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鈴木一正プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

営業担当にインセンティブを付ければ業績は向上するのか?(その2)

鈴木一正

鈴木一正

テーマ:働き方改革

「営業担当にインセンティブを付ければ業績は向上するのか?」の続きです。 
俗な言い方なのですが、「頑張っている営業に魅力的なインセンティブを示す→モチベーションが向上する→企業としても業績が向上する」という考え方があります。この命題は必ずしも間違っているとは言えません。また、「頑張っている営業担当にはそれなりに報いてあげたい」という経営からの心情もある。しかし、こうした命題が成立するためには、環境が整っていることが前提だと申し上げました。

例えば、
・行動基準が明確になっていること
・評価の仕組みが整備されていること…プロセスを重視する仕組み
・チーム営業の枠組みがあること…営業は一人ではできない。チームとしての協力が不可欠
・マネジメントが機能していること…行動基準を徹底し、プロセスを見つめる体制
などがあります。

でも、こういったチーム営業の枠組みが出来るならば、魅力的なインセンティブを用意しなくてもチームとしての生産性が向上し、業績も向上していくと私は思うのです。その結果として全体の処遇改善が図られることが理想です。現実的は、一生懸命働く人とそれなりに働く人がいることは事実なので、処遇に差を付けることはやむを得ないのですが、あまり大きな差は付けない方が良いと考えます。(どうしようもない人はそもそもチームから外す必要はありますが。)

「優秀な人材だけ集めた少数精鋭チームを作りたい!」という経営者に時々お会いするのですが、「そんなことって現実的ではないですよね。」と申し上げます。

百貨店個人営業部門の働き方改革を担当していた時に、ハイパフォーマー10名の働き方を分析したことがあるのですが実に多種多様でした。それぞれに勝ちパターンがある。ハイパフォーマーともなるとマネジメントも“おまかせ”になってしまう。特別扱いになる。数字だけ作ってくれれば良いよ!となる。でもこうしたハイパフォーマーもいつかは卒業する時が来る。場合によっては、より条件の良い職場を求めて転出していくでしょう。ハイパフォーマー依存のチームは一時的に好業績を上げることが出来るのですが、継続的に高水準の業績を達成する枠組みではないと言えます。少々言葉が悪いかも知れませんが、「平凡なチームで非凡な業績を継続的に達成する」仕組みを考えるべきだと思います。

最後に余談ですが…某大手百貨店個人営業部門の総務部門スタッフからこんなことを聞きました。「数年前に営業担当にインセンティブを付けたんですが、当初は良かったんですが、今では営業担当の半数以上にインセンティブが付くようになってしまって、結局機能していないんです。インセンティブが付かないスタッフからも不満の声が上がっています。私個人的には止めた方が良いと思っているんです。」

それでもインセンティブが良いと思いますか?

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鈴木一正
専門家

鈴木一正(経営コンサルタント)

合同会社スズセイ

百貨店個人営業(外商)での経験をもとに、BtoC企業のお得意さまづくりをサポート。訪問や電話などアナログな接点づくりを大切にする顧客戦略の設計図を描き、お客さま本位の働き方改革を実現します。

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