あの時のメッセージカード、今でも持っています
いわゆる“お見合い”がありました。
某医療機器メーカーでセミナーの依頼を受けたことがあります。私はセミナーを開催する場合にも事前に当該企業の課題をある程度把握した上で承るようにしているのですが、その際のお話しをさせて頂きます。
この医療機器メーカーは、基本的にはB2Bビジネスなのですが、代理店を介したBtoC(厳密にはBtoBtoC)ビジネスも営んでいたのです。低稼働顧客の活性化を担当していた私には気になることがありました。そこでこのように尋ねました。
「代理店が販売した製品を購入したお客様のフォローは誰がやっているのですか?」
窓口となった経営企画の部長さんは「実は…」と答えてくれたのです。つまり、メーカーからすると購入した顧客は代理店の顧客なので、製品を販売した後のことは良く分からない…。アンケート調査を実施したことがあるが、使い方が良く分からなくて使っていなかったり、既に壊れて使っていなかったり、ということも少なくないということが分かったということなのです。
「定期的なメンテナンスを理由にして、メーカーから顧客接点を持ったら良いのではないでしょうか?」
有名な事例としてはアスクルが挙げられます。アスクルはプラスの子会社ですが、文具・事務用品の大手コクヨに対抗するため通信販売を始めるのですが、街の文房具屋さんとのバッティングを回避するために、注文を受けた後のお届けを街の文房具屋さんに委託してその売上に貢献する仕組みを作ったのです。主な販売先としたのは小規模事務所でその都度注文すると翌日には届けてくれることはとても有り難かった訳です。まさしくWIN=WIN=WINでした。その後、プラス製品だけでなく競合の商品なども受注するようになり、大きく成長しました。ちなみにアスクルはデータ分析にも秀でていると言われます。
BtoBビジネスしかやらないメーカーだからと言って、消費者と直接接してはいけないことはないのです。代理店へ繋げば良い。代理店が短期的な業績に結びつかないメンテナンス業務をやりたがらないのであれば、メーカーが直接関われば良い…こんな提案をしました。
内部のメンバーだけでは気づいていても避けられなかった“ポテンヒット”は外部のメンバーこそ、発見することが出来たと思います。