鏡像関係は、絶対的孤独な人間の寂しさと孤立感を癒す
マイペースな人は男女問わず身近にたくさんいます。
「マイペースだね」と言われると、どのようなイメージをもちますか?
「マイペースな人」とはどのような人のことを言っているのでしょうか。
マイ ペースと似た意味で使われる言葉に、「わがまま」「自分勝手」「自由」「気まま」などがあります。
ここでは、それぞれの意味の違いを、例を通して明らかにし、マイペースな人の心理や構造、特徴をまとめました。
目次
わがまま、気まま、自由、自分勝手とマイペースの意味の違い
例
九十九里浜紹介の旅番組で女性3人が昼食を取ります。おすすめは名物の海鮮丼。A子さんとB子さんは海鮮丼を注文ましたが、C子さんは「私はかつ丼」と一人かつ丼を食べます。
このC子さんは、マイペース? それともわがまま? 自由? 自分勝手? 気まま? あなたはどれだと思いますか。
【わがままとは】
わがままは必ずそこに約束事、決め事などのルールがあります。学校の校則などではなく、その場のルールです。場に加わっているルールを乗り越えたとき、それがわがままです。わがままは、わがままを正当化しません。ただ自分がしたいからするだけで、周りを気にすることもありません。
みんなが必ずそのメニューを注文しなければならない、暗黙の了解が必ずあったとします。メニューは限られているのに、それ以外のメニューを頼むことをわがままと言います。
【自分勝手とは】
ルールがあるのが基本です。但しそのルールを踏み越えて自分でルールを作る。ということは自分流のルールを作って、ルール違反を正当化して自分は悪くないと、後ろめたさの軽減をして気を楽にさせているのが、自分勝手です。
【気ままとは】
なんの根拠も理由も無い、因果に欠けた無節操な振る舞いをいいます。自分勝手も無ければわがままもありません。その時の気分だけで、すべては気分次第ということです。何の意味も持っていません。
【自由とは】
ルールが全くない、もちろん暗黙のルールもありません。すべてにおいてフリー。海鮮丼を頼んだり、かつ丼を注文するのは自由ではありません。
自由とは、「今、食べたくない」これが本当の自由です。食べるというルールに従う限りは、それは自由とは言えません。
この場合の自由は食に支配されないこと。食べたいときに食べたいものを、そして食べたいだけ食べる。これができる人が自由です。ルールがある限り我儘、自分勝手ということになります。その食べる事すらからも自由。
C子さんが、もし二人が海鮮丼を注文する中「私は食べたくないから海岸散歩してくる」と言えば、これが自由です。
【マイペースとは】
自分の想う我が道を行くだけ、それだけ。周囲の意見に左右されず、自分を貫き通す。
これはわがままではありません。
したがってC子さんはマイペースということになります。
逆に食堂に行ってもメニューが多くて何を食べたらいいかわからない、決められないという人も居ます。この人はマイペースも無く、主体も無く、自我も無く、向かう目標も無い。本当に自分の無い人、食べたいものが浮かんでこないのです。
最後には誰かに「決めて」とか「同じものを」と言います。
マイペースな人の特徴
・自分がある
・前を向いている
・決定能力がある
・人に合わせない
・配慮性がない
・場を読まない
マイペースな人の構造、どんな人?
人がなんと言おうと「かつ丼」と言える。喩えていえば、マイペースな人はスラロームスキーのようなもの。スラロームスキーは、パイロンという障害物をするりするりと上手く避けてゴールまで滑ります。
マイペースな人は障害物をすべて避けて何ものにも左右されない、何者の意見も聞かない。何者の考えも無視する。誰にも影響されません。
【邪魔されてきた人】
これは邪魔されてきた人の歴史を物語っています。障害物だらけだった。自分の思うようにできず、あまりにも外野の声を聞き過ぎて、それに合わせ過ぎて自分が抹殺された経験値を持っている人です。そのため思うように生きたいマイペースを作りました。
誰の言う事も聞かない。耳を貸さない。何ものにも影響されない。我が道を行く。なぜなら、聞いたり見たりすると気になって影響を受けてしまうからです。一切の作用を受けたくないから見ない聞かない喋らない。そして我が道を行くと選択しました。
だからC子さんは海鮮丼とディレクターの意思を聞かない。どうだっていい。自分の食べたいものを食べる、そう決めて生きている人がマイペースな人。かつて人に合わせ過ぎて配慮性があり過ぎた結果、自己を失い、迎合して生きてきた人です。
危ないなと思ったら聞かない、近づかない。ただ聞かないだけ。
聞くと他者の要請に応える自分が作られてしまう。これを精神分析では「自我は他者の下で構成される」と言います。するとどうしても配他的、気配りしなければならなくなる。そんな自分に嫌気がさし、自分の声に従うと決めた人です。
【邪魔された始まりは?】
それはいつ経験したのでしょうか?
母子関係が始まりです。(世話をする人が対象になります。一般的にここでは母とします)。最初の対象は母です。
母はしつけと教育という名の下に、子供の要求や依頼を自分の方へ向け換えます。逆転させます。
子供は本来、寄る辺なき存在で、世話をされなければ自力で生きてはいけません。
しかし、いつの間にか母の世話をするようになります。
母のご機嫌を取ったり、怒られないようにしたり、お手伝いをしたリ、自分では不本意だけれど、
したくないことを母の要請により、しなければならない状況に陥るのです。
それがあまりにも続くと、子供は下記の4つのタイプになります。
・言うとおりにする。いい子になる。抗わない。
・ただ腹が立って反抗する。
・引きこもる。
・他人の言葉に盲従しない、ただ自分のしたいようにする。
自らの声に従うと決めた子が、マイペースな人です。
【心理学:他者との関係で生じるもの】
投 影:自分を相手に想像的に映す。
同一視:相手に想像的に映し出したものを自分と同じだと思うこと
合わせる:自分の形を出さず、相手の形にする
同一化:意味の同一
一体化:志が同じ。同志
共 感:意味と感情の同一
マイペースな人はこれらを放棄しました。
マイペースな人の心理
マイペースな人は他者の目が無い、それを気にしない。他人の目を気にしないとは、想像的に自分がどう思われているか想像しません。仮に思っても一致することが無いので、不安になることもありません。唯、何かは思いめぐらしますが、それが一致するとか不一致とかは関係ないので、気になりません。
自分と他者との関係が無いので、同一化も合わせることも、同一視することも投影することも共感することもしない。一体化も存在しません。
誰をも真似たくない。真似るモデルも居ない。ただ自分だけの道を行くだけ、going my way!
まとめ
マイペースな人は他者に振り回されることがなく自分らしく生きています。自分の好きなようにできることは素晴らしいですね。そのような生き方にあこがれている人もいるのではないでしょうか。
しかし、他者の目が気にならないということは協調性に欠けることでもあり、周りを振り回している可能性もあるために、批判されたり嫉妬されることがあるかもしれません。
マイペースな人もそうではない人も、個々に良い面・悪い面があります。それぞれの個性を認め合いながら、ほんの少し歩み寄ってみると、また違う景色がお互い見えるかもしれませんね。