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大澤秀行

生きる意味への気づきをもたらす精神分析家

大澤秀行(おおさわひでゆき) / 精神分析家

合同会社LAFAERO1(ラファエロワン)

コラム

夢分析│フロイト・ラカンの精神分析の手法を臨床の場に活かしたい方

2022年1月20日 公開 / 2022年2月17日更新

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

フロイト・ラカンの精神分析の手法を臨床の場に活かしたいプロの方(公認心理師、精神分析家、臨床心理士、臨床心理の有資格者)やフロイトやラカンの精神分析を勉強している方に向けて、夢分析の手法と、夢分析をする上での夢解釈理論と事例分析の実践講義により学ぶ。

夢分析は映像を象徴界に還元すること

全て文字から始まり、想像界をその文字が経由します。そしてこの文字が一つの、正に現実であるかのような世界を創り出します。いわゆる想像界で使われた映像が体感を伴って、匂いがする、色が見えるなどと仮想現実的に表現されます。

想像界を通して加工されます。それは圧縮と拡張を使いそれは換喩と隠喩によってストーリー化されます。最初の文字を別なものに変貌させてしまうのです。
始まりは象徴界にあります。いわゆる大文字のAです。大他者の世界が象徴界の世界です。

夢分析はこの現実的知覚によって表現された映像を、もう一度元の大文字のAという象徴界に還元することです。そしてその文字を、もう一度文字として明らかにします。最初の出発点と同一であることの確認です。この文字が無意識界に登録されているという考え方です。

人は言語活動をしている

常に人間は大文字Aの言語活動に語りかけられている存在です。いわば強迫的に主体は言語化を迫られています。私という存在を言語で言い表さなければならないという、ある種の強迫観念を伴っています。そういう状況に人間は置かれています。大文字Aの作用を受ける主体、夢分析をする上でこのことをまず理解する必要があります。

大文字Aの作用を受けるとは何か。人が一番それを実感するのは認識する時です。認識は感覚器官を使っていますが、実は言語がその対象物に貼り付けられます。この認識を持たないと夢解釈の時に混乱します。我々は物を認識すると同時に物の意味を把えます。意味とは何かという言語活動をします。この物が主体とどう関わったかを意味付けます。

コップ一杯の水を例にとります。普段飲んでいるのと、砂漠を歩いて渇き切ったところで飲む一杯の水。コップ一杯の水は認識的には同じですが、砂漠を歩いていて、渇き切って倒れる寸前でコップ一杯の水が目の前に置いてあったとします。コップ一杯の水の意味が全く異なります。

このようにもう一つの言語活動があります。認識だけではなく、もう一つの意味の活動を我々は認識以上に並行して行っています。この言語活動のシニフィアンが夢の時に使われています。夢には認識のこのコップ一杯の水だけがさり気なく出てきます。

夢分析をする上で大事なこと

夢分析をする上で最も大事なことは、まず自分の考えや価値観を全て捨てることです。自分が知ったことはみんなガラクタだと、すっかり廃棄処分にするのです。何故そんなことをするのかといえば、考えるということは、あらゆる理論を尽くして物を見ることだからです。

例えばここにアナログ式の置き時計があるとします。それを正面から見ました。でもこれでこの時計の全てを知ったわけではありません。時計の働きとしては文字盤と針があれば全部を知ったことになりますが、この時計はこれが全てではありません。何故なら、機能と構造があります。それは裏を見ないと分かりません。これは電池が入っています。この電池を抜いてしまったら単なるガラクタです。だからどの見方が正しいというのはないのです。

正面から見た文字盤は働きの前面だから華やかです。言ってみればスターです。みんなが見たがる対象です。これが全てだと思ってしまいます。すると夢分析で時計が出てくると正面しか見ません。時計は何で動くか、電池と針を合わせるこの機能が大事ですが、表からではその構造が目に見えません。

時計の表ぐらいは分かりますが、時計の裏が出た日には全く分かりません。この裏がなければ時計の構造は維持できません。大体夢に出てくるのは裏です。するとみんな興味を示しません。時計というと華やかな正面だけを思い出してしまいます。すると「文字盤どうなってました?」や「針はどうですか?」など、そこにこだわって聞いてしまいます。実はここの裏が言いたいのです。裏にアルファベットや記号(製造番号)があります。ここに意味があります。時計の姿を借りてこの番号を伝えたいのです。

夢分析をする上で大事なのは、物を一面で見るのではなくて、あらゆる角度から見ることです。

・フロイト・ラカンによる分析方法を、臨床実績29年の精神分析家が、実際の夢を使って詳しく解説いたします。夢分析講座の詳細はこちらのページをご覧ください。
https://lafaero1.com/course/#lesson

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フロイトの「エスが語る」動物と人間の間にあるもの

この記事を書いたプロ

大澤秀行

生きる意味への気づきをもたらす精神分析家

大澤秀行(合同会社LAFAERO1(ラファエロワン))

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