鏡像関係は、絶対的孤独な人間の寂しさと孤立感を癒す
「こんなの不条理だ」「理不尽だ」「世の中おかしい」「不公平だ」という思いをしたことはありませんか。
理不尽だという考えに立つと、そもそも人は生まれたときから家庭で味わっています。親子関係で、兄妹間の続柄によって決められてしまう社会的役割や風習に取り込まれて。幼稚園や学校でも、理不尽だらけです。
ましてや初めて社会に出れば、最初に学ぶのは社会の理不尽さではないでしょうか。正義感の強い人や、常識人、責任感の強い人などは、不条理な世の中で生きにくいものです。
不条理な世の中や理不尽な社会に対して「怒り」を持つか、諦めて「やる気」を失うか。もしくは社会から撤退して「引きこもり」になってしまうのか。
ここではそんな現実社会の中、社会人として自分らしく生きていくための考え方、受け取り方をまとめてみました。
1.世の中は不条理、理不尽だという前提をもつ
会話力講座で、
職場での理不尽な上司や同僚に対して、どう言えばよかったのか
という応え方の質問がよくあります。
【理不尽な例】
■上司は勝手なことを言う! マニュアルと違うが、上司の言うとおりにしていたら不都合が起きて、「何やってんだ!」とその上司から叱られる。
■同僚からは教えてもらってないことを押し付けられ、時間がかかって、もたもたしてると他の社員に「何してんの? 早くして」と言われる。
■言われた通りにしてたら、他の先輩同僚から注意を受ける。言った本人は知らんぷり。
■上手にさぼってる同僚が、丁度いい頃合いに来て自分がしたかのように持っていく。
■言う通りにしないと仲間外れにされる。
等々、枚挙に遑がありません。
しかし、どんなに理不尽な上司でも、昇進や査定の評価に左右されるかと思うと言えなかったり、同僚にストレスを感じていても仕事を辞めたくないために、我慢するしかない現状ではないでしょうか。
現実は個が及ばないシステムを持ち、自分の力ではどうにもならない部分があります。論理を盾にせず、それが現実だと知り、受け容れること。その前提を持つと社会で生きやすくなります。
2.社会での自分の立場を理解し事実のみ語る。
職場は仕事の私、そこに立ち、事実だけを伝えたり、訊いて行う。事実と違えば、先ほどの例でいうと、上司にマニュアルを見せ、「マニュアルはこうですが、どうしますか」と事実を見せて尋ねる。
そのとき自分の感情を乗せてしまうと、間違いを指摘するような言い方になったり責める口調になったり「事実+自分の優位性(自己愛の備給をしている)」のために上司の怒りを買ってしまいます。あくまでも事実のみを語ること。
基本的に、社会ではそれぞれの役割があります。プライベートではないので感情は付けずに、自分の立場を正確に理解し、事実のみを語り、見て対応する。これが最も重要です。容易ではありませんが、意識することで徐々にできるようになります。
3.不公平、理不尽な社会を受け容れる
知ることはできても、受け容れることは容易くありません。受け容れて社会で生きやすくするためには自分の心、意識を変えることが必要です。自分の心が変わると気にならなくなります。すると、自分を取り巻く環境も変わっていきます。
受け容れるための二つのこと
① 正論・正義・善悪・道徳、それらは絶対のものが無い
人それぞれ持っていて相対的です。私の正義は私だけの絶対、他者は他者の正義があります。ということは、自分の価値観・正義感と比べて、人を評価していることになります。自分が正しいという視点に立ち、他は認めないということです。
したがって、一人一人他者の考えを認める。「あなたはそうなのね」と、同意ではありません。ただ他者の考えを尊重し、肯定はするが、自らの主義、主張を捨てたり変えたりする訳ではありません。
② 目標を持つ
上司が理不尽だ! 不公平だ! 世の中不条理だと、言っていることは、「○○のせい」「環境のせい」だと言っていることに等しい。自分は環境が恵まれない、チャンスが来ない、と嘆いて、今の状況を受け容れなければ何も始まりません。
したがって、自分を生きていることにはならない。そういう世の中で自分はどう生きたいのか。自分の目標を持ち目標に向かえば、“目標達成のためどうするか”しか関心がなくなります。それをプラス思考と言います。プラス思考になると、自ずと同じような人が集まってきて、環境も変わります。プラスへと動き始めます。
まとめ
不条理や理不尽な目にあったとき、正当性を主張したり、騒ぎ立てたり、すねたり、怒ったりしてしまいがちですが、下記のことをしっかりと心に留め実行すると、穏やかな心になり楽になります。
【楽になるための3つ】
1.世の中は不条理、理不尽だという前提をもつ。
2.社会での自分の立場を理解し事実のみ語り実行する。
3.不公平、理不尽な社会を受け容れる。
【受け容れるための2つ】
1.正論・正義・善悪・道徳、それらは絶対のものが無いと知る。評価しない。
2. 目標を持つ。
私は私という明確な自己を持ちつつ、他者の考え方や行動・価値感は尊重し、社会的役割を是とする分別を持ち、決して自分の分を超えずに役割を全うすることで、いつか個が花開くのです。
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