公営霊園の理想と現実
皆様、こんにちは。
墓地経営に関する条例について、前回の続きです。前回は墓地の立地に関する規定について書きましたが、今回は墓地の中身の部分について書いていきます。
前回と同じように、私ども(株)二上家のある所沢市の条例を例に挙げます。特徴的なのは、以下の三点です。
まず一つは、霊園の面積に応じて、墓地の境界の内側に緑地帯を設けなければならないと定めているところ、です。(最低でも幅2メートル)
もう一つは、墓地の区画数の5%に相当する駐車場を設けなければいけないと定めているところ、です。例えば2,000区画の墓地を作ろうとする際には、100台分の駐車場を用意しなければなりません。市によっては区画数の10%、それも霊園敷地内での駐車場設置を義務づけているところも有り、駐車場を作るために非常に大きな敷地を用意しなければなりません。
最後の一つは、各区画に接続する舗装された通路幅を1.5メートル以上にしなければならないと定めているところ、です。もちろん、通路が広い方が開放的ではあるのですが、この通路分も面積を割かなければなりません。
これらの規定について、どの数字についても合理的な根拠が示されていません。何故、緑地帯の幅は2メートル以上なのか、駐車場台数は区画数の5%なのか、これらの根拠はハッキリしません。
これら根拠のハッキリしない数字によって霊園を造成するに際しての、墓地として利用できる有効面積がどんどん削られていっているのです。一般消費者の方からすると、「別に良いじゃないか。快適に利用できるなら。」と思われるかもしれません。しかし、前回の立地条件にしろ、今回の施設条件にしろ、確実に購入する一般消費者の方にしわ寄せが行っているのです。
次回は具体的なデメリットについて書いていきます。