃物から何センチ離しなさい!みたいな規定は見直されないのです。
※その認定取得も大変は時間とお金もかかりますからね。
ですので皆さんは煙突火災というワードに恐れる必要はありません。
しっかり二重断熱煙突により施工して楽しい薪ストーブライフを過ごしいただきたいと思います。