お墓に対するイメージの問題
皆様、こんにちは。
今回は、私が終活セミナーなどでお話しさせていただいている、ちょっとした知識について書いていきたいと思います。
死んだ後なのに何故「生前」?
亡くなった方の事を語るときに、一般的には「生前の〇〇さんは・・・」という言い方をすると思います。今まで使い慣らされてきた言葉ですので、別段不思議は感じなかったかもしれませんが、よくよく考えてみると、故人が生きていた頃の事を「生前=生きる前、生まれる前」と言うのは、何だか変な感じもします。では、何故生きていた頃の事を生前と呼ぶのでしょうか?
死を通してもう一度生まれる
前にも書きましたが、仏教の考えでは、人は死後「成仏」します。煩悩に囚われた人の世界から旅立ち、心穏やかな悟りの境地=涅槃に生きる仏になるのです。つまり、死は人生の終わりではありますが、仏として生きる新たなるスタート、とも考えられているわけです。「生前」とは、「仏として生まれる前」という意味で考えていただければ、スッキリするのではないでしょうか。
死を終焉ではなく通過点と捉えた先人の発想は、死というものを前にしてどうしても不安を感じてしまう我々にとって、学ぶべき考え方だと思います。